2013年のMMORPG「ArcheAge」にNFTを導入した「ArcheWorld(アーキワールド)」を開発中のXLGAMES共同代表へのインタビューを一部紹介。インタビューでは同社のNFTやブロックチェーンへの考え方が示されている。
Q. XLGAMES社内でArcheWorldはどんなポジションなのか?
A. ArcheAgeは我々XLGAMES固有のIPで、継続的に試行錯誤しているMMORPGの新しい典型に対する探求の過程であり、成果物です。ArcheAgeはオープンワールドベースのサンドボックス型MMORPGという概念を本格的に披露し、今作っているArcheAge 2も一段階アップグレードされたバージョンを提示したいです。前作で不足していた部分を補完し、完成度をさらに高め、最近流行っているメタバースにもっと近いものになるのではないかと期待しています。ここにブロックチェーンとWeb3.0を活用して、現実よりも現実的な政治経済活動が可能なシステムを構築することが目標です。
ArcheWorldはこの究極の目標に向かうための中間的な性質のプロジェクトだと言えます。ブロックチェーン技術とトークンベースの経済が定着できるのか、ユーザーに独創的な利益と楽しさ、面白さを与えることができるかを確認したいです。また、できるだけ早く市場に進出するため、既存のゲームにトークンベースの経済システムだけを追加してリリースすることになりました。これが成功すれば、今後すべてのゲームはNFT版をモバイル版のように出すようになるのではないかと思います。つまり、全く別ものというよりは、プラットフォームの拡張と考えることができます。
Q. ArcheWorldはPlay-to-Earn (P2E)ゲームを志向しないとの声明を出しているがどういう意味なのか?
A. P2Eと言うと何か新しくて凄いものに聞こえますが、実際はゲームをしてお金を稼ぐ行為はずっと前からありました。RMT業者やBOTのことです。オンラインゲームを一生懸命プレイし、興味がなくなったらアカウントを売ってお金を稼ぐ人もいました。
ところが、モバイル時代が到来し、成長に必要な物をすべて運営会社が直接、しかもガチャで売り、プレイヤー間取引がほとんど無意味なものになりました。今、世に出ているP2Eゲームは、ユーザーが特定の商品やアイテムを獲得したら、これを運営会社がトークンで買ってくれる形式です。無限に買えるわけではないので、この方法には限界があります。ユーザー確保のためのマーケティングとしては意味があるかもしれませんが、持続可能なモデルではありません。
結局、プレイヤー同士で取引が可能でなければなりません。運営はプラットフォームだけを提供し、直接バランスに影響を及ぼすようなものは売りませんが、プレイヤーがゲーム内で手に入れたものを、必要な人に売ることができるという意味です。定額制の時代にもこれは可能でした。ただし、当時との違いはブロックチェーン技術の導入で、知らない人とも信頼できる取引が可能になったことです。
Q. それでもゲーマーからはNFTに否定的な意見も多いが?
A. その通りです。ゲーマーや一般層でもNFTを見る視点は大きく2つあり、ひとまず両方とも否定的です。一つは、「既にお金を稼いでいるのにまだ収入源を追加するのか」という意見。ゲームも同様ですが、エンターテインメント側からも非常に否定的な反応がすぐに出てきます。もう一つはデジタル仮想化に興味がない人々です。
実際、ArcheWorldのディスコードでそんな意見がたくさん来ます。「NFTは詐欺だ」このような言葉が多いですが、逆に「それでもXL GAMESなのでとりあえず信じて見守ろう」という意見もあります。このような信頼に応えるため、私たちは上手くやっていかなければならないと思います。
アーキエイジはこれまでに出てきたゲームの中でも、実績がある数少ないゲームの一つですが、別の見方をするとP2Eやブロックチェーンに適さないゲームだと言うこともできます。それにもかかわらず、我々が挑戦して、これがうまくいけば、ブロックチェーンゲームがこのような高いクオリティで遊べるという雰囲気を作ることができるのではないかと考えています。
そういう意味で「ArcheWorld」を通じて私たちの試みが成功することを願っています。我々は仮想通貨を売るのではなく、プラットフォームを提供し、プラットフォーム内でユーザーが自発的に行動し、そこで行われる取引の手数料だけを受け取り、残りはユーザーに任せたいです。
Q. 最近、NFTゲームが過熱し、ゲームの本質よりもP2Eの要素だけに集中したゲームが出てきているが?
A. P2Eゲームというジャンルまたは用語は近いうちになくなると思います。お金を稼ぐためにゲームをすると、ゲームの楽しさという本質がぼやけてしまいます。楽しくゲームを遊んで、ついでにお金も稼げる方が良いでしょう。「Play-to-Earn」の代わりに「Play and Earn」と呼んでいる企業もあります。
さらに、プラットフォームの進化に伴い、ジャンルの進化も繰り返す傾向があります。PCゲームもそうで、スマートフォンゲームもそうで、初めはポトリスやAniPangのようなカジュアルゲームから始まり、収集型ゲーム、FPS、MMORPGに変化し発展してきた歴史があります。
ブロックチェーンゲームも同様の手順を踏むのではないかと思います。最初は市場に急速に参入したカジュアルゲーム中心で始まりますが、それらの間で競争が発生することになるだろうし、当然クオリティの高い様々なジャンルのゲームがどんどん登場するのではないかと期待しています。ArcheWorldがそのような認識変化の出発点になれたら嬉しいです。
引用元:inven
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