ゲームの全盛期の仕様を現在のトレンドにあわせて改良した「クラシックサーバー」が韓国のオンラインゲーム業界でいくつか登場している。
韓国で3月27日にオープンした「十二之天2」(日本名:天地大乱)のクラシックサーバーでは2008年当時のバージョンを現在のトレンドに合わせて改良したクライアントが使用され、昔を懐かしむプレイヤーたちに好評だという。
クラシックサーバー用のクライアントでは、近年モバイルゲームでよく見かける「自動狩り」を導入したり、ライブサービスでバランスに影響を与えてしまった要素を思い切って削除するなどの試みをしているようだ。
昨今、十二之天2だけでなく、NCSOFTの「Aion」や「リネージュ2」も同様のクラシックサーバーを用意し、昔の仕様を少し改良したものを提供している。特に韓国では、Aionの2009年当時の仕様を改良したバージョンのマスターサービスのサーバーが6つに増えるなど高い関心を集めている模様。これらは日本サービスでも基本プレイ無料で提供されている。
「Aion」「リネージュ2」 無料サービス開始。昔の仕様を再現したサーバーも
ここ数年で基本プレイ無料のオンラインゲームが大半を占めるようになったり、モバイルゲームが普及したりなど、ゲーム業界に大きな変革があったわけだが、現在の流行にあわせて昔の仕様+αのバージョンを提供するのは単にプレイヤーの思い出を刺激するという目的だけではなさそうだ。
当時は月額課金制だったから手を付けなかったという人に訴えかけるのはもちろん、運営・開発会社がゲームのサービス開始から数年間で経験した失敗や成功をもとに蓄積したノウハウを2015年現在の技術と組み合わせることで、当時経験してしまった問題を回避する対策を用意してからサービスを行うことができるわけだ。
また、十二之天2のクラシックサーバーやAionのマスターサービスでは昔の経験値テーブルや獲得経験値量に近いものに設定することによって、ここ何年かで簡単になりすぎたMMORPGにおけるレベル上げ区間の重要性が見直されている。
これらのタイトルは今となっては古いゲームになってしまっているので再び多くのユーザーをクラシックサーバーに集めるのは至難の技かもしれないが、これらに対するユーザーの反応は非常に興味深いものがある。今後こういったサービスを提供するオンラインゲームが他にも出てくるのかも注目だ。
もちろん、「全盛期」と言えるほどの人気がなかったゲームではこういった試みはできないが・・・
ソース: THIS IS GAME
コメント