『JRPG』が復活した6つの理由と10年前に指摘された10の問題点

業界

海外メディアのTHIS IS GAMEは、「JRPGが再び成功した6つの理由」という記事を公開している。

「JRPG」は、主に日本のロールプレイングゲームを指し、固定されたストーリーと予め設定されたプレイヤーキャラクター、複数のキャラクターから構成されるパーティ、ストーリーを重視しているといった特徴がある。

「JRPG」という言葉は10年程前はネガティブな意味で使われることも多かった。

「ファイナルファンタジー14」のプロデューサー兼ディレクターであるスクウェア・エニックスの吉田直樹氏は、海外メディアのインタビューで次のように語っている。

吉田直樹プロデューサー:
我々日本のゲームクリエイターにとって、(JPRGという言葉を)初めて聞いた時は差別用語のように感じました。あたかも、我々がこのようなゲームを作ったことを馬鹿にされているかのように、一部のクリエイターにとって「JRPG」という用語は、過去の出来事のせいで嫌な感情を呼び起こすかもしれません。

「JRPG」という言葉は日本の多くのゲームクリエイターにとって、褒め言葉ではありませんでした。最近ではJRPGの意味合いも良くなり、ポジティブなものとして使われるようになっているのは理解していますが、ネガティブなものとして使われていた当時のことをまだ思い出します。

https://kotaku.com/ff16-yoshi-p-jrpg-square-enix-yoshida-previews-ps5-1850169822

評価が変わりつつある「JRPG」

しかし、近年リリースされた”JRPG”は高い評価を得ているものも多く、「JRPG」に対する評価は変わったといっていいだろう。以下はその一例である。

  • ペルソナ5
  • ニーア オートマタ
  • ドラゴンクエスト11
  • ゼノブレイドシリーズ
  • オクトパストラベラー
  • ファイナルファンタジーVII リメイク
  • テイルズオブアライズ
  • 龍が如く8
  • グランブルーファンタジー リリンク
  • ペルソナ3 リロード
  • ファイナルファンタジーVII リバース
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10年以上前に指摘された「JRPGの直すべき点」

20年以上前に「ファイナルファンタジー」「ポケットモンスター」「キングダムハーツ」などが海外でも熱狂的な人気を得たが、2010年頃から『JRPG』は欧米で否定的な評価を受けるようになる。

当時、「Neverwinter Nights 2」「エルダースクロールズIV:オブリビオン」「フォールアウト3」「マスエフェクト」といったRPGや、「World of Warcraft」などのオンラインRPGが世界的な人気を得る中で、グローバル市場に投入されたJRPGタイトルはこれらとは真逆のゲームデザインだった。「『いいえ』を選んでも、『はい』を選択するまではストーリーが進まない」と批判された。

2010年にアメリカの大手メディアIGNが公開した「Top 10 Ways to Fix JRPGs JRPGを直す方法トップ10)」という記事がある。10年前に公開されたその記事では次の点を「修正するべき」だと指摘されている。

  • いつも同じようなターン制の単調な戦闘
  • 典型的なストーリー展開
  • 特定の場所でしかセーブできない
  • オンライン要素の不足
  • 海外版声優の問題
  • 過去にどこかで見たような陳腐なキャラクターデザイン
  • 直線的な進行(自由度の無いマップ)
  • 古典的な会話演出(キャラクターの画像とテキストボックスの組み合わせ)
  • プレイ時間稼ぎのための使い回し(これをやりこみ要素だと言い張る)
  • 活気のない世界(NPCがただ家の中に『置かれている』だけ)
Top 10 Ways to Fix JRPGs - IGN
If you've played a JRPG recently, you might have noticed that some games still conform to the standa...

JRPGが復活した6つの理由

1.グラフィックと演出のクオリティ向上

2000年代中盤に日本のメーカーはDSやPSPのような携帯ゲーム機用ソフトに注力したことで、最先端のグラフィック技術は欧米の一流メーカーに大きく遅れを取っていた。

しかし近年、日本のゲームメーカーは独自の強みを活かす形でクオリティを向上させ、JRPGにしかない映像面の魅力を引き出すことに成功した。

水彩画のようなタッチで実装した「テイルズオブアライズ」

また、ペルソナシリーズ等は、古典的な方式のゲームシステムながら、ユーザーインターフェイスは欧米のゲームではほとんど見られないようなスタイリッシュで鮮やかなものを実装し、さらに戦闘はターン制のコマンド方式ではあるものの、スムーズなUIと画面効果の相乗効果で、流れるように行われる。

ペルソナ3 リロードの戦闘画面

10年ほど前、「古臭く低クオリティ」と評されていたJRPGの映像表現は、「JRPGにしかない独自の魅力」へと変わった。

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2.システムの発展

それまでターン制戦闘を採用していたシリーズをアクションにする作品もあれば、従来のコマンド戦闘をさらに発展させたタイトルも存在する。

龍が如くは7からターン制の戦闘を採用したが、8では戦闘中に一定範囲内なら移動でき、近くに落ちている物を拾って攻撃できるというシリーズおなじみの要素を取り入れた。また、敵を味方がいる方向にノックバックさせると、味方が連携攻撃を発動するなど、コマンドを選ぶだけではないターン制戦闘に進化させた。

ファイナルファンタジーVIIリメイク3部作の戦闘は、アクションとコマンドのハイブリッドである。

2010年代前半にも、既存の枠組みに新たな仕組みを導入しようとする動きはあったが、中途半端で上手くいかないものも多かった。

しかし、ノウハウの蓄積や他ジャンルからの影響、さらにはハードウェアの進化などもあり、最近はこの部分が大きく改善されたようだ。

3.利便性の向上

以前に指摘されていた「JRPGの理不尽さ」が解消され、利便性が飛躍的に向上した。

かつては決められた場所でしかセーブできないゲームがほとんどだったが、最近はオートセーブを実装したり、メニュー画面からセーブができるJRPGも増えた。

また、やり込みを強制するようなJRPGも減ったと言われている。ボスが強すぎて、一定の強さになるまで作業のようにレベリングしなければならないゲームはほとんど見られなくなった。

ユーザーインターフェイスは機能面でも快適さの面でも改善された。以前は、メニューを開くのにやたらと時間がかかったり、レスポンスが悪いゲームも多く、装備を変更したり何かとメニュー操作の多いRPGではフラストレーションの原因になっていた。

JRPGが力を入れるストーリーの部分でも、用語解説や人物相関図、人物紹介といったものが用意されたり、過去作のあらすじがわかるような仕組みが導入されていたりと、プレイヤーへの配慮が随所に見られる。

FF16の「アクティブタイムロア」

4.積極的なローカライズ

数年前までは、まず日本でリリースし、その後しばらくしてから海外でリリースするというJRPGがほとんどだった。ガラパゴス化していたJPRGは、まず日本で売れなければ海外などもってのほかだという考えが主流だった。

しかし、最近ではJRPGであっても、開発段階から海外展開を考慮し、当然のように全世界同時発売されることが増えた。

さらに、グローバル市場で想定外の議論を引き起こしかねないような冗談やイベントは、開発段階からローカライズ担当者が検証して修正するようになった。

2024年にリリースされた「ペルソナ3 リロード」では、原作におけるトランスフォビアと思われかねない会話シーンを削除して別のものに置き換えている。

Persona 3 Reload Does Away With The Original’s Transphobia
The remake retools an old scene without devolving to trans panic

龍が如くの横山昌義プロデューサーは、「龍が如くの一作目を発売した時に日本では普通だとされていた表現が今では許されない。脚本を書いた後、ヨーロッパとアメリカの担当者にまず見てもらい、現地で容認されない内容があれば教えてもらう」と述べている。

また、海外版の声優に関しても改善され、吹き替え音声の演技が酷いと言われることも減ったようである。

▼かつての酷いローカライズの代名詞だった「All Your Base are Belong to Us

5.日本文化に対する理解の深まり

バンダイナムコのローカライズ担当者はJapan Timesのインタビューで「ラーメンをヌードルと翻訳する必要がなくなった」と語った。

Netflix等の配信サービスを通じ、アニメを中心に日本の様々なコンテンツが世界的な成功を収めたことで、日本のアニメスタイルのゲームに対する拒否感が以前よりも遥かに少なくなったと言われている。

日本の文化自体が受け入れられるようになり、以前なら日本国内のみを主なターゲットとしていたゲームでも、グローバル市場で成功することが可能となった。

JRPGではないが、「Ghost of Tsushima」や「SEKIRO」「RISE OF RONIN」など、日本を舞台とした世界設定でグローバル市場での成功を目指せるAAAタイトルも多く見られるようになった。

6.ファンを裏切らなかった(自分達の色を捨てなかった)

THIS IS GAMEは、JRPG復活の最大の要因は、変化を図りつつも自分達の個性を捨てなかったことにあるという。

2010年代にオープンワールドゲームが流行したが、グローバル市場での成功のために、全てのJRPGが似たようなオープンワールド構造を採用したりせず、また、キャラクターデザインを欧米市場での好みに合わせるわけでもなかったことが、今日のJRPG復活に繋がった。

JRPGのディレクターは常に「既存のファンの期待を裏切らないように努力している」というコメントを忘れないという。

また、「王道的」だと批判されるストーリーだが、物語の全体的な枠組みは結局クリシェに帰結すると言われることもあり、王道的というのは裏を返せば、それだけ大衆性があるという見方もある。

THIS IS GAMEは、JRPGは「キャラクターを安易に消耗させず、(物語から)退場させてもしっかりとした礼儀をわきまえている」と評価している。

特にJRPGにおけるキャラクターの『死』の扱いは注目すべき点だという。

JRPGのストーリーに関して、敵対していた悪役も「実はこいつもいいヤツだった」で仲間に加えたり、キャラクターの死を巧く表現しようとしないため、ストーリーがつまらないと言われ、欧米で批判されがちだという。

しかし、その代わりにJRPGでは、前作の主人公を突然退場させて嘲笑うようなことは絶対にないとのこと。

また、「一本道」と批判される進行についても、無条件にダメとは言えないという。仕事を終えてから少しゲームを遊ぶ分には、リニアなゲームの方が楽しいと感じることもあると言われている。

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“ゲーム市場は冷たい”

同サイトのライターは、JRPGの復活を「マイルストーン」だとした上で次のように締めくくった。

ゲーム業界のトレンド変化は言葉で表現できないほどに速いです。流れをきちんと把握できなければ、ゲーマーたちから「古いゲーム」という評価を受け、惨めに失敗する可能性もあります。ゲーム市場は冷たいです。

引用元: THIS IS GAME

コメント

  1. 匿名 より:

    糞外人どもの手のひら返しかPS3時代の和ゲーへの人種差別まがいの中傷はほんとひどかったなあの頃の批判が今のほとんどの洋ゲーに当てはまるのが皮肉だね

    • 匿名 より:

      糞外人wwwって言葉が低能を表すからやめたほうがいいよ。
      文字だけだと受け取る側で変わるからね。

      海外の意見も聞くとこは聞かないと市場である以上ニーズや感性も重要な参考材料。
      ものつくりをしたことない人には、わからんだろうけどね

      • 匿名 より:

        ゴミ以下のアクション戦闘
        ポリコレLGBTまみれの陳腐な脚本
        ブサイクだらけの吐き気を催すキャラデザ
        マーカーを追いかけるだけの退屈な探索
        フォトリアル一辺倒で多様性のない絵面
        プレイ時間水増しのサイドクエスト地獄
        マイクロトランザクションだらけのあこぎな販売姿勢

        洋ゴミメーカーも客の意見をちゃんと聞いて改善したほうがいいぞこれらの問題に一番キレてるのほかならぬ海外のゲーマーだからなw

        • 匿名 より:

          ソダネー^^
          論点は日本のゲームだからね
          論点ズラして和ゲー洋げーを絡めないでね

      • 匿名 より:

        こういう稲船敬二みたいな馬鹿ってまだいるんだな糞外人の戯言を聞くのをやめて日本が日本らしいゲーム作りに回帰した結果が今の成功なのに

        • 匿名 より:

          バルダーズゲート3に美化modが人気あるのが答えでメーカー側がポリコレを理由にゲーマーの意見を無視してる結果なんだよね。
          だからこそ愛想つかされてるし、つまらなくなってきてる。

  2. 匿名 より:

    Steamでも売るようになったからの一言でまとめられる気がする

  3. 匿名 より:

    洋ゲーがイキってたのはほんと短い間だけだったな

  4. 匿名 より:

    どうせFFオフゲリメイクするならFF6やFF10にして欲しかったなあ

    動画配信流し見・飛ばし見するにしてもその方が見応え有った

    7関係は流石にもう飽き&食傷気味だし配信見る気も起きないな

    • 匿名 より:

      野村がFF10-3とかちょろっと口に出した事もあったから悪い意味でそっちに舵取るかもね
      後FF6はFF7R+R2の2倍は時間がかかると北瀬が発言しているからやりたくないんだろうね

    • 匿名 より:

      スーファミ時代のはピクセルリマスターくらいが丁度いいんじゃないか
      キャラやマップを今の水準で3Dリメイクしたらなんぼ時間あっても足りなそう

  5. 匿名 より:

    でも去年一番評価されたのはバルダーズ・ゲート3じゃん

  6. 匿名 より:

    というかFF16は評価の高いゲームには含まれないんだな
    メタスコア87点でGOTYの部門賞とれるほどのゲームでも駄目なのか

    • 匿名 より:

      冒頭で挙げられてるゲームリストが元記事にはないから管理人が主観で選んだんじゃないか
      メタスコア基準だと16以下のもいくつか入ってるし

  7. 匿名 より:

    当時はオープワールドゲー全盛期だからJRPGの一本道とターン戦闘が外人どもから滅茶苦茶叩かれまくったけどオープワールドゲーが市場に溢れて飽きられた結果今じゃレールタイプのゲームやターン戦闘も悪くないとか言ってんのがほんと糞去年のBG3のターン性だったしな
    やっぱ糞外人の言うことなんて聞かなくていいわ

  8. 匿名 より:

    ただ単に外人に媚び売りましたってだけじゃん。偉そうにいう話かこれ

  9. 匿名 より:

    FF13はガチの一本道だからしょうがない

  10. 匿名 より:

    日本でも15年ぐらい前は洋ゲー被れが猫も杓子もオープンワールドにしろオープンワールドにしろって煩かったな
    オブリもポケモンも大神も楽しんでた層としては溜飲が下がる時代だよ

  11. 匿名 より:

    あと一か月でドラゴンズドグマ2が発売するけど当時スカイリムと比較されてボコボコに酷評されたドグマが今年のGOTYとったら最高にスカっとするだろうなw

    • 匿名 より:

      とはいえ大半の日本人がGOTYとか興味ないからこそJRPGというガラパゴス化だけど

  12. 匿名 より:

    エルデンのDLCが一番期待されてるけど
    DLCってGOTY獲れないの?

  13. 匿名 より:

    コンシューマー以外つまらんのは変わってないけどね

  14. 匿名 より:

    銃ゲーに飽きてきただけじゃねーの?

  15. 匿名 より:

    海外は人かモンスター撃つFPSしか作れないのに何様なんだろうか
    これこそ陳腐だよ

  16. 匿名 より:

    FF7リバースの高評価を受けて書かれた感じかね
    木曜24時頃にメタスコア発表されてTHIS IS GAMEがこの記事出したのが金曜の昼だから

  17. 匿名 より:

    インディーズで結構売れてるゲームとか
    JRPGや古い日本のゲーム踏襲してるものが多いでしょ

  18. 匿名 より:

    和ゲーが復活ならなぜSEGAは鳴かず飛ばずなんですかっ

  19. 匿名 より:

    え、ごめん復活も何も覇権とってた時期あんの?

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