Tencent Gamesが開発中のMMORPG「天涯明月刀」の第3次クローズドβテストが2014年7月1日より実施されているが、本稿では天涯明月刀の簡単なインプレッションをお届けする。
天涯明月刀オンラインは2012年に発表された武侠MMORPGで、小説家・古龍の同名の小説を題材としている。同作の開発には中国や香港の映画監督らが参加しており、モーションやカットシーンの演出にも力を入れている
今回のクローズドβテストは、7月からなんと100日間も連続して実施する模様。
グラフィックスレベル以上のキャラクターモデリング
天涯明月刀は中国産MMORPGの中では群を抜いて高いグラフィックスを誇っているが、欧米や韓国の最新のMMORPGと比べればそれほど高いグラフィックスというわけではなく、粗さも目立つ。
しかし、キャラクターと衣装のモデリングに関しては並々ならぬこだわりが感じられる
特にキャラクターの顔の骨格は0.1度単位で調整しているらしく、キャラクターの表情もかなり豊かで自然な印象を受ける。
▼キャラメイク
3次CBTの時点ではさらに細かな調整はできないが、今後実装されるようだ
▼キャラクターの制作秘話
戦闘はターゲット方式とノンターゲット方式の中間
天涯明月刀の戦闘方式は3つの中から選ぶことができる。
- 伝統的なポイント&クリック方式
- TPS方式(マウス移動でカメラが移動。)
- 天涯明月刀方式(TPS方式と似ているが、マウスを動かしてもカメラは移動しない)
TPS方式ではマウスの左クリックと右クリックはスキルに割り当てられるが、天涯明月刀方式だと常にマウスカーソルが表示されるため左クリックと右クリックはスキルの使用には使えない。
その一方で通常攻撃は範囲判定があり、敵をターゲットしていなくても攻撃範囲内にいるとヒットさせることができる。
ギルドウォーズ2に近いタイプの戦闘システムではあるが、マウスクリックでスキルが使えるTPS方式も可能となっている。
武侠らしい華麗な戦闘
天涯明月刀の戦闘は派手でスタイリッシュだが、スキルエフェクト以上にキャラクターのモーションや呼吸を感じるような微妙な間に強いこだわりが感じられる。
おそらくこのあたりの動きは参加している映画監督らのディレクションがあったのだろうと推測できるが、動きが洗練されていてとにかく格好良い。
戦闘システムに関しては、Shift+WASDですばやく回避をすることができるなど、棒立ちクリックゲーにはなりづらいが、それだけでなく「定力」というステータスが戦闘における重要なポイントとなる。
定力は敵にも自分にも備わっているステータスで、敵から攻撃を受けた時に減る。
しかし、定力があるときは敵の攻撃を無条件で防御してダメージを減少させることができる。
定力がなくなると敵の攻撃をダイレクトに喰らうことになり受けるダメージが増えてしまう。
プレイヤーのスキルの中には定力を一気に減らせるものがある
戦闘は基本的に対多で、ボス戦以外はほぼ集団を相手にすることになる。
戦闘はスキル追いをしてコンボをつなげるタイプではなく、いくつかあるスキルを相手の状況を見ながら使うというタイプ。ややスキルの種類が少なく感じられる。
軽功
武侠ゲームでは必ずといっていいほど使うことができる軽功は当然ながら本作でも使うことができる。
人間離れしたジャンプをして屋根の上を駆けまわったり、水の上を走ったりすることができる。
▼本作の中でも特に巨大な都市。とにかくだだっ広いが、NPCの配置数は少ない
ファーストインプレッション
天涯明月刀のコンテンツ自体はよくある武侠MMORPGという感じで、とくに真新しいところはないが、ゲームのクオリティという部分に関しては中国産のMMORPGとしてはかなり高い方だ。
個人的な意見としては、韓国のMMORPGよりも東洋的な衣装のデザインは優れているように思える。
ただし、バグや詰めが甘いところが多く粗さを感じるのでこのゲームを中国の外で売るには改善が必要だろう。
あくまで中国市場を狙ったゲームなので日本でこのゲームをヒットさせるのは難しそうだが、下手な量産型MMORPGをサービスするのであれば、天涯明月刀をローカライズしたほうが良いと思うので、日本のパブリッシャーは本作に目をつけておいたほうがいいかもしれない。
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