月額制vs基本プレイ無料 FF14吉田PとEQディレクターのMMOの料金の考え方

ファイナルファンタジーXIVのプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏がgamesindustry InternationalのインタビューでMMORPGの料金について語ったが、EverQuestシリーズのディレクター David Georgeson氏もIGNのインタビューでMMOの料金に関する考えを語った

2人の意見は異なるものだ。

吉田直樹PD

FF14の吉田プロデューサーは、どちらのビジネスモデルにも長所と短所があると前置きした上で、基本プレイ無料にすれば最初の数ヶ月は手っ取り早く収益を得ることができるが、その後同じような収益を得られるかは不透明であり、長期的にゲームを維持する必要があるMMOにとっては必ずしも基本プレイ無料が最善ではないという意見を述べた。

また、基本プレイ無料では最高の体験を提供したいと思っても収益を得られる部分を考えなければならず、結局自分たちは誰を満足させたいのかわからなくなるという。

一方、月額課金制ではプレイヤーが一定の額を毎月必ず払ってくれるため収益が安定しており、開発者は継続的にゲームをアップデートして改善することができるとのこと

多くのゲームは最初の2ヶ月の課金者数だけ見てそれがうまくいきそうにないと判断すると基本プレイ無料に切り替えています。必ずしも基本プレイ無料の方がよい形態だとは思いません。手っ取り早い収益を求めるあまり、基本プレイ無料への切り替えという向こう見ずな判断をしています。」
こういった理由に関しては一部の企業がARPPU(有料課金者の月間平均売上高)を高く設定しすぎているためだとしている。

吉田氏は、「収益をすぐに上げることに集中している人もいますが、長期的に考えなければなりません。ともあれ、プレイヤーの需要にもよりますが、2つのビジネスモデルが共存しても大丈夫だと思います。」と述べ、MMOが長期的に考えなければならないものであることを強調し、サブスクリプションモデルを使用すれば収益が安定するためベストなゲームプレイ体験を提供し続けることができるとした。

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EverQuestシリーズのディレクターであるGeorgeson氏は「月額課金制は間違っていない」と前置きした上で、”個人的な意見”として「基本プレイ無料化はゲーマーが全てのMMOに望んで当然のもの(望むべきもの)」という意見を述べた。

Georgeson氏は「本当に良い仕事をしてプレイヤーを楽しませなければお金を稼ぐことはできない」とし、次のように例えた。
「私達はある意味ストリートパフォーマーです。街に出て歌やダンスをして、上手くできれば人々が硬貨を帽子に投げ入れてくれます。ゲーマーがMMOに基本プレイ無料を望んで当然だと考えるのは、前もって60ドルを面白いかどうかわからないものに払うのにはリスクがあるからです。そのお金は返ってきません。」

「基本プレイ無料では、プレイヤーが遊んでみて(課金する価値があるか)考えることができます。プレイヤーに楽しいと思わせることは全て我々の責務です。私の基本プレイ無料の考え方では、それがあるべき姿だと思います。」と締めくくった。

2人の意見は遠くて近いものだが、吉田氏の考えでは、安定した収益があるからゲームを良く出来る というのに対して、Georgeson氏の考えはゲームが良くできているからプレイヤーがお金を払うというものだ。
Georgeson氏はこの考え方ではあるが、SOEのEverQuest Nextは月額課金制を採用すると予想されており、WOWやESO、Blade & Soulを含めて、まだ月額課金制が廃れるわけではなさそうだ。

Final Fantasy producer: Subscriptions still good for MMOs
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