BLUESIDEが開発中のMMOアクションRPG/RTS「Kingdom Under Fire II」(キングダムアンダーファイア2)のクローズドβテストのファーストインプレッション
※2014年1月に実施された東南アジアサービスのベータテストを基にしています。
Kingdom Under Fire II (以下、KUF2)は2014年にPC及びPS4向けにサービス開始予定のオンラインゲームで、最大の特徴はアクション・RPG・RTSそれぞれの要素を持った上でさらにMMOであるということだろう。
グラフィックス
GPUの最小動作環境がGeForce 7600GT、推奨動作環境が9800GTであることを考えると、KUF2のグラフィックスはかなり高いレベルだと言えるだろう。
また、ゲーム中には大量の味方NPC・敵NPCが登場する上に、RTSモードでフィールドマップを俯瞰的に見ることができるというかなり負荷のかかりそうな仕様もあるが、自社製ゲームエンジン FAME Tech2のおかげなのか、よく最適化されており、大量の敵と味方が表示されてもフレームレートが極端に下がるということがない。
ミドルハイ以上のゲームPCなら最高設定でも全く問題ないだろう。
もしこれがシングルプレイのゲームであればグラフィックスはあまり良くないかもしれないが、大量のNPCが戦闘に参加するオンラインゲームであることを考えるとグラフィックスはむしろ良い方だ。
キャラクター
リアル志向のデザイン。方向性としてはTERAやAionなどの韓国のリアル系MMORPGなどのキャラクターデザインに近い。CBT段階でいかにもなロリキャラや獣人系のキャラクターは登場していない。
プレイアブルキャラクターは現状「ガンスリンガー」「スペルソード」「バーサーカー」の3種類が存在している。ガンスリンガーは遠距離攻撃ができるが、基本的に全クラス近接攻撃がメインとなる。
現時点では職業と性別は固定。
ガンスリンガーとバーサーカーは男、スペルソードは女
キャラメイクでは頭だけをいじることができる。
ヘアスタイル、顔、化粧の種類と髪、瞳、肌、唇の色を選ぶことができ、また、顔のパーツについて細かく指定することができる。
(動画: Steparu.com)
キャラクタークリエイションのバラエティは普通といったところ。性別固定なのが残念。
キャラクターの外見装備(アバター装備)が基本装備とは別に存在しており、主に課金アイテムとして販売されることになりそうだ。ただし、リアル志向のキャラクターデザインなのでBLUESIDEがアバター装備の開発にどれほど注力するのかはわからない。
ゲームプレイ
KUF2のゲームプレイは一言で説明するのがとても難しい不思議な組み合わせになっている。
動画などを見ると、コーエーテクモの無双シリーズのような印象を受けるのだが、このゲームはアクション・MMORPG・MORPG・RTSの要素が取り入れられている。
街とフィールドはMMOゾーンとなっており、たくさんの他のプレイヤーが同じ空間に存在している。
当然チャットも一般的なMMORPGのようにすることもできる。ここは一般的なMMORPGと同じだと認識して問題ないだろう。
フィールドにはモンスターが散在しているが、こちらも一般的なMMORPGのような数や間隔で配置されている。
▼フィールドでの戦闘(MMO)
一方、インスタンス空間は二種類存在する。
1つ目はワールドマップから直接進入できるインスタンスゾーン
2つ目はフィールドマップからポータルを通って入るインスタンスゾーン
おそらく前者の方がミッションやマップの規模が少し大きい。
▼インスタンスゾーンでのゲームプレイ(MO/RTS)
基本的にはクエストにしたがって進めていくことになる。こういった部分はMMORPGやMORPGと同じだ。NPCからクエストを受注してそれにしたがって行動する。
しかし、フィールドでのプレイとインスタンス空間でのプレイは同じくらいか、むしろインスタンス空間でのプレイの方がメインとなっている。
KUF2の最大の特徴はプレイヤーが従える部隊の存在だろう
プレイヤーは十数体で構成されたユニットを複数所持することができ、インスタンス空間ではこのユニットを従えながら攻略をすることになる。
ユニットはプレイヤーキャラクターと共に成長し、剣兵や弓兵、騎兵など様々な方向に育成できる。
尚、フィールドでのプレイの際はこの部隊ユニットの力を借りることができない。
コンテンツは予想していたよりも直線的で選択肢が少ないように思えた。
特にフィールドでのクエストは退屈そのもので、せっかくたくさんのNPCを表示できるのになぜちまちま敵を倒さないといけないのか疑問だ。
戦闘
戦闘方式はヒーローキャラクターを操作するヒーローアクションモードと、自分の味方ユニットを含めて移動や攻撃指示を出すRTSモードの2種類にわかれている。
ヒーローキャラクターの操作時はアクションゲームのように多数の敵をなぎ払って圧倒的な強さを見せつけることが可能。
基本的には敵を選択しなくてよいノンターゲッティング方式で、マウスとキーボードの数字キー等で直感的に攻撃することができる。
尚、正面に攻撃する完全なノンターゲッティング方式と、近くにいる敵の方へ攻撃を出せるオートターゲット方式のいずれかをオプションで設定することができる。したがって、アクションが苦手なプレイヤーでも攻撃を当てるのは簡単なはずだ。
よく考えてみると、KUF2はノンターゲッティング方式のMMORPGという側面も持ち合わせている。
RTSモードでは戦場を俯瞰で見ることができ、ヒーローキャラクターと自分のユニットの行動を指定することができる。
例えば遠距離から攻撃してくる敵の元にユニットを送って排除したり、友軍や味方プレイヤーを支援するように指示したりといったことができる。
移動する場所や攻撃する相手を指定することもできるし、各部隊ごとのAIを攻撃・防御・サポートの中から選ぶことができる。
基本は自動的にプレイヤーキャラクターをサポートする形で動いてくれる。弓兵などは適切な距離を保って攻撃する。すなわち、いちいち指示を出す必要はないということだ。
RTSのようなストラテジーゲームが苦手でも、ほとんど気にせずに戦うことができる。
味方ユニットを一切戦闘に参加させないことも可能だが、敵の攻撃がプレイヤーに集中するなどデメリットしかないので味方ユニットを連れて行くのは基本だ。
今回のベータテストでは2つの部隊しか戦闘に参加させられなかったので戦略性はほとんど感じられなかったが、参戦させられる部隊数がもっと増え、敵も更に強くなった場合は戦略性が増してくるのかもしれない。
クラスにもよるかもしれないが、対多数の戦闘はとにかく派手。エフェクトも派手。
ヒーローキャラクターのスキルモーションはスタイリッシュなので日本のゲーマーにも受け入れやすいかもしれない。
ユーザーインターフェイス
MMORPGやMORPGをある程度プレイしたことがある人ならKUF2のユーザーインターフェイスはすんなりと理解することができるだろう。
位置も自由に動かすことができるし、サイズも調整することができる。
GUIのデザインも悪くはない。(東南アジア版のローカライズはややお粗末に感じたが・・・)
レスポンスも速いし、ひと通りのものは揃っている。
総評・感想
Kingdom Under Fire IIはアクションRPGとMMORPGとRTSを混ぜあわせたユニークなゲームだ。
現段階ではまだ”そこそこ面白いゲーム“止まりでいまいちパッとしない。
おそらくはフィールドでのMMORPGの部分が退屈なせいだが、PvPなどが実装されるとまた違った面白さが味わえるような気がした。
なによりゲームが軽いのが驚きだったし、ヒーローキャラクターの三人称視点からRTSモードの俯瞰視点への変換もスムーズに行われていた。
筆者個人としては本作の今後の動向が気になるところだ。PS4のスペックはKUF2の推奨動作環境を軽く超えているので、PS4でこのゲームをプレイするのも良さそうだ。
【良い点】
- グラフィックスの割に要求スペックが低い
- 最適化されており、大量のNPCが登場しても軽い
- アクションRPGとRTSの要素の両方を持つユニークなゲームプレイ
- 爽快感のある戦闘
- プレイヤーキャラや味方部隊が死んでも復活させられる(アイテム使用)
【悪い点】
- プレイアブルクラス(職業)が3つしかない
- 性別固定
- フィールドでの戦闘(MMOパート)は退屈
- コンテンツが直線的で選択肢が少ない
▼Kingdom Under Fire II トレーラー
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