FF14の外部ツール制作者へのインタビュー要点まとめ。「運営の対応は正しくない」

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「ファイナルファンタジーXIV」における外部ツールの使用が、「絶竜詩戦争」の実装以来、国内外で激しい議論を巻き起こしており、運営も声明を出すに至ったが、外部ツール用のプラグインを開発している制作者はどう感じているのか。

有名配信者のAsmongold氏が、FF14の外部ツール用プラグインの制作者にインタビューを行ったので本稿で紹介する。インタビューの動画は以下に掲載し、その要点をまとめた。

プラグイン制作者インタビュー 要点まとめ

  • 外部ツールへのスクウェア・エニックスの対応には複雑な心境
  • 規約に違反するようなマーケットを排除することはベストな選択だが、FF14の開発チームがプラグインからインスピレーションを得てゲームに新たな機能を実装するのも最善の選択肢ではある
  • プラグインの作者達はゲームから楽しさを奪おうとしているわけではなく、ゲームに問題点を見つけて、それが改善できると思ったからそのツールを制作しているだけ
  • プラグインは100万件近くダウンロードされており、プラグインの導入によってQoLが改善されているのを示している
  • プラグインが多くのQoL改善をもたらしているにも関わらず、「悪い物」と考えられているのには矛盾を感じる
  • (アドオンの文化があるWorld of WarcraftからFF14へのプレイヤーの流入について)多少の影響はあるかもしれないが、FF14でも以前からACTのようなツールは使用されてきた
  • 基本的にプラグインで追加できるような機能は、作ろうと思えばスクエニも作ることはできる
  • プラグインを制作するにもガイドラインがあり、ガイドラインに従っていないものはモデレーターがプラグイン一覧に載せない
  • 明らかにチートになるようなものや、一線を越えるようなものはモデレーターから許可されない
  • ボス戦で何のギミックが次に来るかわかるような機能が一線を越えているかどうかについては、答えるのが難しい。
  • コール役のパーティメンバーを用意するというのは最近WoWの文化からFF14に輸入されたものだが、9人目のパーティメンバーがいても難しいギミックはある
  • WoWが辿ってきた道と同じで、(ツールを使わずに)自分達の力だけで状況を正しく分析して理解するのができないほど難しくなりすぎた
  • 高難易度のコンテンツが限界を押し上げ、プレイヤーがわずかな時間の中で判断できる限界を超えてしまい、解決策を探した結果が外部ツールの利用や9人目の採用
  • プレイヤーが毎日16時間、2週間ぶっ続けで攻略するのでもやりすぎだと思うが、スクエニが攻略に役立つ外部ツールを排除することで、状況はさらに悪化するかもしれない。毎日16時間2ヶ月も絶レイドの攻略を楽しめる人はいない
  • 開発チームのスタッフが一切ツール無しで絶をクリアできるのは間違いないが、プレイヤーが開発者と同じ様に攻略できるとは思えない。開発者は誰よりも戦闘やギミックに関する知識を持っている
  • QAテストでは特定のギミックだけを何百回も連続で試すこともできる
  • 運営の外部ツール使用者への最近の対応が正しいとは全く思えない(※一部のプレイヤーがTwitchでの配信中にBANされた事)
  • 一線を越えて利用規約を破れば罰を受けるのは当然だが、警告なしでこんなに簡単にアカウント停止処分をするべきではない
  • 「魔女狩り」が行われていると思う
  • プラグインやMODには明らかに許可されるべきではない物も存在するが、プラグインは障害を持つ人にゲームをカスタマイズできる機会を与えることもできる。これも規約に違反しているというのは納得できない
  • プラグイン制作者は情熱のあるプレイヤーの一人に過ぎず、プラグインやMODの制作者がこのように「悪者」とみなされるゲームは初めて
  • テラリアやマインクラフトでは、MOD制作者がゲームの寿命を伸ばしている。MOD制作者は何千時間も費やして、無償でMODを作っている
  • ゲーム上の文字をもっと大きく表示させたいと思っている目が悪い人に「それならこのゲームを遊ぶな」と言うのは人間がすることではない
  • アクセシビリティに関しては、開発者の方が解決方法を良くわかっていると思うので、彼らが自らの手で解決するべき
  • 戦闘を容易にするようなプラグインはFF14に必要だとは思わない
  • プラグイン制作を始めたのは、戦士ジョブはMPを使わないので、MPバーを非表示にしてHPバーを大きくしたいと思っても、ゲーム内のオプションではそれができなかったので、プラグインを使って自分で変更を加えることにしたのがきっかけ。
  • 自分は大物プレイヤーではなく一介のプレイヤーに過ぎず、吉Pに「戦士にMPバーは不要だから消してくれ」とメールを送れるような人間でもないし、送ったとしても彼は気にもとめないはず
  • だからプラグインを作って自分自身で解決し、それが他の人の助けにもなっている
  • FF14の開発チームがプラグイン制作者を強く批判しないことを望んでいる
  • MODは未来永劫PCゲーム文化の一つ
  • クロスプラットフォームでSteamワークショップに対応するゲームがあり、家庭用ゲーム機版がMODに対応していなくても、誰も文句は言っていない。MODを使いたいならPCでプレイすれば良い
  • MODやプラグインへの需要が無い方が良いというのはスクエニに同意できる
  • プラグインが何百万回もダウンロードされるのは、ゲーム側に問題があり、それがまだ解決されていないということ
  • 新しいプラグインが登場した時は、すごいと感じるよりも、「なぜこの機能はゲームに実装されていないんだ」と感じることが多い
  • 吉Pが声明の中で、「あったら便利と思われる機能の不足に起因している」と言ってくれた事には感謝している
  • FF14に「チャットの吹き出し」が無いのが良い例で、チャットの吹き出しを表示する手段がゲーム内になければ、プレイヤーは非公式の手段に頼らざるをえない
  • スクウェア・エニックスが検討するべき解決策が2つある
  • 1つは、運営がプラグインを公認すること。BlizzardがWoWのAPIを提供しているのと同じ様に、プラグインの制作に使えるものを提供してくれるのが良い
  • 戦闘関連のプラグインを作ってほしくないのなら、戦闘関連のAPIだけを除外すればよく、公式のAPIを使っていないものは全て規約違反とすればよい
  • もう1つは、規約違反であるはずの外部ツールが100万回もダウンロードされている理由を運営が説明して、ユーザーを納得させてくれたら良い
  • プレイヤー達は誰かの怒りを買うためにACTを使うわけではなく、ACTが必要だと思ったから使っている
  • (ツール無しでは)ゲームが一切教えてくれないデータがあるので、FFlogsは最速クリアを目指す人達にとっては非常に価値のあるツールになっている
  • 高難易度コンテンツでは、回復が足りていなかった、軽減が足りていなかったなど、戦闘で死んだ原因に関するデータを知りたい
  • FF14に死亡時の状況を再生できるキルカメラ(デスリキャップ)のような機能があれば、そういう需要は無くなる
  • スクウェア・エニックスに開発リソースが足りないからプラグインに取って代われる機能の追加をしないと言う人や、日本の法律のせいでできないと言う人もいるが、おそらくそれは違う
  • プラグイン関連のメッセージチャンネルにいた半分はたぶん日本人だったので、日本の文化が外部ツールを忌避しているとは思えない

インタビューの内容は以上。

ファイナルファンタジー14の公式サイトに掲載された外部ツールの是非に関する声明

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