2026年のゲーム業界は『ゲーム開発における生成AI利用の是非』が大きなテーマとなりそうだ。
生成AIで作ったアートは「癌」
『Manor Lords』のパブリッシャーとして知られるHooded Horseは、生成AIを使用している開発会社との協力を拒否することを明らかにした。

Hooded Horseのティム・ベンダーCEOは、「AIアートは本当に嫌いだ。いろんな意味で生活が苦しくなった。突然、AIが本来あるべき姿とは違う形で蔓延し始めた。」と述べている。
ベンダーCEOは「生成AIを使用したアートは『癌』」だと指摘、「プロトタイプ版の仮素材として生成AIアセットを配置するだけでも、見落としてしまえば製品版に紛れ込むリスクがある」と述べた。
バルダーズゲート3開発会社のCEO「生成AIアートは使わない」
『バルダーズゲート3』や『Divinityシリーズ』で知られるLarian StudiosのヴィンケCEOは、自身のXアカウントで生成AI使用疑惑について釈明している。
The Game Awardsで発表された『Divinity』の最新作で、コンセプトアートに生成AIで作成したものを使用しているのではないかという疑惑がファンの間で広まった。

これに対し、ヴィンケCEOは「アーティストをAIで置き換えるようなことはしない」と否定。また、Larian Studiosにいる72人のアーティストのうち、23人がコンセプトアートを担当していると明らかにした。
Larian Studiosではアートは全て人間が制作しており、クリエイターを才能で評価して雇っているという。
一方で、AIツールを全く使わないわけではなく、作業を楽にするような部分では利用する方針を示した。
積極的なAI導入も
一方で、積極的に生成AIを利用するゲームメーカーも多く存在する。
大ヒット作にも生成AIが使用されいてる
大ヒット中の「ARC Raiders」では、キャラクターボイスに生成AIを使用しており、AIを活用した音声合成システムによって、状況に応じて音声を生成している。
ただし、この音声合成に利用されているのは、開発会社がAI利用で契約した声優の声であるため、権利の部分で問題はないとされている。

サイゲームスがAI開発会社を設立
「ウマ娘プリティーダービー」や「グランブルーファンタジー」などで知られるサイゲームスは、『Cygames AI Studio』を設立したことを発表。
エンターテインメント産業における最高のAI研究・実装・運用組織を目指しており、クリエイターが安心・安全に利用できるAI技術を追求していくという。
国内では、スクウェア・エニックスが生成AIでQA工程の70%を自動化することを発表しており、2027年の実装を目指している。

韓国ではさらにAIの導入に対して積極的
「PUBG」などで知られるKRAFTONは、『AIファースト』を掲げており、AI中心の経営体系を本格化すると2025年10月に発表した。
KRAFTON社内でAIを積極的に活用し、AI導入で確保した時間とリソースを新作開発・革新プロジェクトに再投資する方針を示している。
「勝利の女神:NIKKE」や「ステラーブレイド」の開発で知られるSHIFT UPのキム・ヒョンテ代表は、「莫大な人材を使ってゲーム開発を繰り広げる中国に対抗するには、AIを土台に1人が100人分の役割を果たせるようにしなければならない」「新しい世代はAIを自然に受け入れている。AIが若い世代の未来であり、産業に使われる新たなビジョンになると考える」と述べている。

ソウルライクゲーム「Lies of P」のパブリッシャーであるNeowizのショーン・キムCEOは、「何らかの形でAIを活用していないゲーム会社を見つけるのは難しい」とし、「AIの活用により、専門チームはより迅速に業務を遂行し、パートナー企業とのコア戦略の洗練に注力することで、プレイヤーエンゲージメントを最大化できるようになります」とAI導入に肯定的な意見を示した。

「ブルアカ」キム・ヨンハ氏の考え
ブルーアーカイブ等の開発で知られるNexon Games IO Divisionのキム・ヨンハ本部長は、「AIを広く使用している」と述べた一方で、生成AIを無分別に使用した結果、製品の品質が低下する「AIスロップ」を懸念している。(AIスロップとは)

またヨンハ氏は、生成AIは「意思や人格を持たない模倣装置」だと表現し、これに開発を依存しすぎると、「果たしてそこにクリエイターの魂は込められているのか?」という疑問を持つことになると指摘した。
現時点では、生成AIは以前になかった新しいものを自ら提案する能力が不足していたり、特定の分野は専門家のように答えるが、常識的な領域でも意外なほど酷い答えを出したり、ハルシネーションを起こしたりするなど、一貫性に欠ける部分も問題だとした。
その上でヨンハ氏は、「『全員が業務にAIを使おう!』といった一律的な導入ではなく、適用範囲や活用方法を限定し具体的に定めた上で導入すべきだ。」との考えを示した。

ユーザー間で高まる生成AIへの否定的な意見
ゲームメーカーの生成AI利用に対する消費者の反応は非常に否定的なものが多い。
バトルフィールド6内で生成AIを使用したと思われるイラストが次々に発見され、批判を集めている。
カスタマーサポートにAI→ハルシネーションを起こす
韓国産のスマートフォンゲーム「STAR SAVIOR (スターセイヴァー)」では、カスタマーサポートの問い合わせにAIのチャットボットを使用していたが、このAIがハルシネーションを起こし、異常な回答が返ってきたことが騒動となった。
STAR SAVIORに登場する「ターニャ」というキャラクターが、ゲーム内では虎を連想させ、関連グッズでは狼を連想させる描写があったため、ユーザーの1人が「ターニャの種族は何なのか」を運営に問い合わせたところ、AIチャットボットから「たぬきの獣人」という的はずれな答えが返ってきたという。
ゲームの運営会社がAIを安易に利用していることが露呈した一件である。


先述のサイゲームスのAI関連子会社の件でも、既に批判が殺到しており、創造性が重視されるアニメ・ゲーム業界で生成AIを積極活用することへの拒否感が消費者にあるのは明らかだ。
「著作権法で保護されない」
アメリカ合衆国著作権局(USCO)は、生成AIを利用した著作物は、著作権法によって保護されないとの見方を示している。
一方で、創作過程に人間が関与しており、その貢献が著作者としての資格を満たす限りにおいて、作品は著作権で保護されるとも説明されている。

2026年はゲーム業界の生成AI利用における従業な局面となりそうだ。




コメント
AIって言葉自体にアレルギーを持つ人間が多すぎる
いわゆる画像生成AIに関してはあれこれ問題も起きてるけど、
AI=画像生成AIではない、もっと多種多様なAIがあるという点だけはみんな知っててほしいよなぁ
AI=詐欺
こういう奴な。そりゃ詐欺のAIしか知らんからだよ
強力な上に不完全な技術の過渡期だから議論は続くだろうね
AIは模倣は出来ても創造は出来ない点もゲームおいては懸念点だろうね
”強力な上に不完全な技術”マジでこれ。
擁護派(信者は勿論何も考えていない奴を含む)にせよ否定派(ほぼアンチで構成される)にせよリスクとベネフィットを正しく理解出来ている奴が少な過ぎるねん。流れが完全にブロックチェーンのそれと同じ
絵と音楽はAIは無しでしょ
著作権を主張出来ないし
インディーみたいな所なら良いけど
プログラムにAI使うのは有りだとは思うけどね
面白ければAIかどうかなんて気にせんわ
作る人、遊ぶ人としてはそうだが、売る人としては法的リスクが有りすぎ
それに、絵、音楽に関してはAI任せという事は、そこに関して力があるわけじゃないって事だからな
ゲームメーカーとして見た時には魅力が無くなる
少なくとも日本ではAIを使用したことによる特別な法的リスクは無いはずだが
良い作品に人間もAIもないと思いますよ。
そもそも、AIもまだ完成しているわけではありません。
少なくとも、
「完成品」は、誰が見ても”良い”と感じるものだと思いますがね。
流石に言い過ぎ。誰が見ても良いと感じるのが完成した技術と言うなら、世の中に完成した技術など存在しないのではないか
日本ではいまだに「無能無産な俺がクリエイターに慣れる夢の技術」みたいな論調だけど
そんな考えの人間よりはAIの方が価値があるのは間違いない