MMORPG「BLESS」(ブレス)の日本サービスが決定したが、この「BLESS」が現世代のMMORPGにおいて、新作のビッグタイトルとしては最後の作品になるのではないか、そうまことしやかに囁かれている。
MMORPGジャンルのニッチ化・小規模化
MMORPGジャンルのニッチ化が進む。
2015年末にそういった記事を紹介した。
どうやらメインストリームMMORPGの終焉は、少なくとも「現世代」に限れば本当に訪れているのかもしれない。
※ちなみに現世代とは第3世代MMORPGと呼ばれるWoW以降のMMORPGを指す。
Daybreak GameがEverQuest Nextの開発を中止し、BlizzardがTitanの開発を中止し、CCPがWorld of Darknessの開発を中止し、ネクソンがマビノギ2の開発を中止し、気づけばMMORPGのビッグタイトルがほぼ出尽くし、新作のビッグタイトルがほとんど残っていない状況となった。
新しいMMORPGを作るよりも、現在サービスを行っている息の長いMMORPGのアップデートに注力するという大手メーカーが大半となっている。
Tree of SaviorはおそらくBLESSより先にサービスインするだろうし、ペリアクロニクルズ、Crowfall、Chronicles of Elyria、Pathfinder Onlineといったところを「大作」とカテゴライズするかどうかは微妙だが、明らかなブロックバスター、AAA級タイトルと言い切れないところもある。リネージュエターナルやLost Arkはギリギリ大作なのかもしれない。
▼大胆なコンセプトのもとに開発されるインディメーカーのMMORPGは増えている
インディゲームメーカーや中規模ゲームメーカー、中国産のMMORPGはこれからも登場し続けるだろうが、WoW、SWTOR、FF14、ギルドウォーズ2、黒い砂漠、TERA、ESO級の”現世代”ビッグタイトルで今後残っているのはBLESS程度だろう。
BLESS ロシアサービスも最近決定した。
モバイルに活路はあるのか?
スマートフォンのRPGはMORPGあるいは非同期型のターン制がほとんどだが、同期型のMMORPGも近年増えつつある。
過去のMMORPGを復刻させるような形でスマートフォン向けに開発されているタイトルも何本かあり、「ファイナルファンタジーXI リブート」「ラグナロクオンライン モバイル」「MU Origin」「リネージュ2 Dawn of Aden」「ドラゴンネスト オリジン」などがそういったゲームにあたる。
▼中国市場向けに開発されている「ラグナロクオンライン モバイル」
しかし、MMORPGとスマートフォンとの相性に関しては、UIや操作性だけでなく、MMORPGのゲームプレイやコンテンツがスマートフォンの携帯性や手軽さとは乖離している部分があるという点からも疑問が残る。
筆者としては、モバイルMMORPGは中国市場や新興国市場が中心となるような印象があり、各メーカーがモバイルMMORPGに高額な制作費をかけるとは考えにくい。
一定の需要はあるMMORPG
例えBLESSが現世代最後の大作MMORPGになったとしても、長年サービスを続けている現行のMMORPGやTree of Saviorなどの中規模のゲームを含めてMMORPGに一定の需要はあり続けると思われる。
それは決して昔のような高い需要ではないが、MMORPGの根強いファン、あるいは新たなファンに支えられることになるだろう。
そしてその先には、VRなのか何なのかはわからないが、新世代の大作MMORPGが待ち受けていると期待しておきたい。
(あまり大きな声では言えないが、BLESSはそんなに期待しないでおいたほうがいいかもしれない。韓国でサーバーがたった2つに統合されたり・・・。奇跡が起こればあるいは。)
そんなBLESSだが、欧米では2017年のサービス開始予定。日本国内においてはスケジュールは未発表。
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