ソーシャルカードバトルゲーム「激戦!三国演義~英雄合戦~」の開発元の浅草ゲームズが、日本のソーシャルゲームの「ミリオンアーサー」などがヒットし、モバイルゲームへの関心が高まっている韓国で開催されたモバイルゲームカンファレンスで、「日本のソーシャルゲームにおけるARPU(※)の真実」というテーマの発表を行い、日本のユーザーの課金性向とガチャガチャアイテムの運営ノウハウを公開した。
本稿では講演の内容を要約して紹介する。
※ARPU:加入者一人あたりの月平均売上高
■日本のソーシャルゲームのガチャは「宝くじ」ではなく「福袋」の概念
「激戦!三国演義~英雄合戦~」の1日あたりの純利用者数は3000人、ARPUは月1万円
日本のユーザーにとってガチャガチャはロト(宝くじ)ではなく、福袋の概念
ガチャにはハズレがなく、少なくともレア等級以上のカードが当たり、10回に1回程度、さらに高い等級のカード(SR)が出てくる
これにより、ユーザーはレアカードが均等に300円の価値があると思うようになる
より高い等級のカードが当たれば「払ったお金よりも高い価値のカードが出てきた」と感じるようになる
ガチャ1回300円で10回に1回スーパーレアが出たら、ガチャの価値が心理的に変わる効果が生じる
この心理状態では、ガチャガチャを10回試行した時の実際の金額は3000円だが、心理的な価値はスーパーレアカードが出る確率を加算した5700円になる
日本のユーザーは希望のカードが出なくても、トレードで同じ価値のカードに変えることができるとも思っているのでガチャに投資する
■課金はガチャで終わるのではなく、ガチャで始まる
ガチャは良いカードを手に入れることだけでは終わらないので継続的な売上を発生させる
「激戦!三国演義~英雄合戦~」ではユーザーが課金をせずに最高レベルまで成長させるためには平均して1ヶ月程度かかる
こういったユーザーはカードを速く育てるために再度ガチャガチャをすることになり、最終的には”良いカードのため”の労力と金額よりも、”カードを成長させるため”の努力と金額が大きくなる
ガチャにお金を出し始めたユーザーが継続課金するしかない構造
カードゲームを楽しむ人の心理はMMORPGのプレイヤーと同様の傾向を示す
ガチャにお金を投資すればするほど自分の資産が増えるようになり、増えた資産を放棄できなくなり、ゲームを続ける
■一ヶ月に5万円以上使うユーザーは全体の10%
5万円以上使ったユーザーの売上高の割合は全体の10%に過ぎず、お金をたくさん使わないユーザーが重要
コンプガチャのように高額課金を誘導するシステムの本当の意味は「トリクルダウン効果」にある
トリクルダウン理論:富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が浸透する
高額課金者のガチャ課金によって大量のカードが流通する
短期の成果よりカードの流通が重要で、レア度の高いカードが多く流通しないのはゲームにとって致命的
■多彩な課金アイテムを用意してください
売り上げの残りの90%を占めるユーザーの課金を誘導する策には様々な価格帯の課金アイテムを用意するのが良い
「激戦!三国演義~英雄合戦~」で90%の確率で少量のゲームマネーが出てくる10円のくじと90%の確率でレアカードが出てくる300円のガチャを販売したところ、双方の購入者が重ならず、結果的に課金ユーザーが増えて全体の売り上げが30%上昇した
10円のアイテムでも一度購入を誘導する戦略が重要
情報元:THIS IS GAME
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