NCSoftの前リネージュ3開発チームの営業機密を流出・使用した疑いで営業秘密の不正使用に問われていた裁判で韓国最高裁は、元開発チーム室長らに有罪判決を下したことが16日、明らかになった。

裁判長は判決文で、「NCSoftが関連資料(リネージュ3)を制作する過程で、相当な努力と費用が投入された。そして、データアクセスの権限と方法を制限して守秘義務を課すなど、競合他社がそのデータを利用する場合、開発期間の短縮や経済的利益を得ることができる。これを総合すれば、該当資料はNCSoftの営業秘密に該当する」と述べた。
また、原審の判決についても「被告人はNCSoftを退社し、無断で流出した資料を入社した会社(Bluehole Studio)のコンピュータにインストールしたあとに実行を試みた。このような行為はファイルの保存段階を超えて実行に至っており営業秘密不正使用未遂で、有罪を認めた原審は正当」とした。
被告人のパク室長は懲役8ヶ月、執行猶予2年、他2人もそれぞれ罰金1000万ウォン、700万ウォンが確定した。
今回の裁判は、NCSoftの訴訟ではなく、検察が直接主導した刑事裁判という点で注目が集まった。
これとは別に、NCSoftが主導する民事訴訟は最高裁の判決待ちで、NCSoftはBluehole Studioに対して65億ウォンの損害賠償を請求すると共に、退職者には営業機密の廃棄を求めている。
民事裁判の一審判決では裁判所はBlueholeに20億ウォンの損害賠償の判決を下したが、二審判決ではBlueholeには嫌疑がないとして損害賠償額が減免された。
これまでの経緯
2007年2月:NCSoft、「リネージュ3」営業秘密の流出に関し警察に捜査依頼
2008年8月:NCSoft、「リネージュ3」営業秘密の流出に関し、65億ウォンの損害賠償を求め民事訴訟
2008年12月:検察、「リネージュ3」営業秘密の流出に関し、前開発室長らを起訴。
2009年6月:刑事裁判一審判決。営業秘密の流出が認められたが使用行為は不起訴処分。前NCSoftのスタッフ5人に有罪宣告。営業秘密の使用行為不起訴により検察控訴。
2009年12月:刑事裁判二審判決。一審で無罪判決受けた被告人に対しても追加で有罪判決。
2010年1月:民事裁判一審判決。被告に対する営業秘密侵害禁止及びNCSoftを離職した前社員4人とBlueholeに対して20億ウォンの損害賠償宣告。BlueholeとNCSoft前職員は控訴。
2011年1月:民事裁判二審判決。流出した営業機密の廃棄命令。NCSoftの損害に対して嫌疑なし。
2012年4月:刑事裁判最高裁有罪判決。
NCSoftがリネージュ3として開発していたゲームのソースコードの一部やアートワークなどがTERAに使用されていると言われており、北米でも訴訟に発展している。
尚、NCSoftは現在”別の”リネージュ3の開発を始めているとみられている。
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