プレイヤーがゲームに復帰するためのきっかけを作る「リターントリガー」とは

モバイルゲーム

SEGAやPocket Gamerでモバイルゲームのコンサルタントを担当し、著書「Free-to-Play: Making Money from Games You Give Away」で知られるWill Luton氏が提唱している「リターントリガー」について紹介

ゲームを延々と24時間365日プレイできる人間はいない。
したがって、ゲームに熱中している時期であっても必ず「離脱」は経験することになる。
この離脱をした後、ユーザーが再びゲームに復帰するきっかけを作るのが「リターントリガー」だ。

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休止期間が1時間だろうと1日だろうと1ヶ月だろうと、そのゲームに戻ってくるきっかけを作る事が必要である。

Will Luton氏は2013年に著書の中でリターントリガーについて言及しているが、リターントリガーは主に次の6種類がある。

アポイントメント・トリガー

Appointment Triggers

アポイントメント・トリガーは、基本プレイ無料のゲームで最も良く使われているリターントリガー。

プレイヤーが決められた時間に決められた行動をすることで報酬が手に入ることを「約束(appointment)」することで、ゲームに復帰させようとする試み。

「ログインボーナス」「1日1回ガチャ無料」「デイリークエスト」「スタミナ回復」といったものから、ゲームの中で「◯◯が完了するまで××時間」という仕組みを設けることもある。

プレイヤーのライフサイクルに合わせてルーチンワーク化させることで、日常習慣のようにゲームを起動させることが目的だ。

アポイントメントトリガーの場合、ゲームをしばらく休止している人を復帰させるというよりも、アクティブプレイヤーに対して数時間から数日以下の休止期間から復帰させるという動機付けである。

人によっては、報酬を逃すまいと1日1回以上必ずログインしないと落ち着かなくなるほど習慣化されてしまうこともある。

コンペティティブ・トリガー

Competitive Triggers

コンペティティブ・トリガーは、「ランキング」のように、他のプレイヤーの行動によって誘発されたイベントを使うことで、プレイヤーの競争心を刺激するもの。

PvPのように勝敗がはっきりわかれるものは、他のプレイヤーを倒した時に感情的な反応を強く誘発し、もう1回対戦したいという欲求につながる。

ゲームセンターでも昔から画面にランキングを表示させたり、最高スコアを表示させるなどしていて、競争心を刺激するように設計されていた。

プレイヤー同士が直接対戦しないゲームであっても、スコアやクリア時間などを競い合う要素がゲームを再びプレイするきっかけとなることもある。

コンペティティブトリガーは、ゲームが持つ競技としての純粋な魅力に基づいたリターントリガーである。

ソーシャルコミットメント・トリガー

Social Commitment Triggers

ソーシャルコミットメント・トリガーは、プレイヤー同士がお互いの発展や進歩のために必要とし合う義務感に基づいたもので、最も強力なリターントリガーとして機能する。

オンラインゲームのギルドやクランのようなコミュニティがこれに該当する。

ゲームで他のプレイヤーが時間を費やした努力は、ゲームプログラムの機械的要素よりもはるかに重要であり、「他の人が自分のために時間を使ってくれたのだから自分もゲームに戻らなければならない」という社会的連帯感と責任感を感じることになる。

ソーシャルコミットメントトリガーは非同期型のゲームでも機能する。

一方で、他のリターントリガーと比べると、MMORPGのギルドのようなものはプレイヤーが加入してなおかつギルドメンバーとの社会的連帯感を築く必要があり、リターントリガーとして機能するまでに多少の時間がかかる。

ロケーション・トリガー

Location Triggers

ロケーショントリガーは、「適切な場所」でプレイしていることに対して報酬が提供されるというもの。

最もわかりやすいのは「ポケモンGO」のようなARゲーム。

位置情報を近くの店舗やランドマーク、公共のスペース、街路に関連付けることでコンテキストを付与し、プレイヤーに感情的な繋がりを提供して領域感覚を強化している。

日常生活にかなり紐付くため、「この場所に来たからゲームをしよう」という動機を誘発できる。

Will Luton氏は2013年に「ロケーショントリガー」という言葉を著書の中で使っているが、同年にIngressが登場し、その3年後に「ポケモンGO」が位置情報を活用したゲームとして世界的に大ヒットとなった。スマートフォンで位置情報がゲームに活用でき、それがプレイヤーをゲームに復帰させる事に貢献できることを予見していたようだ。

セールアンドイベント・トリガー

Sales and Events Triggers

多くのゲームで見かける、「期間限定イベント」や「期間限定セール」がセールスアンドイベントトリガーに該当する。

クリスマスや正月、バレンタインデー、ハロウィンなど、現実世界のイベントにゲーム内のイベントを結びつけ、プレイヤーに利益を与えてリターントリガーを誘発する。

通知やメールなどで「期間限定イベント開催中」などと宣伝して復帰させる試みもある。

オンラインゲームやモバイルゲームがここぞとばかりに期間限定イベントを開催するのは、もちろんアクティブプレイヤーのモチベーションを上げるためでもあるが、ゲームを休止している人に復帰するきっかけを与えるリターントリガーとしての意味合いも大きい。

最近では少なくなった月額課金制のオンラインゲームでは期間限定で無料といったイベントを開催することもあった。

ただし、あまりにも頻繁に期間限定イベントを行うと、イベントの価値が失われてしまう。

ナッジ・トリガー

Nudge Triggers

ナッジ・トリガーは、リターントリガーの中では最も弱い。

プレイヤーだった人に直接連絡をしてゲームに戻るように促すもの。

スマートフォンの通知を利用して知らせたり、アップデートの情報が書かれたメールを送るといった形式が取られる。

他のリターントリガーよりも成功率は低く、最後の手段ではあるが試す価値はある。

Free-to-Play: Making Money From Games You Give Away (English Edition)

ソース: Gamasutra

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