Epic Gamesが開発中のMOBA「Paragon」の先行アクセス、ファーストインプレッション。
特徴
- Unreal Engineを開発するEpic Games社によるMOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)ゲーム。
- 三人称視点、非常に高品質のグラフィックス
- 高低差の概念がある
- ノンターゲティング
- 最初から全キャラクター無料開放
- 3週間ごとに新しいヒーローが追加
- PS4とクロスプラットフォーム
- 基本プレイ無料(2016年夏)
基本
- 多くのMOBA同様に3レーン、中立モンスターのいるジャングルがある
- 1チーム5人
- 相手の本拠地にあるコアを破壊すれば勝ち
- 各所にタワーがあり、近づいてきた敵キャラクター・ミニオンを攻撃する(多くのMOBAと同じ)
- Bキーで拠点に戻る
- マップは1種類
戦闘
- ノンターゲティング方式でTPSのような感覚
- TPSほどシビアなコントロールは必要としない。あくまでMOBA
- 序盤は攻撃力も攻撃速度もどちらかと言えば低めなため、試合が長引きがち
- フィールドに高低差があり、ジャンプをするスキルもある
- Harvester(ハーベスター)という装置があり、作動させると一定時間ごとにカードポイントの経験値(アンバー)が蓄積される
- Harvesterはプレイヤーの手で作動させる必要がある
- 敵が設置したHarvesterは破壊できる
- 三人称視点でノンターゲッティングのため、俯瞰視点のMOBAより相手との距離感をつかむのが難しい
- カメラの位置・距離は操作できない
- 相手のインヒビター(ミニオンを生み出す装置)を破壊すると味方のスーパーミニオンが登場する
- SHIFTキーを押すと数秒後に「ダッシュ」状態になり、移動速度が大幅にアップする
- スキルを使ったり攻撃するとダッシュ状態は解ける
成長
- ヒーローのレベルとカードポイントという2つの成長要素がある
- 敵ミニオンやジャングルにいるモンスター倒して経験値を得るとレベルが上がる
- 自分が倒さなくても近くの味方が倒せば経験値が手に入る
- レベルが上がるとスキルポイントを1点獲得
- スキルはCtrl+Q~Rキーでレベルアップ
- キャラクタービルドは「デッキ」と「カード」を使用する
デッキとカード
- Paragonではカードをスロットに装着してキャラクターを強化する
- いわゆる「ゴールド」ではなく、カードポイントを消費して試合中にカードを購入する
- カード用のポイントは、敵やHarvesterから得ることができるカード経験値をためると増えていく
- 予め試合の前にカードを選んで「デッキ」を構成しておく
- 試合の最初にデッキを選ぶ
- 試合中に購入して装備できるのは組んだデッキのカードだけ
- カードには攻撃力を上げるものやHP、MPを上げるもの、クールダウンタイム減少、ライフスティール、ワード、回復アイテムなど様々。
- カードはロビー画面でパックを開けると手に入る
- デッキは最大枚数に達していなくてもよい
- 保存しておけるデッキの数は制限されており、課金等で増やせる
- カードには「装備」と「アップグレード」があり、装備の中のスロットにさらにアップグレードを装着できる
- 「Prime」という非常に強力なカードがあり、マップに1体いる強力なモンスターを倒すとドロップする「オーブ」を、敵側にある指定地点まで運ぶとカードの効果が味方全員に発動する
- カードにはレア度があるが、極端に効果の良いカードはない
▼試合中のカード購入画面。選んだデッキに含まれているカードだけが表示される
ヒーロー
- アーリーアクセス開始時点では13種類と少なめ
- X-MENに出てきそうな感じのキャラクターが多いが、やや没個性的で地味
- ヒーローごとにデッキを用意できるため、ヒーローの特性にあわせてデッキを組める
- 逆を言えば、ヒーローの特性を知らずにデッキを組むと痛い目に遭う
- ただし、初心者向けのスターターデッキが用意されている
システム
- 対人戦、対AI戦(CO-OPとソロ)がある
- 仲間全体にメッセージを伝えられるコールが16種類用意されており、Cキー+マウスだけで入力できる
- 最初にヒーローを選んでからマッチングする
- プレイヤーレベルがあり、試合を行うと経験値がたまり、レベルがあがる
- プレイヤーレベルが上がるとカードパックが貰えることがある
- 試合を終えた時にもらえるポイントでカードパックを購入できる
ゲームエンジンを作るメーカーだけあって、グラフィックスの最適化という部分はさすがの一言。高品質なグラフィックスでも無駄に重いということはなかった。
ゲームのシステム自体は無難なMOBAだが、三人称視点で高低差があり、Smiteよりも少し奥深い。
カードのシステムは複雑なように見えて意外とわかりやすく、新規プレイヤーのハードルはそこまで高くないだろう。Heroes of the Stormほどハードルを下げているわけではないが、LoLやDota 2ほど高くはないだろう。
また、全てのヒーローが無料でプレイできるというのも大きい。
残念なのは、序盤の戦闘が若干ゆっくり、もっさりしており、爽快感のようなものは小さいということだ。テンポが悪く、試合がかなり長く感じることもある。アクションゲームだったら看過できないが、MOBAだから仕方ないと我慢するしかない。
現時点ではプレイアブルなヒーローキャラクターが少ないので、オープンβテストまでには増やしたほうがいいだろう。
ゲームは日本語に対応していないものの、何故か公式サイトやゲームランチャーが日本語に対応しており、キャラクター紹介動画に日本語字幕を表示させることも可能だった。もしかしたら将来的にゲームも日本語に対応させるのかもしれない。
グラフィックス以外は「堅実」といったところ。抜きん出ているわけではないが、少なくとも量産型ゲームではない完成度の高さを感じた。アクセシビリティも高い。
Paragonは試してみる価値のあるゲームだが、先行アクセスの現段階では、これまでMOBAをやり込んできた人が満足できるほどではないかもしれない。
▼ランチャーは日本語化されている
コメント