フランスの調査会社GameStatisticsがMMOに関する調査を行い、その結果を9つの教訓として公開した。
調査は2012年から2014年のMMOゲーム9タイトル(Star Wars: The Old Republic, Wakfu, Guild Wars 2, PlanetSide 2, Defiance, Neverwinter, Final Fantasy XIV, The Elder Scrolls Online, Wildstar)を対象に行われた。
Guild Wars 2, PlanetSide 2, ファイナルファンタジーXIVは過去3年間でサービス開始時に特に高い評価を受けたMMO
ゲームメディアのレビューの平均スコアであるMetascoreと調査におけるプレイヤーの満足度をグラフにしたもの。右に行くほどサービス開始時におけるゲームメディアの評価が高く、上に行くほどユーザーの満足度が高い。
MMOのゲームメディアレビューとユーザーの満足度には一定の関係性があるようだが、調査の対象となったタイトルではスターウォーズだけプレイヤーの満足度とメディアのレビューが乖離している。
非常に満足したプレイヤーだけが同じMMOを長期間続ける
満足度とプレイ期間の相互関係のグラフ。
横軸はプレイヤーがつけたスコアで、縦軸はスコアをつけたゲームを1年以上プレイしようと予定している割合。
10点満点中9点をつけたプレイヤーの80%近くがそのゲームを1年以上プレイしようと考えている。
満足度とプレイ期間の関係性は顕著であり、低い点数のゲームはもちろん、5点~6点といった中間の点数がつけられたゲームですら長期間プレイしようと思う人は少ない。満足できるゲームは長い期間遊んでくれる可能性が高い。
MMOプレイヤーの平均年齢は28歳
一つだけ明らかにゲームのタイプが異なるWakfuだけ極端に平均年齢が低いが、ゲームのコンセプトやデザインを考えるとこれは驚くことではないとのこと。
28歳がMMOプレイヤーの平均年齢となっているが、The Elder Scrolls Onlineの平均年齢がやや高めなのは、伝統的なシングルプレイRPGが好きなプレイヤーが多いからだと推測されている。
MMOプレイヤーはアンケートに答えるのが好き
アンケートに答えることは楽しい: 84%
質問事項は長すぎなかった: 92%
質問はわかりやすく妥当だった: 90%
調査のテーマは興味深い: 84%
調査会社によると、ゲーマーはフォーラムやブログで自分の意見を伝えるのが好きだが、プロが行う調査でのみゲーマーの意見の正しい数値化が可能とのこと。
年齢が高いほどMMOへの評価は厳しくなるが、お金を払ってくれる
左のグラフは年齢層と平均満足度の変化。右のグラフは年齢層とコレクターズエディションを買った人の割合の関係性を表している。
年齢が上がるほど平均満足度が減っており、18歳未満のプレイヤーと40歳以上のプレイヤーでは1.1ポイントの差がある。
一方で、年齢が上がるほどコレクターズエディションを買ったと答えた人の割合が増えている。
調査対象のゲームは2012年~2014年のゲームのみであるため、長年MMOをプレイしているからコレクターズエディションを買った経験が多いというわけではなく、年齢が上がるほど通常版ではなくコレクターズエディションを買う傾向が増えてるということがうかがえる。
デジタル版の購入者は増え続けている
パッケージ版が一切発売されないMMOもあるが、パッケージ版が発売されていても7割強のプレイヤーがデジタル版を購入している。
FF14はパッケージの価格が安いということと、PS4版とPS3版があるため43%という低い数字が出ていると分析されている。
バグ、バランスが取れていないクラス、BOTはMMOに昔からある欠点
左:「このゲームにはバグがない」と答えた人の割合
右:「このゲームのクラスはバランスがとれている」と答えた人の割合
ファイナルファンタジーXIVだけ半分以上の人がバグがないと答えているが、ほとんどのゲームは2~3割にとどまっており、MMOには目立つバグが多いことが露呈している
FPSであるPlanetSide 2を除くと、FF14とGuild Wars 2、スターウォーズはクラスバランスが比較的良いようだが、それでも半数程度であり、MMOはクラスバランスに長年悩まされている。
グラフにはないが、ゲームにBOTがいないと答えた人は平均で20~30%だったとのこと。
MMOはもちろんマルチプレイオンラインゲームではあるが、そこまでMassively(大規模)ではない
赤色のグラフは、「プレイヤーの行動がゲームの世界に結果や影響を与える」と答えた人の割合
青色のグラフは、「ソロでプレイ可能なゲーム」だと答えた人の割合
プレイヤーの行動が世界に影響を与えるゲームは「サンドボックス」型のものが多いが、現在MMO市場の主流は「テーマパーク」型であり、グラフを見てもそれが顕著となっている。
この9タイトルの中ではファイナルファンタジーXIV、Neverwinter、Wildstarが特に低い値となっており、テーマパークの要素が強いゲームであることがわかる。
一方で、ソロが可能なMMOという観点からは多くのゲームがソロプレイが可能だと回答されているが、左のグラフで数値が高かったPlanetSide 2とWakfuは右のグラフでは低くなっている。
MMOでありながらこれだけ「ソロプレイが可能」と答える人が多いというデータ。
MMOの月額課金制は全く死んだわけではない
上のグラフは「基本プレイ無料にしたほうが月額課金制よりも良くなる」と答えた人の割合。
下のグラフは「月額料金はお手頃価格」だと答えた人の割合。
紫はWildstar、緑はThe Elder Scrolls Online、青はファイナルファンタジーXIVだが、いずれも基本プレイ無料を望む人はそこまで多くない。FF14は特にその傾向が強く、8%の人しか基本プレイ無料が良いと答えていない。
また、ファイナルファンタジーXIVは月額課金制の値段も手頃だと答えた人が多く、FF14の月額課金制は非常に高い満足度を獲得していると言えるようだ。
ソース: Game Statistics
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