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バレットストーム開発者「2014年にゲーム1本6000円は馬鹿げている」

業界

元Epic Games Poland(旧People Can Fly)のクリエイティブディレクターで、現在はゲーム開発会社The Astronautsに所属しているAdrian Chmielarz氏がgamesindustryのインタビューで、今のゲームの価格の問題について語った。

「2014年にゲーム1本60ドル(約6000円)は少し馬鹿げている」

Chmielarz氏がかつて勤めていたPeople Can Flyが開発した「バレットストーム」は、アナリストの分析では良くて400万本、悪くて300万本の販売本数が予測されていたが、実際は200万本程度だった。
「ゲームの中ではスパイス程度だった要素が、マーケティングによって主成分のようになってしまった」

Chmielarz氏によれば、バレットストームが本来持っているはずの商業的なポテンシャルはElectronic Artsの犯罪級に酷いマーケティングによって失われてしまったという。

「ミドルクラスのAAA級ゲームは死に始めている。我々はゲーム業界における大きな変化の最初の犠牲者になった。ミドルクラスとはクオリティの違いではなく、バレットストームにマルチプレイモードが10種類なかったことだった。」
(※AAA級=多額の開発費がつぎ込まれた大作)

今の業界では「ゲームを60ドル(6000円)で売りたければ200ドル(約2万円)分の価値があるように思わせる必要がある」
Chmielarz氏はそう考えを述べた。

「バレットストームは60ドル分の価値しかない60ドルのゲームだった。そして、数々のクオリティの高いゲームがもっと安い値段で買うことができるここ最近ではゲームに60ドルは基本的にクレイジーだ。2014年においては、ゲーム1本に60ドルは少し馬鹿げている」

最近では、最大手のパブリッシャーは中規模ヒット作を作って維持する方法を見失ってしまったという。
Chmielarz氏は好きなゲームに「デッドスペース(Dead Space)」を挙げ、EAはデッドスペースをCall of Dutyのように500万本売れないと破綻してしまうような物にしようとしていると指摘した。

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Dead Spaceは、パブリッシャーが予算とコンテンツに対して賢明であってくれさえすれば、有益なシリーズだった可能性があったとのこと。

「AAA級ゲームの問題はゲーム自体にあるのではなく、それらを取り巻く憶測と独断的な目標の構造にある」

AAA級ゲーム業界が価格やゲームの長さ、価値があるように思わせるということを考えるあまり、様々な優れたアイデアがあったとしても、それが濾過されてどれも似たような戦闘やマルチプレイモードになってしまうという。

レッド・デッド・リデンプションやラスト・オブ・アスのように革新的で没入感のあるゲームがブロックバスターゲームが本来あるべき姿でるあるとしている。

AAA級ゲームでは、コレクション要素やもっと敵を登場させるというような「埋め合わせ」が必要になることがあるが、プレイヤーがもっとゲームが長くあってほしいと要求していても、いざデータを見るとプレイヤーの半分くらいはゲームを途中までしかプレイしていないという狂気の沙汰になることがあるとのこと。

しかし、ゲームの価格と内容を結びつけることができれば再度成功させることはできるという。
価格を安くすれば、開発者は埋め合わせのことを考える必要がなくなり、体験を正しい方向に作ることに集中できる。
一部のプレイヤーは不満を訴えるということに耐えなければならないが、ゲームがしっかり作られており、伝えたいストーリーが正しい方法で伝えられることができていれば、20ユーロ(2700円)のエンターテインメントが100時間の長さがないと不平を言われても、効果はそれよりも強いと思っている。

ソース: GamesIndustry International

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