「運営型オープンワールドゲームにゲーマーは飽き始めている」「MMOと同じ運命を辿る」海外メディアが指摘

モバイルゲーム

2020年にリリースされた原神の大ヒット以降、中国や韓国で多数の運営型オープンワールドRPGが作られている昨今だが、中国メディアは、ユーザーの心境の変化とこの手のゲームが抱える問題点を次のようなタイトルで紹介している。

プレイしていて疲れるし、「作業感」が強すぎる”
ソシャゲユーザーはもはやオープンワールドゲームを求めていないのだろうか?

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オープンワールドの「魔法」が解けかけている

中国のあるゲーマーが次のように投稿した。

初めて遊んだオープンワールドアニメゲームは『原神』でした。
当時は探索意欲がすごくあって、始めたばかりの頃は本当に夢中になりました。特にドラゴンスパインのあたりはちょっとしたサバイバルゲームを遊んでいるような感覚もありました。

その後『鳴潮』を始めてみると、探索自体はかなり楽になってるし、宝箱の報酬も豪華になっていました。新しいマップも追加されました。でもなぜか探索したいという気持ちがまったく湧かなくなったのです。

宝箱を開けても驚きや達成感がなくて、『原神』の頃と同じようにマンネリ化してしまいました。デイリーを終えたらログアウトするだけ。たくさんガチャを回して欲しい新キャラを引けたとしても、その新キャラでデイリーを消化し続けるだけで、結局またすぐ飽きてしまいます。

キャラクターの演出やストーリーの特殊効果は確かによく作り込まれていてクオリティが高いと思いますが、このゲームのどこが面白いのか分からなくなってしまいました。同じことの繰り返しが多すぎます。

たぶん自分はオープンワールド系ソーシャルゲームは飽きてしまったんだと思います。

昔は「箱庭系ゲームは自由度が足りないからオープンワールドをやりたい」と思っていましたが、今ではむしろ箱庭系ゲームの方が上手く作られているように感じます。

ゲーマーは「運営型オープンワールドRPG」に飽き始めている

2020年にmiHoYoが『原神』をリリースした当時、スマートフォンで遊べるオープンワールドRPG自体が珍しく、相対的に他のゲームよりクオリティも高く、大量の新規ユーザーが流入した。

しかし、そこから6年が経ち、他のオープンワールドRPGも幾つかリリースされたが、ゲーマー達は魔法が解けたようにこの方式のゲームに飽き始めており、中国でも「プレイしていて非常に疲れる」という声が後を絶たないという。

熱狂は明らかに冷め出しており、かつてのMMORPGが2000年代のブームを経た後、徐々に衰退を迎えていった時のようだと喩えられている。

🔧その原因には、これらの運営型オープンワールドRPGが抱える『根本的な欠陥』があるという。

長年運営型オープンワールドゲームを遊び、人々がその構造を理解するに連れて、根本的に抱えるゲームデザインの問題に気づき始めたのだ。

オープンワールドが提供する「真の自由度」がない

オープンワールドゲーム最大の魅力はその自由度の高さにある。

アクションアドベンチャーなど、一本道のゲームと違い…
  • ゲームの進め方をプレイヤーが選択できる
  • ストーリーの展開を左右する決定ができる
  • メインストーリーを無視して寄り道
  • 自由なキャラクタービルド
  • 悪人のように振る舞うことができる
  • 探索によって手に入れた強力なアイテムや武器で敵を圧倒する

しかし、運営型のオープンワールドRPGではそのような自由度は提供されていない

プレイヤーごとにストーリー展開が違ってしまっていると、アップデートで追加される新たなストーリーの整合性が取れなくなるため、ストーリーは一本に収束させなければならない。

運営型オープンワールドでは、プレイヤーは微妙に違う道を辿ったとしてもストーリー的には必ず同じ地点に集合し、物語上の立場も固定されている。

運営型オープンワールドRPGには「プレイヤーが世界に介入して自分だけの体験を作れる自由」が圧倒的に不足していると言える。

📌運営型オープンワールドRPGのゲームデザインは決して自由度が高くない。

オープンワールドではなく「ジオラマ」と化している

『スカイリム』や『ゼルダの伝説:ブレス・オブ・ザ・ワイルド』のような本来のオープンワールドゲームでは

  • あの洞窟には何がある?
  • 向こうの山に行ったら何が待っている?
  • あの町ではどんな出会いがある?

といった「好奇心が探索の動機づけになっている。

探索からさらにストーリー展開が始まることもあり、プレイヤーに未知のものを見つける楽しさを提供する。

一方で、運営型オープンワールドゲームは

  • キャラ育成素材はここに行けば手に入る
  • キャラ育成のために倒すべき敵はこのあたりにいる
  • 最高効率で素材を集めるルートは~
  • 宝箱を全部開けて探索率を100%にしなければ

という目的ありきの動機になりがちだという。

冒険する世界というより「見学」「鑑賞」するための世界

運営型のオープンワールドゲームを長期的に遊べば遊ぶほど、プレイヤーがその本質的なゲームプレイ構造を理解し、探索の動機が「好奇心」でなくなっていく。

Skyrimやフォールアウトのように何があるかわからない場所へ行って遭遇や発見そのものを楽しむのではなく、『目的達成』のためにオープンワールドを移動する。

GameLookはオープンワールドRPG『鳴潮』のオープンワールドについて、「電子盆景」と化していると指摘した。

鳴潮は、バイク移動や飛行、宝箱位置表示などをアップデートで追加していったが、これらは全て「探索を楽にさせる方向の変化」だ。

これらは目的地により容易かつ迅速に到達できるようにし、プレイヤーの負担を軽減する理由の方が大きい。

オープンワールド探索がコンテンツとして機能しておらず、プレイヤーは「目的地に仕方なく移動しなければならない」と感じるが、その過程を可能な限り短くしようとしてるのだ。

プレイヤーはそこでこのような疑問が生まれることになる。「オープンワールドである必要があるのか?🤔」と。

電子盆景、ジオラマ、即ち、「鑑賞」するだけの世界だと指摘しているわけだ。

オープンワールドゲームならではの探索や発見、プレイヤーによる介入の価値が弱まり、マップの景観を鑑賞する価値だけが残った状態。そこを舞台にストーリーが展開され、敵や宝箱が配置されているだけなのが運営型オープンワールドRPGの実情と言えるだろう。

本当に価値があるモノは手に入らない

運営型オープンワールドRPGは「ガチャ」を主要な収益源にしているがゆえに、本当に価値を感じるものを探索で得ることができない。

買い切り型のオープンワールドRPGでは探索やクエストによって

  • 強力な装備
  • 新たな能力・魔法
  • 新たな仲間

といったものが得られるが

運営型オープンワールドRPGの探索で手に入るのは

  • 経験値素材アイテム
  • ゲーム内通貨
  • 育成素材
  • わずかなガチャ石

が関の山だ。

本当に貴重なものをオープンワールド探索の報酬にできない

🎁オープンワールドに置かれた宝箱から最高レアリティの武器が出るようにしてしまうと、武器ガチャを回す人がいなくなってしまう。

🗑️だから中身は「当たり障りないもの」に限定される。

1回分のガチャすら回せない塵のような報酬が入った宝箱をたくさんマップに配置する。買い切り型のオープンワールドRPGの名作と比べると、時間をかけて得られる報酬の価値が違いすぎるわけだ。

宝箱の見た目は豪華だが中身はしょぼい

従来のオープンワールドゲームは…
  • 探索したいという好奇心
  • 宝箱を偶然見つける
  • 中に強い装備や貴重なアイテムが入っている
  • 驚きと喜びから次の探索へのモチベーションになる

という設計になっているが

運営型オープンワールドゲームは…
  • 開ける前から宝箱の中身がわかりきっている
  • ガチャを回すためにガチャ石が欲しい
  • 宝箱を開けないと損
  • オープンワールドで(場所がほぼわかっている)宝箱を探す
  • 大したものは入っていない

プレイヤーのモチベーションを喚起されるような報酬設計になっていないことがわかる。

ある中国のプレイヤーは「偽物のオープンワールド」だと表現している。

いったいどこのオープンワールドゲームにガチャを引く石を集めるための宝箱探しに時間を費やす人なんているんだろうか?

ガチャでキャラクターを売るビジネスモデルとの相性の悪さ

ストーリー制作にリソースを取られがち

『ガチャでキャラクターを売る』ことが最大の収入源となっているため、運営型オープンワールド、特にアニメ調のものはストーリーに力を入れざるを得ない。

プレイヤーがキャラクターと感情的な繋がりを築く上で、最も迅速で効果的なのがストーリーだと考えられているからだ。そしてそれが💰️ガチャの売上にも大きな影響を与える。

開発会社のリソースは限られているが、メインクエストやカットシーン等、ストーリー関連のコンテンツにかなりの重点を置く必要があり、莫大な開発リソースが必要なオープンワールド開発に注力しきれない。

その結果、オープンワールドがコンテンツとして中途半端で味気ないものとなる。景観は美しいが、そこでやることは奥深いとは言えない。

また、普通のRPGは世界を冒険する中で新しいキャラクターと出会い、ストーリーの展開次第で仲間になってパーティに加わる。

しかし、運営型のオープンワールドRPGはガチャで引ければパーティに加わるが、そうでなければ単にクエストに登場する人物の一人でしかない。

このような仕組みゆえに、「ガチャ石を手に入れること」が運営型オープンワールドRPGで最も重要なことになってしまい、さらに好奇心を動機とするオープンワールド探索からかけ離れていく

ライブサービスゲームは「同じ事が繰り返される」

買い切り型のオープンワールドゲームは

  • 「1回限りの体験」の連続
  • 同じように感じる体験の重複を避ける
  • 新たなセーブデータを作らない限りキャラクターの育成も冒険も1回
  • その1回が楽しければゲームとして成功

運営型オープンワールドゲームは

  • 何年も遊び続けてもらうためにアップデートを重ねる
  • 宝箱やパズルギミックも新たに追加される
  • 新マップが追加されても「また宝箱探しか」となる
  • 新マップでの素材集めも本質的には以前のマップと同じ体験

運営型では最終的に探索が意味を失う

同じゲームプレイを繰り返すことは、プレイヤーに強い疲労と飽きを感じさせる。

初めて新しい場所を訪れた時には感動があるがそれは一瞬のみ。

サービスを続けなければならない運営型ゲームではアップデートで新たなマップが追加され、オープンワールド探索が実装される。

運営型ゲームのアップデートで新マップが追加された時、プレイヤーは実質的に「探索の2周目」をやらされているような感覚に陥る。前と少し違う似た探索をするだけだ。

📌買い切り型ゲームでは2周目は強制されない。探索を楽しんでストーリーを進めてエンディングを迎えればそこでゲームが終わるからだ。

先述した通り、運営型オープンワールドゲームでは報酬面でその探索には大した価値がない。

これもまた、年月を経るにしたがってプレイヤーが飽きてしまう要因の一つだ。

このような状況が繰り返されると、プレイヤーはもはやマップ探索だけでなく、目的地に移動することすら面倒になってしまい、メニューからワンクリックで報酬を手に入れられることを求めるようになる。これが運営型オープンワールドゲームの欠陥と言えるだろう。

「時間がかかる」ことへの拒絶

昨今では、スマートフォン利用時間の40%は動画視聴が占めているという。

これはゲームの5倍以上にあたる。

YouTubeやTiktokなどがユーザーの可処分時間を奪っている状況にあり、長時間の没入を必要とするオープンワールドゲームは現在の環境に適合しづらいという。

かつてのMMORPGと同じ兆候

MMORPGは2000年代、莫大な時間投資が必要なゲームデザインだったが、それでも他の人とオンライン世界を共有できること自体に価値があったため、爆発的な人気を得た。しかし、「時間がかかりすぎる」という理由で忌避されるようになっていった。

運営型のオープンワールドRPGも同様に、以前は珍しさや真新しさで時間を惜しまず遊ばれていたが、徐々に「探索に時間がかかること」がマイナスに作用するようになりつつある。

まとめると・・・

  • 運営型オープンワールドRPGはライブサービスとの構造的な相性の悪さを抱えている
  • 長年プレイされる中で人々が構造的な欠陥に気づき出している
  • 探索の動機が好奇心ではなく、ガチャ石や素材の回収になりやすい
  • 長期運営では新マップ追加を続けても体験が徐々にマンネリ化する
  • アップデートを重ねて同じ体験を繰り返すとプレイヤーの疲労感が増す
  • 時間のかかる探索要素は現代人のライフスタイルとの相性も悪い

それでもまだ新作オープンワールドRPGは計画されている

構造的に運営型のオープンワールドゲームに問題があるとわかりながらも、「アズールプロミリア」「白銀の城」「無限大」「望月」「帰環」「Dungeon & Fighter: ARAD」「Versapura」などの新作タイトルも作られている状況だ。

ネットイースの都市オープンワールドRPG「無限大」は、最近の決算で”ガワだけ変えたゲームではない”と宣言した。つまり、ゲーマーが既存の運営型オープンワールドRPGの方式を好まないことを踏まえた上で言っているわけだ。

ネットイース 開発中のオープンワールドRPG「無限大」について ”ガワだけ変えたゲームではない”
5月21日に行われたNetEase社の2026年第1四半期決算発表における質疑応答で、開発中の新作オープンワールドRPG「無限大」についてEVPの胡志鵬氏が回答した。「無限大」は既存作品の外見だけを変…

しかし、これらの運営型オープンワールドゲームは、ゲーム内容を優れたものにするだけではなく、ジャンルの構造的な欠陥に立ち向かわなければならなくなっていると言えるだろう。

突破口を見つけられれば市場を席巻するが、できないとこの記事で解説した「構造的欠陥」ゆえに、辛酸を嘗めることになるかもしれない。

ソース: GameLook

コメント

  1. 匿名 より:

    ジャンルのせいじゃなくて開発と運営側の問題で草

  2. 匿名 より:

    気がつくのが遅すぎませんか…

  3. 匿名 より:

    別に買い切りゲーであっても目的達成の為のOW巡りはつまらんですからね(例:diablo4 リリスの祭壇)
    この先に何があるか分からんワクワクや発見っていうOWの醍醐味をカッスい宝箱で台無しにしてんだから…こう言われるのに何年かかったんだってくらいだ

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