デジタルゲームの調査・分析を行っているSuperData Researchは、基本プレイ無料のオンラインゲームのプレイヤー数の維持に関する調査レポートを公開した。
基本プレイ無料のオンラインゲームはサービス開始時には多くのプレイヤーを獲得できることが多いが、長期的にはプレイヤーが離れて過疎が深刻になるということも多い。
※本稿に掲載されているグラフは全て「Free-to-Play(基本プレイ無料)」のオンラインゲームに関するデータ
▼サービスが開始された月にゲームを始めたプレイヤーの継続率
左のグラフは日数、右のグラフは月数
サービス開始月にゲームを始めた人、すなわちゲーム初期のプレイヤーたちに関するデータだが、基本プレイ無料のMMOを1ヶ月間プレイする人は平均で20%程度ということになる。
このあたりには、基本プレイ無料ゲームではプレイヤーが離れてしまいやすいというデメリットが顕著に現れている。
長期的な目で見てみると、ゲームの初期に始めたプレイヤーの6.2%が約1年後もそのゲームをプレイしているということになる。
もちろんこれは様々なゲームを調査の対象としているので大作ゲームや人気ゲームだけに絞るともう少し高くなるのだろうが、全体ではこの程度の数字に落ち込むようだ。
上記のグラフはやや見づらいが、横軸はプレイヤーがゲームを始めた時にサービス開始から何ヶ月経過しているかを表しており、縦軸はそれぞれのグラフごとに何%の人がその日数を継続してプレイしたかを表している。
例えば、黄緑色のグラフを見ると、サービス開始後3ヶ月時点で始めた人の中でゲームを7日間継続する人は約25%強であることがわかる。別の例をあげると、サービス開始後12ヶ月時点では、ゲームを初めてプレイし次の日もプレイする人はも50%に満たないということがわかる。
このグラフを見ると、ゲームのサービス開始当初に比べ、数ヶ月、あるいは1年近く経過した時点ではプレイヤーの継続率も悪くなるということが窺える。当たり前のようではあるが、ゲームを長くプレイしてくれる人はサービス開始時にゲームを始めたプレイヤーたちの中によりたくさんいるということだ。
無料なので手軽に始められるという利点があっても、長期間プレイしてくれるユーザーを集めるには基本プレイ無料オンラインゲームもサービス開始前のマーケティングが重要になるとのこと。
下記のグラフでは、さきほどのグラフよりもさらに長い期間を継続したプレイヤーの割合が示されている。
オレンジ=90日、黄緑=180日、青=270日、紫=360日、黄色=450日、灰色=540日。
このグラフを見ると、最初の12ヶ月ではゲームを始めた時期によって継続率に圧倒的な差が生まれるが、サービス開始から2年(24ヶ月)経過した時期ではこの変動はほとんどなくなることになる。
もちろんこの時期にゲームを始めて長期的にプレイする人の割合は0~1%程度と少ないが、「基本プレイ無料MMOのサービスが2年近く続いている場合、新しい、貴重なプレイヤーを惹きつけ始めることになる」と分析されている。
いずれにせよ、基本プレイ無料オンラインゲームの場合、最初の30日間でいかにプレイヤーを獲得できるかがカギであり、最初の30日間がそのゲームが長期的な成功に繋がるかどうかを評価する上でも重要になるようだ。
ソース: SuperData Research
コメント