昨年頃から、PC向けに発売されるビッグタイトルがことごとくパフォーマンスの最適化不足を指摘されている。
パフォーマンスの問題はフレームレートの低下やスタッタリング、グリッチ等様々だが、AAAタイトルは新作のほとんどがPCで何かしらの問題を抱えたまま発売されており、PCゲーム専門サイトのPC Gamerは「PCゲーマーは次々に出てくるクソ移植に本当にうんざりしている」という記事を投稿している。

軽く挙げるだけでも次のようなタイトルのPC版が発売時にパフォーマンスの問題を抱えていた。
- エルデンリング
- Gotham Knights
- Horizon Zero Dawn
- ホグワーツ・レガシー
- Forspoken
- カリストプロトコル
- Dead Space
- Wild Hearts
- Wo Long: Fallen Dynasty
- ラスト・オブ・アス パート1
- スターウォーズ:ジェダイ・サバイバー
- Redfall
Wo LongのPC版におけるスタッタリングの問題
EAは「ジェダイサバイバー」発売後に謝罪
エレクトロニック・アーツは、「スターウォーズ:ジェダイ・サバイバー」PC版リリース時の問題について謝罪文を掲載するまでに。
PC版のパフォーマンス問題は今に始まったことではないが、新作のPC版がことごとく似たような問題を抱えたまま発売される原因は何か。
最近の新作ゲームのPC版が問題を抱えている理由
1.シェーダーのコンパイル
基本60fps以上出ているのに、時折フレームレートが急激に低下し、すぐにまた60fpsに戻る、一瞬カクつくような状況は「stuttering(スタッタリング)」と呼ばれる。
最近の大作ゲームのPC版の多くがスタッタリングの問題を抱えている。
スタッタリングが発生する原因は様々なだが、PCにおけるシェーダーのコンパイルは原因の一つである。
3Dグラフィックスを描画するために『シェーダー』と呼ばれるプログラムが必要となるが、GPUが命令を実行するために『コンパイル』という作業が必要になる。
家庭用ゲーム機の場合、シェーダーは事前にコンパイルされているため、この問題が発生することは非常に稀である。
一方、PCはユーザーによってAMDやNVIDIA、Intelといったメーカーの違い、さらにはアーキテクチャの違い等、ハードウェア環境が千差万別であるため、プリコンパイルが難しく、ゲームの至る所で新しいシェーダーを読み込み、コンパイルする必要がある。
ゲームによっては起動時にコンパイルを行うものもあるが、かなりの時間がかかってしまうのがネックだ。つまり、PC版のロード時間が異様に長くなってしまうことになる。

近年、ゲームのグラフィックスが高度化するに連れて、シェーダーの数も膨大となり、コンパイルにかかる時間も長くなり、結果的に、リアルタイムでコンパイルを行っているゲームで一瞬カクつくパフォーマンスの問題として現れるのである。
PCゲームはグラフィックスの設定を細かく変更できるが、コンパイルに起因する問題はグラフィックスの設定だけではどうにもならない。
「Redfall」では、Core i9 12900K+RTX 4090というハイエンド環境でも、スタッタリングの問題が発生する。どれだけ高性能なPCでもこの問題を回避しづらいのが現実だ。
スタッタリングが指摘されたエルデンリングだが、「Steam Deck」ではこの問題は起こらなかった。開発者がSteam Deck用にプリコンパイルされたシェーダーを準備し、リアルタイムのコンパイルを避け、それを読み込むように設定していたためだ。これはSteam Deckがコンソール同様に単一の規格だから可能だった。(ソース:Eurogamer)

海外のゲーム開発者はTwitterに次のように投稿している。
「家庭用ゲーム機向けにゲームを作る時は、ドライバーとハードウェア、1セットの組み合わせに対応させて作るだけです。PC向けにゲームを作る場合、900種類以上の構成に対応させることになります。
開発者は怠けていないと約束します。これは本当に本当に難しいことです。」
2.PCのスペック不足
最近発売されたタイトルに対して、ユーザーのPCのスペックが足りないというのが事実である。
2020年にPS5とXbox Series X|Sが発売され、ゲーム業界的には「世代交代」のタイミングとなった。

一方、そのタイミングでCOVID-19のパンデミック、仮想通貨バブルによるマイニング需要の増加、半導体の供給不足、インフレなどが重なった。
PCパーツの価格が軒並み値上がりし、特にグラフィックカードは倍近く値上がりするという異常事態となった。現在ではある程度落ち着いたものの、単純に製造コストが上がったことでメーカー希望小売価格も引き上げられている。
10年前はミドルハイのグラフィックカードは5万円前後だったが、現在では10万円近い市場価格となった。
価格高騰もあり、ユーザーのPC環境移行はなかなか進んでおらず、4月に発売された「GeForce RTX 4070」は売れ行きが悪く、NVIDIAが製造数を制限する事態となった。

2023年5月時点のSteam利用者のビデオカードのシェアトップ5は
- GTX 1650
- GTX 1060
- RTX 3060
- RTX 3060 Laptop
- RTX 2060
となっており、最新のハイエンドゲームをプレイする場合スペック不足だ。
特にこれらのグラフィックカードの場合、ビデオメモリ(VRAM)の不足が深刻で、2023年3月に発売された「ラスト・オブ・アス パート1」のPC版はビデオメモリ8GBでは足りないと分析されている。
PS5やXbox Series Xには16GBのビデオメモリが搭載されており、12GB以上をゲームのグラフィック処理に割り当てることが可能となっている。したがって、PS5/Xbox Series X世代のゲームは12GB程度のVRAMを使うことが念頭に置かれた状態で開発されている。
比較的新しいグラフィックカードは12GB以上のVRAMを搭載しているが、1世代前になると8GBが大半を占める。
また、バックグラウンドで大量のデータを読み込むとCPUにも負荷がかかり、それがパフォーマンスを低下させる可能性もある。
ストレージの読み書き速度が問題になることがある。PS5やXbox Series Xでは、専用のNVMe SSDを介して高速なデータの読み込みが可能だが、ハイエンドのSSDを使ってもPCで同等のローディングを達成するのは困難だとされている。I/Oが専用に設計されていないためだ。
ゲームソフトが家庭用ゲーム機に合わせて世代交代する中で、現在利用されている平均的なゲーミングPCのスペックがそれに満たない状況であるため、余計にパフォーマンスの問題が目立つようになった。
海外メディアのPC Gamerは、「家庭用ゲーム機よりも優れたパフォーマンスが手頃な価格だった時代は終わった」と述べている。
3.不十分な開発期間
2020年から続いた新型コロナウイルスのパンデミックにより、在宅勤務の体制を取るメーカーが多かったが、その影響をモロに受けたのが最近発売されているゲームである。
当初は2021~2022年頃に発売予定だったゲームは軒並み延期され、そういったタイトルが最近になって一挙に発売されているような状況だ。
パブリッシャーの立場としては、発売日を延々と伸ばすことはできず、限界まで待ってはいるものの、PC版の最適化が不十分な状態で発売せざるをえなくなってしまっている。
COVID-19のパンデミック以前に開発されていたゲームですら、「サイバーパンク2077」のような問題を抱えたタイトルがあったように、開発期間が不十分なものは少なくなかった。
PCゲーム市場規模の大きい韓国のゲーム開発者はメディアの取材に対し「PCゲームの最適化がコンソールに比べて難しいのは本当だ。もちろん、最適化を助ける技術も増えたが、発売日に追われるように開発していると優先順位が下げられることもある。PCパーツの価格上昇でゲーマーが以前よりも最適化に敏感になっているだけに、ゲームメーカーも開発の初期段階から最適化を考慮しなければならないだろう」と答えている。
コメント
でも数年もしたら今度は家庭用ゲーム機がスペック不足を指摘されるようになるんでしょ
ハードの世代交代って大変よな
更新していくが面倒くさくなったのからPCと周辺機器を知り合いに全部売って、ps5買ったな
部屋もスッキリしたし、グラボとか買い換える必要とかなくなって財布にもいい
まぁps5だからってのもあるかもだけど、ゲームするだけなら十分だわ
少し前まではPCあればps5や箱要らない論が蔓延ってたけど
今度はpc側が安価なものだとスペック不足になるのは
なんていうかいたちごっこなんだろうな
PS5とXSXのメモリはメインとビデオ共有で16Gなのでビデオメモリに12G以上とか想定した設計ではないだろ
現にXSXは10G以上は転送速度が落ちる仕様なのでビデオメモリに割り当てられるのは最大で10Gと言われてる
XSXのは混載メモリで高速メモリが10GB、低速メモリが6GBって設計やからじゃ無い?
エンジン側、作り手のカスタムシェーダーが自由になりすぎた結果かぁ
コンパイル速度まで気にしてなさそうだよな
自分の出したい絵、シェーダーを作ってるだけ
昔のPGだったら容量キツキツで色々と軽量化を考えながらゲーム作ってた
今はストレージやPC性能の縛りも考えない
重いゲームになっちゃったとしてもユーザーのスペック不足ってことで済まされる
グラフィックを監督する人間がもっと考えるべきだわな
昔、同人でゲーム作ってた
シェーダーが自作でめちゃめちゃコンパイルに時間かかってた
ロード長くて情けないなぁ やっぱ個人レベルだと限界あるなぁって思ってたけど
今の商業連中も同じようなもんか
グラフィックを綺麗にするだけならバッファ盛りまくったり反射レンダリング重ねまくったりすればいい
でも、重くなるから削らなきゃいけない
シーンの切り替えを考えるなら出来るかぎりシェーダーを共用していかなきゃいけない
PS5以下のスペックって2世代前のGPUくらいか
FF16が対応ハードをPS5に絞ったのは英断だったと、そう言われるようになると確信してる
ごみ
半年後じゃないけどいずれ出すって言ってたよ
英断でしょうね
スクエニにしては早く出せるのもPS5専用な故にマルチの事を考えずに済んだお陰だもんね。インタビューでメモリがすごいと誉めていました。PC版が出るのは相当先になりそう。
英断だし2~3年以内だったらPC版出すときにもスペックでひと悶着起こるだろね
デジタルファウンドリーの記事だと、開発者に聞いたグラフィックに使える容量の数字はXSXは13.5GB、PS5は12.5GBと書いてたな
PS5の数字に関してはラスアスのPC版がPS5のメモリ管理をコピペしていて、16GBのVRAMだと3.2GBはOS用に空予約されるのが解析で判明してるからガチっぽい
PCはハード構成が多様すぎて最適化しようにも限界があるって話か。
開発者からしたら当然ハード構成決まってるコンソール機の方が楽なんだろうけど
AAAゲームの開発費は高騰する一方だからPC版出すのも必須だもんな
早めにPC側も天井設定してそれを業界全体のスタンダードにしていく方向にしときゃ苦労もなかろうに。そもそも美しいグラフィックなんて言われても、それだけで売れる時代でもねえし。ただ単に革ジャンに乗せられただけじゃん
際限なくグラフィックも更新しないといけない(と思い込んでる)AAAが限界なだけでしょ
フレームレートはともかくグラばっか言ってる奴そんな居ないよPCゲー全体では
グラボはそう遠くないうちにもっと安くなると思う
ぼり過ぎて売れなくなったら売れる値段まで下げるしかない
それが市場原理
今が過渡期にあるだけでいずれ解決するだろう
問題があるとわかってるんだから解決しないとまずいし、解決するツールを作れれば儲かる
ゲームエンジンメーカーとかはそう考えてると思う
ちょっと前まではpcの方がグラよくてcsとか要らんみたいなマウントそこらじゅうでしてたのに、いざこういうことが起きたら手のひら返しでグラフィック不要論唱えだすとか惨めすぎん?
たぶん典型的なゲーミングPC信者CS(特にPS)アンチなんだろう
俺はグラフィック不要論なんて一言も書いてないけど相手間違ってねーか?
コメントのやり方理解してる?
今更だけど返信する相手間違えました
いうてRTX5000シリーズはTSMCの3nm使うとかで4000シリーズ以上のコストアップ確実って言われてるけど?
あとウクライナが落ち着いてエネルギー価格下がったら海外で業者がマイニング再開するだろうから
いうてグラボの価格低下する要因なさそうじゃないか?
まぁnvidiaは1個100万以上するAI専用グラボがビックテックに飛ぶように売れてるから困らんだろうしさ
中国がマイニング規制したのはウクライナ戦争の前だから戦争が終わっても中国でのマイニングは増えないと思うよ。あと暗号通貨自体ブーム終わってる感あるし。
nvidiaがゲーム用GPUが売れなくても困らないというのはそのとおりだと思う。ただ普通の企業は売れない商品は作りたくない。3000番代も4000番代も売れなくてそれでも高額の5000番代を出すか、ある程度安めの価格設定で5000番代を出すか悩みどこなんじゃないかな。
AMDにベンチマークでは勝ちたいが5000番代も売れなかったらゲームGPU部門の責任者のクビが飛ぶというかもう飛んでるかもしれない。
5040とか作って値段を下げる可能性もあるかもしれない、というのが俺の考え。
PCゲーはグラやAAAタイトルにこだわってる人ほぼ居ないね
好きなジャンルで面白ければなんでもやるって感じだわ
ちょっと前まではpcの方がグラよくてcsとか要らんみたいなマウントそこらじゅうでしてたのに、いざこういうことが起きたら手のひら返しでグラフィック不要論唱えだすとか惨めすぎん?
たぶん典型的なゲーミングPC信者CS(特にPS)アンチなんだろう
どこにグラ不要論とか書いてあるの?バカとかストローマンってよく言われてるでしょ
そんな対立煽ってるほうが惨めな人生だと思うよ
PCはグラでマウンティングゴリラマン多いじゃん
特にまとめサイトに出現するような奴
記事はめちゃくちゃまともなのにコメントにゴミ湧いてて草
やっぱダメだわ、PCでCSにマウント取ってるゴミ
被害妄想すごすぎ
ハイエンドPC持ってるけどメインはPS5
PCではSteamつまみ食いとかPCの方が有利なFF14くらいしかやってないな
最適化させる時間がなくPS5優先する会社と最適化を間に合わせて同時リリースする会社では
後者のほうが売上も競争力も上なんだからPCかCSかの論争には何の意味もない
CSがPCに比べて圧倒的なシェアなら話は別だが今のところそんな未来は見えてない
最適化を間に合わせて同時リリース出来てる会社がないからこうやって問題になってるんやろ
最適化不足でも売れるしリリース後のパッチで改善はされるけど
圧倒的かどうかはともかく、「CSはPCに比べてシェアが大きい」ですよ?
少なくともPC版だけの売上じゃ立ちゆかないレベルでCSの占める売上比率は高い
むしろPC版がCSのおこぼれをもらってると言われても過言じゃない
なのにどういう訳かやたらCSにマウント取ろうとするんですよね一部の人たちは
でも、そのCSってPS5じゃないですよ?
逆にPS5以外にあります?
そもそもPCゲームって最低限しか最適化せずに必要スペックの数段階上のパワーで無理やり動かしてる印象
で、現在は必要スペックが平均スペック上回り気味で性能でぶん回すにはCS本体の数倍の金が掛かる時期
CS世代交代期には必ず起こるやつ
むしろPCゲーやってて何で知らないのって内容
CS機ってのはその時点から数年先のPC(コスパ最悪だけど金で解決は可能)を更にゲームに特化したものですよ(コスパ最悪だけど金で解決は可能)
そしてこれまでのは10年前のPS4世代、これからのはPS5世代。要求スペック跳ね上がるなんて当たり前でしょうに
各社決算でPCの売上ガッツリ下がってる事は明確なのにこんなコメントが書けるとかすごいな
決算で出荷台数の減少が明確だからってゲーミングPC需要の低下や今後のシェアの減少にすぐに結びつけるの短絡的じゃないかな
まぁゲームやるならCSが安定してますわな
CPUがあってメモリがあってグラボがあって…というATX規格は30年近く前に出来たもの
そしてあらゆるデバイスでの動作を保証しなきゃいけない汎用OSのWindows
今までパーツ毎のスペックを上げることでボトルネックをカバーしてきたけどいよいよ限界が来てるって事なんだろう
もうメーカーが価格帯上げることにばかり執心してミドル以下を無視してきたツケが出てきてるって所か
そろそろ諦めてくれ、本気で売れなくなって二束三文でそのハイエンド投げ売りしなきゃいけなくなるかもよw
なんで変な対立煽りが流れてきてるんだ?
2000年前後の3DfXやら2Dグラボやらドライバポンコツやらの惨状を考えりゃマシなんてもんじゃないとは言いたいが….
確かにAthron64先進時代の後に来たIntelサポートしときゃ良い時代は終わったり最近じゃAppleシリコンのWineでSteamだとかSnapdragonにWindowsが入っていたりとARMサポートまで入ってきたりと
商業も大変だなぁ….
Steamはレビュー時にスペック強制表示でいい
最低でも3000代以上で絞ってその上でパフォーマンス問題があるかが知りたい
PS5が良く見えるってどんだけ古いPC使ってんだ?
こういう奴がいるから上に居たようなPCゲーマーにブチギレ煽りする奴が出てくるんだろうな・・・
こいつぐらいならまだ序の口だけど、ちょっと前はもっと酷いCS煽りがうんざりするほど居たから気持ちはまあ分からんでもない
>2023年5月時点のSteam利用者のビデオカードのシェアトップ5は
GTX 1650
GTX 1060
RTX 3060
RTX 3060 Laptop
RTX 2060
記事がそういう方向でも無いのに何を煽り合ってるんだ
ゲームハードの話題はある種の人達にとって宗教だから仕方ない
PC版だとコピーガードのDenuvoだったり、アンチチートのせいで色々と悪くなったりしてるのもあるからな…
PS6が2028年以降とか言われてるから転売屋対策なかったから普及するの2030年ぐらいだろうしそれまでのPSプラス代で4万円ぐらい上乗せなんだよなって思うとRTX3060買えちゃう
ただRTX3060だけあっても動かないわけで…
Intelの安価なラインナップはCore系列じゃなくAtom系列になった。
最先端プロセスでの製造費が割に合わなくなったからだけど、同じようなことがGPUにも起こる。
ローエンド或いはミドルクラスまでは過去の製品の改名版になる。
やっぱりPS5が一番日本だと安定ではあるな
GTX 1650
GTX 1060
でAAAタイトルはしんどすぎますね……