1997年に発売された「ディアブロ (Diablo)」のリードプログラマーで、2003年まで同社の社長を努めたデイビッド・ブレビック氏はArs Technicaのインタビューで、「ディアブロ」の制作秘話を語った。
ディアブロの企画
- ブレビック氏はダンジョンズ&ドラゴンズが好きだったが、ストーリーには興味がなく、興味があるのは戦利品で、優れた剣を手に入れることに夢中になった
- そこで、長いストーリーに焦点を当てるよりも、モンスターを倒して良い装備を手に入れることに焦点を当てた奥深いキャラクター育成システムのあるゲームを作ることにした
- ディアブロは「マルチクラス」を掲げた反典型RPGとして作られた
- ブレビック氏は、職業がクレリックだからという理由で剣を装備できないのはおかしいと思っていた
- ディアブロでは誰もが何でもできるシステムにした。ウォーリアー(戦士)が魔法を使うこともできる。ウォーリアーが魔法を使うデメリットはあるが、できないことはないようにした
- 最初の企画案は「ターン制のシステムで動作し、プレイヤーはマウスを使用してキャラクターを動かし、回廊やダンジョンを探索し、戦闘を開始する」というものだった
- 当時の多くのRPGは「100時間遊べるだけのコンテンツがある」というような感じだったが、ディアブロは「無限に遊べる」だった
- タイトルはカリフォルニアの「ディアブロ山(Mount Diablo)」が由来

リアルタイムへの変更
- 初期のディアブロ開発チームは15人だった
- ディアブロは当初、移動や攻撃を順番に行う「ターン制RPG」として開発されていた
- 開発が始まってから3~4ヶ月経った頃、「ディアブロをリアルタイムアクションにしてターン制をやめる」という案が出た
- Blizzard Entertainmentのリアルタイムストラテジーゲーム「Warcraft」が成功したため、RPGにリアルタイム戦闘を導入することが提案された
- ブレビック氏は、戦略性などRPGの本質が失われるのではないかと恐れ、リアルタイムへの変更に反対した
- リアルタイムにするかどうかの投票がBlizzard Northのキッチンで行われた
- ターン制を維持に投票したのはわずか3~4人で、ほとんどのスタッフがリアルタイムに変更する方に票を投じた
- リアルタイムへの切り替えに苦労してターン制に戻さなくてはならなくなるのではないかと懸念していた
- リアルタイムアクションへの変更を決定し、社員が帰った後、ブレビック氏は午後からリアルタイム移行のための作業に取り掛かった
- 同日の夜中には作業が完了していた
- 骸骨モンスターをクリックし、剣で攻撃して倒した瞬間、リアルタイムが遥かに優れていることに気づいた
- ブレビック氏は「これが正しい方向だというのは明らか」だと感じた
- 開発チームはリアルタイムに変更されたディアブロを前にし大興奮だった。反対したスタッフですら熱狂していた
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