TERA vs. Blade & Soul vs. ArcheAge 項目別比較 それぞれの長所と短所は?

2008年のAion以降、韓国産の次世代MMORPGと呼ばれてきたタイトルの筆頭は「TERA」「Blade & Soul」「ArcheAge」が挙げられるが、この3つのMMORPGはいったいどれがどういった面で優れているのか比較した。

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実際は北米、ヨーロッパ系の「RIFT」「Star Wars: The Old Republic」や「The Secret World」「DC Universe Online」「Guild Wars 2」なども比較すべきだが、これらのゲームはいつもどおり日本語ローカライズの予定がないため今回は上記の3タイトルに絞った。


注意:
以下の評価はこの記事を書いた2013年1月時点のものです。MMORPGは頻繁にアップデートをするため、必ずしも下記の通りでないことがあることをご了承下さい。

■ストーリー

TERA:★★★☆☆
Blade & Soul:★★★★☆
ArcheAge:★★☆☆☆

Winner・・・Blade & Soul

Blade & Soulはそもそもコンセプトの段階でストーリーに力を入れており、特徴の一つとなっている。
個性的なキャラクターが何人も登場し、ストーリーテリングにおいてもカットシーンを多く使用してコミカルかつダイナミックに演出している。また、ストーリーの内容もわかりやすい。
TERAのストーリーはあまり魅力的とは言えず、ミッションクエストの文章をしっかり読まないとならないため、人によっては単にレベリングのためのクエストの一つと化している。
ArcheAgeのストーリーは種族ごとに用意されているものの、ストーリーのクエストがかなり曖昧で多くのプレイヤーがこの部分に不満を感じているようだ。また、カットシーンもただの音声つきの紙芝居だけとお粗末。

■グラフィックス

TERA:★★★☆☆
Blade & Soul:★★★★☆
ArcheAge:★★★★☆

Winner・・・Blade & Soul・ArcheAge 引き分け

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Blade & Soulのグラフィックスの見栄えは要求スペックや負荷のわりにはかなり良く、スクリーンショットで最も映えるビジュアルだと言える。スキルエフェクトも綺麗だ。また、水墨画のような独特な表現が使われていて見応えがある。
その一方でArcheAgeはグラフィックスレベルという観点からはBlade & Soulを上回り、DirectX 11の機能を使用した表現や高い解像度のテクスチャなど、ハイスペックPCならその効果を実感できる。また、時間経過があるため、朝・昼・夜と同じ場所でも違った姿を見せてくれる。
Blade & Soulは芸術的な美しさ、ArcheAgeは写実的な美しさがある。
TERAはBlade & Soulと同じUnreal Engine 3が使われているが、最適化が不十分でプレイを続けていると非常に重くなるのが難点。TERAは2011年のゲームなのでグラフィックス面で不利なのは仕方ない。

■戦闘

TERA・・・★★★★☆
Blade & Soul・・・★★★★☆
ArcheAge・・・★★★☆☆

Winner・・・Blade & Soul・TERA 引き分け

オートターゲティングのBlade & Soul、フリーターゲティングのTERA、一般的なPoint-to-Clickターゲット方式のArcheAgeと三者三様の戦闘スタイルだが、状況ごとに使用するスキルが変わっていき、カメラ演出のある派手なコンボと読み合いの攻防が可能なBlade & Soul、職業によっては中型モンスターを一人で相手にでき、打撃感が良くプレイヤースキルも反映されやすいTERAの戦闘は甲乙つけがたい。
TERAはスキル使用時の硬直がやっかいなのと、回避がスキルとして設けられているように真のアクションではないということ、さらに職業ごとに戦闘の面白さに差があるという部分がマイナス。
Blade & SoulはTERAより若干純粋なアクション性に欠けるのと、範囲効果になるかどうかがスキルにポイントを振るかどうかで決まったりといったセミターゲット独特の微妙なバランスがそれぞれマイナス点だ。
ArcheAgeの戦闘は敵をターゲットしてからスキルを使うおなじみのタイプで、2013年のゲームとしてはやや時代遅れで地味なこともあって退屈に感じる可能性がある。ただし、船を使った海上戦などの独自の戦闘要素もある。

■職業

TERA:★★★☆☆
Blade & Soul:★★★★☆
ArcheAge:★★★☆☆

Winner・・・Blade & Soul

職業バランスにずっと悩まされてきた、また、今も悩んでいるTERA。8種類の職業はタンク・火力・ヒーラーにわかれているためインスタンスダンジョンなどのパーティマッチングもフラストレーションの要因となる。
ArcheAgeは他の2つと比べると特殊な職業システムで、10種類の能力の中から3つを選び、その組み合わせてによって職業が決定する。途中でも職業の組み合わせを変更できるが、能力のレベルは独立しているために柔軟なクラスシステムだとは言いがたい。結局ビルドが似たようなものになるという意見も。
Blade & Soulは6種類と3タイトル中最も少なく、尚且つ種族制限があるのがネックだが、ヒーラーの概念を廃したことでパーティプレイは格段にやりやすくなっている。各職業の個性も最も魅力的だ。

■キャラクターカスタマイズ

TERA:★★☆☆☆
Blade & Soul:★★★★★
ArcheAge:★★★☆☆

Winner・・・Blade & Soul

変更できる項目数がかなり多いBlade & Soulのキャラメイクではプレイヤーごとに個性的なキャラクターを生み出すことが可能だ。NPCと同じ見た目のキャラクターを1日以上かけて作る猛者もいるほど。参考
なにより、キャラクター作成画面自体が楽しい。
ただし、ArcheAgeのキャラメイクも高い水準にある。 参考:ArcheAgeキャラメイク
TERAのカスタマイズも一定以上ではあるが、Blade & SoulやArcheAgeと比べるとやや劣る。

■レベリング

TERA:★★★★☆
Blade & Soul:★★★☆☆
ArcheAge:★★☆☆☆

Winner・・・TERA

TERA BAM

レベリングが最もしやすいのは中型モンスターの反復狩りが可能で、クエストの数が多いTERAだ。これまでに何度も調整を重ねてきたため、ガイドやクエスト装備の支給も整っている。ログインしていない時間に応じてボーナス経験値もたまる。
Blade & Soulのレベリングは非常に直線的で選択肢が少なく、デイリークエストに頼る必要があったり、パーティプレイがどうしても必要となることがある。
ArcheAgeは戦闘自体がそこまで面白いとは言いがたいためレベリングに飽きてしまう可能性がある。ただし、クエスト以外の採集や生産でも多めの経験値を獲得できる。

■PvP

TERA:★★☆☆☆
Blade & Soul:★★★☆☆
ArcheAge:★★★★☆

Winner・・・ArcheAge


※ArcheAge 大規模PvP

戦闘自体で見るとBlade & Soulに分があるが、攻城戦、PK、海上戦といったPvPのバラエティという部分でArcheAgeが一歩リードしている。
Blade & Soulは今後のアップデートで32vs32のPvPや、勢力間のRvRが実装されるまでの辛抱だ。現状ではかなり制限のあるPvPしか提供されていない。
TERAは意味のないPKシステムやマンネリ化しがちな戦場など、PvPはサービス開始当初から不得手。しかしこちらも2013年のアップデートで打開される可能性がある。

■ソロプレイ

TERA:★★☆☆☆
Blade & Soul:★★★☆☆
ArcheAge:★★☆☆☆

Winner・・・Blade & Soul


※Blade & Soul ソロ専用ダンジョン 武神の塔8階

実際のところは3タイトルともソロには厳しいゲームなのだが、ソロ専用ダンジョンが複数設置されており、パーティを組まなくても参加できるフィールドボスやレイドダンジョンなどによりBlade & Soulがわずかにリードしている。
ArcheAgeはソロでは後半のコンテンツの楽しみようがない。レベリングだけならソロで問題ないが、ArcheAgeの最大の魅力を味わうことは不可能だ。開発会社もコミュニティへの参加を推奨している。
TERAは成長区間ではソロプレイでも全く問題がないが、インスタンスダンジョンなどのコンテンツを楽しむにはパーティやレイドが必須となり、ソロは事実上不可能。

■コミュニティ

TERA:★★☆☆☆
Blade & Soul:★★☆☆☆
ArcheAge:★★★★★

Winner・・・ArcheAge

ギルドの効果が最も大きいのはArcheAgeだ。築城や造船などのコンテンツはギルドメンバーで協力して行うもので、コミュニティがなければそもそもArcheAgeは成立しない。勢力間の争いや第3勢力の発足もあるためコミュニティは重要視されている。逆を言えば、コミュニティに参加しなければゲームを楽しめない可能性もある。
TERAとBlade & Soulはダンジョンに行く固定パーティのためのギルドになりつつあり、ギルド単位で楽しめるコンテンツが不足している。

■エンドコンテンツ

TERA:★★☆☆☆
Blade & Soul:★★★☆☆
ArcheAge:★★★★☆

Winner・・・ArcheAge

エンドコンテンツに関してはTERAとBlade & Soulは似ており、ダンジョンを周回してアイテムファーミングをするタイプのものだ。レベルキャップが45の段階でかなりのダンジョンを追加したBlade & Soulは将来的にはどうなるか不透明だが、結局のところエンドコンテンツが不十分なことがサービス開始時ほどのシェアを現在まで維持できていないことからもうかがえる。
一方でArcheAgeは生活コンテンツと呼ばれる生産、農業、ハウジング、造船などが用意されている他、海底探索や宝探し、攻城戦、PvP、PKなど多くのコンテンツが用意されている。その先には自分たちの国を宣言し第3勢力を形成するというようなものまである。しかし、それらがまとまりに欠けているという指摘もある。
コンテンツの方向性はTERA・Blade&SoulとArcheAgeで大分違うようだ。

■ワールドマップ

TERA:★★★☆☆
Blade & Soul:★★☆☆☆
ArcheAge:★★★★★

Winner・・・ArcheAge

Blade & Soulのマップは美しいが全体的に狭く、クエストをするための「道」のように感じられる。
TERAのマップは広いが、探索要素が少ないためその広さを活かせていない。
ArcheAgeは東洋と西洋両方の要素がそれぞれ存在しており、隠しクエストや財宝、資源といった様々なものが広大で豊かな世界に散りばめられている。飛空艇(?)や船のような様々な乗り物に実際に乗ることができるのも良い。さらに、ArcheAgeの世界は非常にインタラクティブで、ベッドに寝たり、椅子に座ったり、街灯の明かりや燭台の火をつけたりけしたり、ボートを漕いだり、とにかく触れることができるものが多い。天候の変化や時間経過の存在も世界をよりリアルで生き生きとしたものにしている。

■ユーザーインターフェイス

TERA:★★★★☆
Blade & Soul:★★★☆☆
ArcheAge:★★☆☆☆

Winner・・・TERA

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同じNCsoftのAionの方が良いインターフェイスだと感じるBlade & Soulのインターフェイスは決して悪くはないが特に優れているとも感じない。
ArcheAgeは当初からインターフェイスの悪さが指摘されており、改修を重ねてはいるものの、細かい所には手が届いていない模様。唯一優れているのは、常に足元に表示される矢印で、クエストの目的地をコンパスのように指し示してくれる。
TERAのインターフェイスは基本が踏襲され、見栄えも良く、重ささえ考慮しなければ使い勝手が良い。サービス開始から現在までに何度か手が加えられ、便利さが増している。

■音楽

TERA:★★☆☆☆
Blade & Soul:★★★★★
ArcheAge:★★★★☆

Winner・・・Blade & Soul


TERAのサウンドトラックは壮大なファンタジーという感じがあまりせず、記憶に残るような曲がほとんどない。
ArcheAgeはコーラスが多様されていたり、歌手のOrigaが参加している曲もあったりと世界観には合っている。厳かで美しい音楽が多い印象。
Blade & Soulは日本人の岩代太郎氏が作曲した曲も使われており、オリエンタルなクラシック音楽と現代的な音楽が融合したバラエティに富んだサウンドトラックはBlade & Soulの世界観には適していると感じた。あくまでも個人的な意見なので参考程度に。

■料金

TERA:★★★★☆
Blade & Soul:★★☆☆☆
ArcheAge:★★☆☆☆

Winner・・・TERA

TERAは月額課金制から基本プレイ無料のアイテム課金制に移行したため、月額課金制の他の2タイトルよりも新規の参入障壁が低い。ただし、「ガチャ」はお世辞にも良いものだとは言い難い。
Blade & SoulとArcheAgeはハイブリッド課金で月額料金に加えてアバター等のアイテムが販売されている。

結果

TERA 4項目
Blade & Soul 7項目
ArcheAge 5項目

Guild Wars 2を筆頭にMMORPGは「第三世代」に突入しようとしており、RPGジャンル以外のMMOも増え、MOBAの人気が高まる中で従来の枠組みの外へ出ようとするゲームが増えてきたが、この3タイトルもそういった中の一つだと思われる。

これら3つの韓国産MMORPGを比較すると、TERAより新しいゲームであるBlade & SoulとArcheAgeが有利ではあるが、実際のところ項目の数ではずば抜けたゲームはない。
どのタイトルもそれぞれの良さを持ちながらも、割とクリティカルな欠点も持っているために、TERAがそうであったように賛否両論となることはほぼ間違いなさそうだ・・・。

筆者の個人的な意見としては、Blade & Soulはどこまで今後のコンテンツを実装した状態で出てくるかにもよるが、サービスインからしばらくは、キャラクターの見た目と戦闘の楽しさのおかげでそれなりに高い人気を維持できるが、その後はゆるやかにプレイヤー数(課金者数)が下降するのではないかと予想する。

ArcheAgeは「裁判」「無法者(海賊)」「PK」が果たして日本でどの程度受け入れられるのかが難しいところだ。
ギルドで船を作ったり、城を建てたりするのは好まれそうだが、上記のようなものが許容されないと厳しいかもしれない。また、TERAやBlade & Soulほどキャラクターの外見が日本人好みでないという懸念も。

TERAは今後「連盟」という大陸間の勢力争いが鍵となる。無料化で新規参入したユーザーや復帰したユーザーを繋ぎ止めておく策を用意できるかどうかにかかってきそうだが、実装時期が被りそうなFF14にユーザーを奪われそうな予感がする。
しかし、TERAのようなゲームを無料でプレイできることの強みは大きい。

日本サービスの成否については結局のところFF14次第のような気がするが、最初のテーマに戻って結論付けると、
コミュニティ性の高さとMMOらしさと生き生きとした世界を望むならArcheAge、自分好みのキャラクターを作って派手な戦闘とストーリーを楽しみたいならBlade & Soul、ノンタゲMMORPGで無料にこだわるならTERAだ。
筆者の個人的な予想では、日本においてはBlade & Soulが一歩リードするのではないかと考えている。ただし、現在の韓国サーバーの様子を見ているとBlade & SoulもArcheAgeもあまり奮わない可能性がある。

「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」はもちろん、「黒い砂漠」や「Dragon’s Prophet」「The Elder Scrolls Online」「BLESS」といったMMORPGも待ち構えており、2013年以降の覇権争いは激化しそうだ。

基本事項の比較

TERA Blade & Soul ArcheAge
日本パブリッシャー NHN Japan NC Japan GameOn
デベロッパー Bluehole Studio Team Bloodlust XLGames
ジャンル MMORPG MMORPG MMORPG
韓国サービス開始 2011年2月 2012年7月 2013年1月
料金形態 定額制(サービス開始当初)
基本プレイ無料(2013年~)
定額制 定額制
ゲームエンジン Unreal Engine 3 Unreal Engine 3 CryENGINE 3
韓国におけるレーティング 18禁 18禁 18禁
推奨動作環境(CPU) Core 2 Duo E6750
Athlon 64 X2 6000+
Intel Quad Core
Phenom II X4
Intel Core i5
推奨動作環境(GPU) GeForce 8800GT
Radeon HD 3870
GeForce 8800GT
Radeon HD 4850
GeForce GTS250
Radeon HD 4850
DIrect X 9.0c 9.0c 9.0c / 11
選択可能種族数 7種 4種 4種
職業数 8種類 6種類 10種類から3つ選択
世界観 西洋ファンタジー 東洋ファンタジー 西洋&東洋
ターゲット方式 フリーターゲティング オートターゲティング クリックターゲット
マウス操作とカメラ 常に追従 常に追従 クリックしてカメラ操作

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