春から夏という時期はオンラインゲーム業界で比較的動きのある時期なのかもしれない。
現在、国内外で様々なオンラインゲームのベータテストが実施されており、サービスインに向けて歩を進めている。
本稿では、現在アルファ/ベータテストを行っている、あるいは近いうちに行ういくつかのオンラインゲーム注目作を改めて紹介する。
Tree of Savior
既に国内外で高い注目を集めているMMORPG「Tree of Savior」の第2次クローズドベータテストが4月21日より韓国で行われている。インターナショナルテストに向けても作業が進められている模様。
2次CBT段階で44種類のクラスが実装済みで、レベル100以上のコンテンツも用意されている。
ゲームの雰囲気もシステムも昨今のMMORPGとは一線を画し、どこか懐かしい感じもする「Tree of Savior」
当初の予定よりも開発が遅れ気味だが、ベータテストの中でユーザーの意見を取り入れ、どれだけ正しい方向へ導けるかが成功の鍵となりそうだ。
メイプルストーリー2
メイプルストーリーという世界的なヒット作の続編ということもあって注目度は高い。
「ファイナル」と銘打たれたメイプルストーリー2の第3次クローズドベータテストが5月1日より韓国で行われる。
近年のPCオンラインゲームではどちらかというと減っていたカジュアル向けほのぼのまったり系のMMORPG。プレイヤーキャラクターの見た目という部分にかなり注力しており、ミニゲームなども含めてむしろ新鮮さを感じるMMOになっている。
ユーザー制作コンテンツ(UGC)を積極的に取り入れることができるシステムによって近年のMMORPGが抱えていたコンテンツ不足問題の解決を目指す。
このユーザー制作コンテンツは過去のMMORPGにも存在したが、成功した例は数少ない。その部分を熟成させ、既存の大作MMORPGとは異なるプレイヤー層をどれだけ取り込めるか。
ドラゴンズドグマ オンライン
ドラゴンズドグマの新作はオンライン専用タイトル。基本プレイ無料。
PS3版のアルファテストが4月20日から実施されている。
「オンラインオープンワールドアクション」というジャンルを掲げているように、あくまでもアクションゲームというのが本作。各クラスにロールが設定されており、ソロプレイとパーティプレイのバランスをどう取っていくのかはかなり重要になりそうだ。
果たしてドラゴンズドグマをオンラインゲームにする必要があったのか?と言われないように、テストを重ねてフィードバックを集めてゲームに反映させていくのは必須だ。
また、オンラインゲームゆえのエンドコンテンツの問題をどうするのかは気になる所。
モンスターハンターオンライン
中国で4月21日より第4次クローズドベータテストが開始されたモンスターハンターオンライン。
カプコンからは「全てのモンハンを超えるモンハン」という言葉も出ているように、CryENGINEとNVIDIAの技術を使った高品質なグラフィックスでモンスターが描かれている。
中国市場向けということもあり、MHFよりもキーボード+マウスによる操作に最適化されているようだ。
LoLやアラド戦記、ブレイドアンドソウルを中国で運営しているテンセントと日本のカプコンが共同開発をしているタイトルではあるが、中国市場以外への展開は未定となっている。
1年以上クローズドベータテスト期間が続いている
Skyforge
ロシアのAllods TeamとアメリカのObsidian Entertainmentが共同開発するオンラインRPG。
MMOとMOの中間のようなシステムが採用されている。
クラスをいつでも好きなものに切り替えられるシステムや、レベルがなかったり、アクション性の高い戦闘があったりとそれなりの特徴を備えている。
4月22日から第3次クローズドベータテストがグローバルサーバーでスタート。
正式サービスは基本プレイ無料。
Master X Master
NCSOFTの新作シューティングアクションゲーム。
シューティングアクションと銘打たれているものの、明らかにMOBAジャンルを意識した作りになっている。MMORPGのイメージの強いNCSOFTが別のジャンルに挑戦していくプロジェクトのその一環だと言える。
5月1日より韓国でオープンテクニカルベータテストを実施。
じっくりというよりお手軽という方向性のゲームだが、LoLやDota 2のようなMOBAジャンルのタイトルと正面から勝負するのではなく、PvEコンテンツを取り入れるなどして独自の魅力を打ち出していくようだ。
Heroes of the Storm
5月19日よりオープンベータテストが実施されるBlizzard EntertainmentのMOBA「ヒーローズ・オブ・ザ・ストーム」
Blizzardのキャラクターが登場する、LoLよりもさらに手軽でスピーディーなゲームという印象。
既に海外ではプロチームも存在したり、大会も開かれたりと頭角を現している。
中国では期待されるオンラインゲームの1位に鎮座しているなど、MOBAの新作の筆頭と言える。
Blizzardが長年かけて積み上げたファンたちが最初からサポートしてくれるのは大きいが、EEDARの予測では、2016年のMOBAゲームのシェアはLoLが66%、Dota 2が14%、HotSが7%になると予想されている。
Civilization Online
シド・マイヤーのストラテジーゲーム「シヴィライゼーション」のオンラインゲーム。しかもMMO。
といってもMMORPGというよりは対戦ゲームに近い。
4つの文明がそれぞれ発展し、他の文明に対して軍事力や科学力で勝利するのが目的であり、「勝利」というゴールが存在するセッション制のゲーム。
まもなく韓国で第3次クローズドベータテストが告知されるようで、公式サイトで様々な動きがある。
LORD of VERMILION ARENA
アーケードの対戦カードゲーム「ロード・オブ・ヴァーミリオン」をPCオンラインゲームにした本作。
4月21日よりクローズドベータテストが実施されている。
7対7のチームバトルということで、MOBAにも通じるところがある。
そこにカードゲームのデッキビルディングの要素も加わって独自性が生まれている。
攻殻機動隊オンライン
オンラインFPS「攻殻機動隊オンライン」の”SAC Test”が韓国で4月8日~12日に実施された。
また、年内に欧米でもサービスを開始すると発表されている。
テスターは普通のFPSとあまり変わらないと漏らしていたが、攻殻機動隊というIPを使っているだけに日本サービスでは注目を集める可能性も。
国内ではこの他に、4月23日よりICARUS ONLINEのオープンベータテストが、4月24日よりコズミックブレイク2のオープンベータテストが、6月にEcho of SoulのCBTが予定されている。また、プレオープンテストを終えた黒い砂漠の日本サービスは2015年上半期ということで、6月頃までには動きがあるかもしれない。
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