MMORPG「Blade & Soul -ブレイド&ソウル-」の韓国サーバーにここ最近実装されたコンテンツに関して、THIS IS GAMEのコミュニティに「コアユーザーが離れる理由 」という投稿がされ、議論を呼んでいる。
ここで争点となってるのは、ダンジョンの難易度を下方修正してレアアイテムを容易に入手できるようにすることは、プレイ時間やゲーム内の財産をより多く投資したコアゲーマーへの配慮が足りていないのではないかというものだ。
Blade & Soulは現時点で正式サービスから4ヶ月が経過し、現在は韓国のオンラインゲームランキングで3位にランクインしている人気タイトルではあるが、問題を多く抱えているのが事実だ。これはその中の一つではあるが、他のプレイヤーから寄せられた意見も非常に興味深いので本稿で紹介する。
まずはBlade & Soulのダンジョンの難易度がどう変わっていったのかを説明する。
正式サービス開始時点では、Blade & Soulのパーティは最大4名で、どんなに難易度が高いダンジョンも4人でクリアする必要があった。
しかし、ヒーラーが存在しないBlade & Soulにとって高難度のダンジョンを4人で攻略することは多くのカジュアルゲーマーたちには難しく、クリアできない人がいたり、攻略に何時間もかかったりしてしまうこともあって、慣れた人たちのパーティに加わるのを躊躇いがちになってしまった。
▼インスタンスダンジョン 血の鮫港 ラスボス「ヘムジン」の攻略
この状況を改善すべく、「イージーモード」として6人で高難易度のダンジョンにチャレンジできるようなアップデートを実施したり、同じダンジョンをフィールド型ダンジョンとして最大24人で攻略できるようにしたりとカジュアルゲーマーやソロプレイヤーも良いアイテムを入手しやすいように下方修正された。
そんな中、インスタンスダンジョン「血の鮫港 (Bloody Shark Harbor)」に最近になって最大24人のレイドモードが追加されたのだが、ドロップアイテムが4人ダンジョンだった時とほとんど変わらないため、9月からダンジョンに通っていた人たちは、自分たちが苦労して手に入れたアイテムが簡単に手に入るようになってしまったことで萎えてしまっているようだ。
今ではレベルキャップの45に到達したら、3日もあれば最高グレードの武器を揃えられるという。
投稿者はこのアップデートは運営が”コアゲーマーを裏切る行為“だと批判しており、
現実世界で例えると、学校の入学試験で1年~3年の内申点ではなく3年の時だけの内申点で評価され、1年の時から懸命に努力してきた受験生は”剥奪感”を感じるようなものだとしている。
また、4人→6人→24人と追加されていくことに関して、普通は逆ではないかということも指摘されており、4人での攻略を終えた後に24人レイドに行ってもまるでハムスターホイールのようで飽きてくるとのこと。
▼インスタンスダンジョン 海蛇補給基地 24人レイド 10:00あたりからの再生を推奨
一方で、Blade & Soulはとても良く出来ているとしており、タンク・ディーラー・ヒーラーのコンセプトを廃したことや軽功が素晴らしいと思っているとも書き込まれている。
この投稿に寄せられたBlade & Soulのプレイヤーたちの意見
- 高い難易度を維持すれば操作がうまくない人とライトユーザーがゲームを去って、コアゲーマーだけが残る
- 24人ダンジョンで4人ダンジョンと同じようなアイテムがドロップするというのはコアゲーマーへの逆差別だ
- 努力にかかわらず皆が同じ水準のアイテムをfarmingできるのは共産主義と変わらない
- Blade & Soulはコントロールが大きな影響を及ぼすゲームだから、ハードコアプレイヤーとカジュアルゲーマーの差はプレイヤースキルの差があれば十分
- 他人との差別化がないなら何に楽しみを感じてゲームをするのか
- UIを見ればすぐに分かる。Blade & Soulは誰でも簡単に、誰とでも一緒に楽しめるように企画された。他人と差が開いたらゲームじゃない。ゲームには同等の条件が必要。
- 収益の多くを占めるライトユーザーのためのパッチでコアゲーマーを見捨てることは間違っている
- ライトユーザーがやめたら自慢できる人もいなくなるのに、コアゲーマーは誰に自慢しようとそんなに躍起になっているのかわからない
- ライトユーザーに配慮するのはいいことだが、時間と労力が違うのに結果が同じだというのは逆差別だ
- NCsoftはインスタンスダンジョン以外の新しいコンテンツを追加する必要がある
- インスタンスダンジョンの発明がMMORPGの退化を促進させた。コンテンツというとインスタンスダンジョンのことばかり言うが、MMORPGはMORPGとは異なりフィールドという広大でシームレスだという概念を念頭に置かないとならないのに、インスタンスダンジョンという正反対の概念を重点に置いてしまっている
- そもそも既存のプレイヤーと新規プレイヤーの差がない。新規プレイヤーは1週間で既存のプレイヤーと変わらなくなる
- いっそのことアイテムがドロップしない練習用難易度を作ったら?
- アイテムの格差が問題なら、タイトルとかランキングとかゲームバランスに影響せずに苦労を証明できる何かが必要。
- 今のBlade & Soulの上位ダンジョンではかなりの操作能力が必要とされる。おじさんたちはWOWするのも難しいと感じるのに、B&Sはさらに難しいということ。
- LoLやスタークラフトのように常に違った状況を経験することに焦点を当てる必要がある。今のMMORPGはモンスターAIの無限ループ。
- インスタンスダンジョンを出し続けてもユーザーは満足しない
- このゲームはプレイヤー同士協力してダンジョンを攻略する以外に楽しみがない
- なぜか期待されて登場する大作オンラインゲームは同じような理由でプレイヤーが去っていく
- NCsoftはライトユーザーでも無理なく楽しめる汎用的なゲームを作ると予告していたから今の流れは正常
- 24人ダンジョンだけで武器を揃えた人が4人ダンジョンに行ったら簡単にやられてしまう
- アイテム課金制のゲームの売上の大半はコアゲーマーが占めているが、定額制はライトユーザーがメインとなっているのでライトユーザーを気遣っている
- ライトユーザーとコアゲーマーでどちらが金になるかはすぐ答えが出る
という具合でかなり白熱した議論になっていた。
これはMMORPGだけの話ではなく、例えばモバゲーやGREEのソーシャルゲームで、レアなカードの入手難易度を下げた場合、これまで大金を費やしてきたコアユーザーから反発を受けることになるわけだ。
しかし、あちらの場合は部分有料制なのでコアユーザーに合わせても定額制のゲームほどの影響はないわけだ。
開発としては、自分たちのゲームを簡単にクリアされたくないという思いもある一方で、アクティブプレイヤー数を維持するために、最も多くの人が楽しめるような最善のバランスでゲームを提供しなければならないというジレンマを抱えているのではないだろうか。
幸いなことに、日本サービスではおそらく24人のレイドが最初から実装された状態で出てくると思われるので、徐々に難しい4人でのダンジョン攻略へ進んでいくというプレイが可能となるだろう。
今後は新しいダンジョンやPvPコンテンツも追加されるようだが、筆者としては「インスタンスダンジョンはMMORPGの本来向かうべき方向とは逆の概念」という意見には大いに同意したい。
引用元:THIS IS GAME.com
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