検索の人気度がわかるGoogle Trendsを利用し、オンラインゲーム界隈のキーワードから各ジャンル、各タイトルの人気の変遷を分析した。
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MMOは2009年~2010年で頭打ち
MMORPGとMMOとMOBAの比較。
MMORPGというキーワードは、2009年頃から綺麗な右肩下がりとなっている。
2009年といえば日本でも毎月のように新作のMMORPGが登場していた時代だ。
また、World of Warcraftのアクティブユーザー数もピークがこの頃だと言われている。
この後、TERA、Rift、ギルドウォーズ2、Star Wars: The Old Republic、FF14、Blade & Soul、黒い砂漠といった大作が登場しても一時的な上昇にとどまり、長期的な下降は避けられていない。
より広義の「MMO」というワードについても、MMORPGとほぼ同じように下降を辿っている。
一方、League of LegendsやDOTA2、ベイングローリーを始めとしたゲームのジャンルを指す「MOBA」というワードが今年に入って「MMORPG」とクロスしそうなほど接近した。
MOBAという言葉自体の知名度はまだまだ低いが、MMORPGというキーワードの検索数はそのレベルにまで低下したというのは衝撃的だ。
興味深いのは、2000年代後半までは「MMO」で検索する人より「MMORPG」で検索する人のほうが圧倒的に多かった事だ。
MMORPG各タイトル
発売時や拡張パッケージの発売時には検索数が大きく上昇する。
World of Warcraftはそれが顕著だ。
FF14は問題だらけで話題になった旧FF14発売時よりも、最近の拡張パッケージ発売時の方が検索の人気度は高くなっており、新生以降長年かけてしっかりとした基盤が出来た事が窺える。
さきほどのデータで2009年がMMORPGの検索人気度のピークだとわかったが、ちょうどこのタイミングで登場したのがAionであり、瞬間的な爆発力は凄まじい。
特に、旧FF14のロンチ時の検索人気度でも、リリースしてから既に1年以上経った2010年というタイミングAionの方が検索人気度が高いというのが興味深い。
オンラインゲーム人気タイトルの比較
ブームとも言えるような人気を2010年頃から見せたLoL、League of Legendsだが、2016年頃から若干停滞をしている印象だ。
ハースストーンは拡張パック発売の度に検索人気度が上昇するというわかりやすい動き。
2017年は一つの転換点で、日本で特に人気の「Fate/Grand Order」がLoLやFF14、Hearthstoneを超えてくる時期もあったようだ。
また、販売数が3000万本を超えたPlayerUnknown’s Battlegroundsは17年夏にLeague of LegendsやHearthstoneを超え、その後も上昇を続けるという人気ぶりだ。
こう見ても2017年夏というのはオンラインゲームにとっての大きな転換点なのかもしれない。
なお参考までにスラングや一般英単語と混同してしまうLoLやWoWについて。
wow…
World of WarcraftやLeague of Legendsの登場によって、「WoW」や「LoL」という言葉の検索人気度も爆発的に上昇している。
LoLに関してはグラフの形状もほとんど一致する。
推測だが、ゲームに慣れたプレイヤー達はWorld of Warcraftと入力するよりWoWで検索する方が多くなったため、WoWのアクティブユーザー数ピークに近づくにつれ、「World of Warcraft」の検索人気度は減少する一方で、「WoW」の検索数人気度は増加している。
その後は「WoW」というワードの人気度も連れ立って下降している。
日本国内のみのデータ
いくつかの人気タイトルを並べた。
FF14はスプラトゥーン程度には検索されているようだ。
また、旧FF14ロンチよりも新生FF14ロンチの方が倍近く注目されたようだ。
PSO2はロンチ時よりも2016年5月の方が検索人気度が高い。これは2016年4月下旬にPS4版が発売されたのと、大型アップデートが重なったためだと思われる。
Blizzard タイトル比較
オンラインゲームの老舗、Blizzard Entertainmentのタイトルの検索人気度比較。
Diablo IIIロンチ時の検索人気度がとてつもなく高い。
おそらくロンチ時のごたごたが関連していると思われるが、延期を重ねシリーズとしては12年ぶりということもあり、話題性は高かった。
現在では「Overwatch」が最も検索されているようだ。
長寿MMORPG
10年以上続いているMMORPGの比較。
メイプルストーリーは00年代前半のタイトルだが、2011年頃までじわ上げを続けてきた。
カジュアルゲーマーへの替えの効かない根強い人気が現れている。
リネージュやラグナロクオンラインは最近になって若干検索人気度が上がっているが、これはスマートフォンゲームの登場やラグナロクオンラインのクラシックサーバー等の影響だと思われる。
2016年頃はいずれも底打ちというような印象もある。
残念ながら新作のEQ Nextが開発中止になってしまったEverQuestは下降が止まらないようである。
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