「ファイナルファンタジーXIV」の吉田直樹プロデューサー兼ディレクターは、PCGamesNのインタビューで変化するMMORPGジャンルへの適応について自身の考えを語った
Q.近年のMMORPGは、ウルティマオンラインやエバークエストなどの古い作品とは大きく異なります。ファイナルファンタジー14と競合タイトルを見た時に、MMOジャンルは変化するプレイヤーの興味や関心を得るために、どのように適応し、革新しなければなりませんでしたか?
吉田P:
ウルティマ オンラインと同等と考えられるMMORPGはおそらく「リネージュ」と「EVEオンライン」だけだと思いますが、個人的にはオリジナルのウルティマオンラインを超えるロールプレイ体験はありません。これらの作品はMMORPGのジャンルの中で特別な位置を占めており、今でも需要はありますが、大規模なMMORPGプロジェクトを支えるには決して十分な需要ではありません。なぜなら、これらのゲームを効率的に遊ぶにはRPGのスキルがたくさん必要だからです。利益が出るビジネスモデルが準備できればそういったゲームの開発にも挑戦してみたいです。エバークエストは第1世代のMMORPGにおけるもう1つの傑作です。月額課金制のビジネスモデルと「time-to-win(長い時間遊んだ人が有利)」のゲームデザインを組み合わせた素晴らしいゲームです。しかし、エバークエストと正面から向き合い、新しい遊び方を提供したのはWorld of Warcraftでした。WoWはtime-to-winに基づいていませんでしたが、プレイヤースキルを中心に維持しながら、アイテムレベルシステムを組み込んでいます。多くの時間を投資したプレーヤーがそうでないプレーヤーと共存でき、自由なスタイルの遊び方を可能にします。
進化するジャンルについて、MMORPGはゲーマーのライフスタイルの変化を受け入れ、反映しやすいと思います。20年前を振り返ると、私たちの生活は今ほど忙しかったでしょうか?インターネットはありましたが、やり取りはメールに限られていました。リアルタイム通信はPCのメッセンジャークライアントに限定されていました。今では、あなたも僕もスマートフォンを持っています。暇なときはいつでもエンタメにアクセスできます。言うまでもなく、食事、睡眠、仕事、家族や友人との時間を過ごした後、プレイヤーが利用できる時間は劇的に減少します。
ウルティマオンラインやエバークエストのゲームデザインは今でも宝石のように輝いており、これらのタイトルへの需要があることは間違いありません。ただ、これらのゲームを主要なビジネスとして成功させることが難しくなっているだけです。その結果、MMORPGのプレイヤーにより合うように注意深くゲームデザインを変更および革新する必要があります。FFXIVはプレイヤーのライフスタイルの変化を受け入れ、それに合わせて少しずつ設計を調整していきたいです。
ソース: PCGamesN
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