ハクスラ&俯瞰視点MMORPGに活路はあるのか?同時期に3タイトル

「ロストアーク」「MU LEGEND」「リネージュエターナル」
いずれも韓国のゲーム業界で期待を集めているMMORPGだが、これら3タイトルに共通するのが「クォータービュー」「ハック&スラッシュ」「MMO」、そして「2016年から本格始動」ということだ。

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これら似た3タイトルが偶然とは思えないようなタイミングでベータテストや正式サービスを予定しているその背景を探る。

まず、この3タイトルがいかに似たようなタイプのMMORPGであるかを紹介する。以下はそれぞれのタイトルのトレーラーだ。

ロストアーク

MU LEGEND

リネージュ エターナル

差異はあれど、3Dグラフィックだが俯瞰視点(クォータービュー)で、雰囲気も似ており、比較的スピーディーな戦闘、ディアブロのようなハック&スラッシュRPGのように見えてMMORPGであったりと、共通点が多いのは明らかだ。

そんな上記3タイトルは、全く違う時期に発表されていながら、2016年、2017年といったタイミングで一般ユーザー向けのパブリックベータテストが本格化するという偶然の一致を見せている。

数年前まで、TERAやブレイドアンドソウルのような三人称視点(サードパーソンビュー)のMMORPGが大作の筆頭だった韓国のゲーム業界だが、この先のトレンドをこの3タイトルに垣間見ることができるだろう。

すぐに理解可能な操作系

ゲームを開始し、少し操作すればシステムの大部分を容易に理解できる。
難しい操作は少なくとも序盤のうちは全く必要がない。

敷居をぐっと下げることで、序盤~中盤におけるプレイヤーの離脱を極力回避するという意図が見て取れるだろう。

近年のMMORPGは、昔よりはずっと簡単になったと言えど、少しでもややこしい操作系とゲームシステムだと、初心者やそれに近いプレイヤーが序盤に離脱してしまう可能性がある。

マウスとキーボードで似たタイプのゲームをプレイしていればすぐに操作系を理解でき、そうでなくとも操作の説明がすぐに済む、そしてアクションが苦手でもあまり問題がないシンプルな操作で、近年取りこぼしてきたプレイヤー層も取り込みたいというわけだ。

特にLeague of LegendsやDOTA 2のようなMOBAで俯瞰視点の操作に慣れたユーザーが一気に増えたことも大きい。

三人称視点MMORPGにおける攻略疲れ

三人称視点のMMORPGにおいてプレイヤーを悩ませる要因となったのは、ダンジョンやレイド等のコンテンツの攻略時の負担だ。

映像的な迫力であったり、より戦略性の高い操作であったり、クリア時の達成感という意味では優れていた三人称視点のMMORPGだったが、同時にプレイヤーに大きな負担を強いることになっていたのは明らかだ。
特にエンドゲームコンテンツにおいては顕著で、必要以上にプレイヤーを疲弊させてしまいそれがカジュアルゲーマーの離脱に繋がっていた。

これらの3タイトルが採用したクォータービューは、ソロプレイ時もパーティプレイ時も、プレイヤーに対する負担というのはかなり抑えることができる。画面全体が把握しやすい上に、キャラクターや敵をクリックして選択するのもずっと簡単だ。

手軽に得られる満足感

とにかく次々に襲い来る敵を豪快に薙ぎ払ってテンポ良く進行できるゲームプレイは手軽に爽快感や満足感を得ることが可能だ。

敵を一匹ずつ地道に倒してクエストをクリアして・・・という典型的なMMORPGのプレイスタイルよりも好まれやすい。

オンラインゲーム自体が手間がかからない「インスタント」なものが流行るようになってきており、ハクスラMMORPGはその流れを汲んでいると言えるだろう。

満足を得られる間隔が短いほど、ゲームに飽きにくくなるはずだ。

他のプレイヤーとの繋がりを感じさせやすい「MMO」

MORPGではパーティを組まなければ同じステージで共闘することはない。

一方で、MMORPGの場合、フィールドでのプレイであったり、レイドであったり、攻城戦であったりと、MORPGよりも自分と関係ないプレイヤーの存在を感じさせやすい。
MORPGよりもMMORPGの方がギルドの意義は大きくなる。

こういったコミュニティの発展はプレイヤーのモチベーションにも繋がるMMORPGのメリットだ。

将来的にモバイルバージョンも視野

リネージュエターナルは既にモバイルバージョンも予定されているが、クォータービューであることによって、モバイル端末への移植がかなり楽になる。

三人称視点の場合、スマートフォンの画面では対応しきれないゲームがほとんどだろう。

実際、MMORPG「ミュー」をスマートフォンに移植した「MU ORIGIN」は中国や韓国で成功を収めている。

絶対に無視することができなくなったスマートフォンゲーム市場。本格的なMMORPGを動作させることも可能となっている。
スマートフォンのスペックが上がった将来、これらのゲームをモバイル向けに移植することも視野に入っているのかもしれない。

課題:そもそも興味・関心をひけるのか?

これらの3つのタイトルは、アクセシビリティを高く、疲労感を少なく、手軽に満足感を、という狙いがあるわけだが、では、あえて会員登録してゲームをダウンロードしてプレイしてもらえるほどの魅力があるのかという課題がある。
クォータービューであることに珍しさは全く無い。黎明期はクォータービューのMMORPGは多かった。

プレイしてもらわなければ何も始まらないわけで、かつての大作3DMMORPGはグラフィックスであったり、キャラクターであったり、世界観であったり、一目瞭然にわかる派手なアクションであったり、他にないシステムなど、目を引くものがあった。

宣伝次第なのかもしれないが、これら3タイトルはそういった点はやや希薄に感じられる。MMORPGとしての「進化」はあまり感じられないのだ。

しかし、同じタイミングで同じ様なゲームが3つも出てきそうな点は面白い。

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