LoLのコンバージョン率はわずか3.75% 他の企業には真似できない?

MOBA・RTS

現在世界で最も人気のあるオンラインゲームは、Riot Gamesの「リーグ・オブ・レジェンズ」だと言われているが、Ubisoft Blue Byteのコンサルタント、Teut Weidemann氏はリーグ・オブ・レジェンズの収益モデルについてコンバージョンの低さを指摘し、他の企業が真似するべきではないと警鐘を鳴らした。
Weidemann氏によると、リーグ・オブ・レジェンズの2009年から2013年までのデータを調べた結果、プレイヤーの中で実際に課金をした人の割合(コンバージョン率)はわずか3.75%だったという。
※コンバージョンレートとは

プレイヤー1人あたりの課金額が非常に少ない

LoLの3.75%はあまりに低い数値のようで、クライアントベースのオンラインゲームは15~25%のコンバージョン率が普通であり、World of Tanksのコンバージョン率30%とくらべてもその低さが目立っている。

World of TanksのアクティブプレイヤーはLoLの1/3しかいないが、収益額はほとんど同じであるという。

LoLのコンバージョン率が低い理由の一つにプレイヤーの年齢が挙げられる。
Alexa/ComScoreのデータによると、LoLのプレイヤーの90%以上が男性で、85%が16歳~30歳であり、多くが高校生以下か大学を卒業していない人であるという。このため、全体の課金者数は低くなる傾向にあるようだ。

また、課金をしなくてもゲームをプレイするうちに貯まっていくInfluence Pointでチャンピオンを購入できるということも理由の一つとなっている。

リーグ・オブ・レジェンズのARPU(加入者一人あたりの月間売上高)も1.32ドル(≒135円)と低いが、プレイヤー数が多いことでオンラインゲームの収益ではWoWとクロスファイアに次いで全世界3位の6億ドルを記録している。

Weidemann氏は、LoLがあまりに多くのものを無料で提供していると推測。
しかし、同時にRiot Gamesは収益の効率を最大化することを第一には考えていないという。

数千万人のプレイヤーがいるからできるビジネスモデル

ただし、このやり方は巨大なユーザーベースがあるからうまくいくのであり、ユーザーベースがそれほど大規模でない場合や予想できない時は、ビジネスの観点から言えばLoLのようなやり方をすべきではないとのこと。

リーグ・オブ・レジェンズの成功を見て同じようなゲームを作ったとしても、なかなかうまくいかないのは、なぜLoLがこれだけ低いコンバージョン率にも関わらず成功できているのかをしっかり分析できていないからなのかもしれない。

eスポーツとしての人気と中国マネー

LoLがこのビジネスでやっていけた最大の理由は、中国のTencent Gamesが莫大な資金援助をしたことだろう。
TencentがRiot Gamesを買収したことで、収益化のことをあまり考える必要がなくなり、さらに大規模なeスポーツのプロモーションを展開することにも成功した。

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Riot Gamesのeスポーツへの注力はBlizzardすら圧倒し、世間からの注目を集め、ユーザーを増やすことにもつながった。LoLは、ARPUが低いからユーザーを増やすことに努力したのではなく、凄まじい数のユーザーを獲得した結果として自然とARPUが低くなったわけだ。

余談だが、LoLの日本サービスに関してパブリッシャーがなかなか決まらなかったりしたのは、LoLの収益率が低いという側面があったりするからなのだろうか。

ソース: Gamasutra , inven

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