先日、ソニーインタラクティブエンタテインメントが韓国のNCSOFTと提携し、「Horizon」のMMO開発に着手していると海外メディアが報じた

NCSOFTは「リネージュ」シリーズや、「ブレイドアンドソウル」「Aion」等の開発・運営や、「ギルドウォーズ」シリーズのパブリッシング等で知られる。
噂される「ホライゾン」のMMOは、NCSOFTの内部開発チームで制作されているという。
(ソース: MTN)
「ホライゾン」シリーズは、オランダのゲリラゲームズが開発したオープンワールドRPGで、「Horizon: Zero Dawn」と「Horizon: Forbidden West」の二作がリリースされている。
NCSOFTの経営陣は決算発表でこの事について聞かれ、「今すぐに相手が誰だと明らかにすることはできない」としつつも、「まもなく正式発表がある」「実を結ぶ時が近づいてきた」と回答した。
両社の狙いは?
ソニー側からすると、今のNCSOFTに自社IPを使ったMMOを作らせるのは些かリスクを伴うだろう。
近年、NCSOFTは「リネージュM」「リネージュ2M」「リネージュW」と、リネージュのモバイルゲームで大きな利益を上げてきたが、PC向けのタイトルは2012年の「ブレイドアンドソウル」以降ではまともな成果は上げられていない。
また、PC・コンソール向けのゲームについては、MMORPG「Throne and Liberty」やTPS「LLL」を開発しているが、まだ評価できる段階にはない。
ソニーインタラクティブエンタテインメントは、サービス型ゲームのヒット作を欲していると推測できる。プレイステーションのプラットフォームでは、「Apex Legends」や「フォートナイト」「原神」などが大きな利益を上げているが、いずれもサードパーティのもので、ソニーのファーストパーティ製タイトルではライブサービス型の主力タイトルは存在しない状況だ。
一方で、SIE傘下にはマルチプレイの十分なノウハウがある開発スタジオがなく、シングルプレイゲームが中心となっている。Horizonの開発スタジオであるゲリラゲームズもFPSではマルチプレイ開発の経験はあるものの、RPGのマルチプレイは制作した経験がない。
近年、NCSOFTは「脱リネージュ」を掲げており、現在の収益基盤となっている「リネージュ」に頼らずに海外市場を攻略したいという思惑がある。「Throne and Liberty」も当初は「リネージュ エターナル」というゲームだったが、リネージュの看板を下ろして作り直したのが今の姿だ。

NCSOFTが開発している「Throne and Liberty」(PC/PS5)
NCSOFTが2021年に韓国でリリースしたモバイルMMORPG「ブレイドアンドソウル2」は、ブレイドアンドソウルの皮をかぶっているが、中身はリネージュのモバイルゲームだとして批判を浴び、NCSOFTの株価下落に繋がった。
HorizonのMMOプロジェクトが完成まで漕ぎ着けられるかどうかは定かでないが、少なくともホライゾンのMMOとして成功させるにはゲリラゲームズ側が綿密な監修を行う必要があるように思える。最近では、「ロード・オブ・ザ・リング」や「スターウォーズ」の新しいMMOの開発が中止されるなど、ジャンル的には新規タイトルが順風満帆には行っていない。
MMORPGの開発には莫大な予算と時間が必要なだけに、ソニーがリスクの高い投資をしているようにも思えるが、今後の同行に注目しておきたい。
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