FF14吉田P「リークは関係者の可能性」 外部ツールについては「優先的に調査する基準」を発表

スクウェア・エニックスは5月9日、MMORPG「ファイナルファンタジーXIV」におけるアドオン等の外部ツールに関する運営側の見解と、パッチ6.11前にリークされたスクリーンショットについての声明を、公式サイトに掲載した。

リークに関して

まず、ファイナルファンタジーXIVのパッチ6.11アップデートのメンテナンス中に、実装直前の「絶竜詩戦争」の内容と思われるスクリーンショットがリークされ、それが内部関係者しか作成できないものだと指摘されていた。

これについて、吉田直樹プロデューサー兼ディレクターは、「開発/運営関係者からのリークである可能性が高く、現在も徹底した調査が行われている」と明らかにした。
また、クライアントの解析によって最終ボスのモデルデータがネット上で拡散されていたが、データの暴露を目的として不正な手段でデータの解析を行うことは違法だとして警告し、拡散しないように求めている。

外部ツールの使用に対する見解

ファイナルファンタジーXIVの『絶レイド』で外部ツール/アドオンの使用が常態化している事が度々指摘され、『絶竜詩戦争』で最初のクリア者が出た後には、アップロードされた動画に外部ツールによって改変されたHUD/UIが映っていたため物議を醸した。(当該の動画はスクウェア・エニックスの申請によって削除されている)

吉田直樹プロデューサー兼ディレクターは、規約の通り、「外部ツールの使用は一切禁止」とし、調査の上で使用が認められた場合は、アカウント一時利用停止や、アカウント永久利用停止の対処になり得ると言明した。

一方で、「インターネットを経由して拡散するすべての外部ツールや機能を網羅し、各種ゲーミングデバイスに存在する機能まで含めて調査すること、線を引くことは、残念ながら物理的に不可能」とした上で、「優先的に調査する際の基準」を明確するとして、一例を挙げている。

  • ゲーム/コンテンツの攻略を容易にするような外部ツールや機能の使用
  • HUDなどユーザーインターフェースを改変して表示項目を増やす外部ツールや機能の使用(※)
  • 情報パケットを改ざんする外部ツールや機能の使用
  • また、これらを助長するような発言、使用を公言するような行為/行動

吉田プロデューサー兼ディレクターは、攻略の速さを競うレイドレースについては「外部ツールなどを用いず、正しく競い合って欲しい」「FFXIVに実装されている機能のみで、クリアできることを実証してコンテンツをリリースしている」との意見を述べており、公式Twitterでクリアチームを祝福するコメントが過度な競争や論争を助長するのであれば、今後は控えることも検討するとした。

※吉田P/Dはこの告知の抜粋を控えるよう求めているため、以下に「全文」を引用させていただくことをご了承ください
FFXIV外部ツールの是非について | FINAL FANTASY XIV, The Lodestone

FFXIV外部ツールの是非について

皆さんこんにちは、ファイナルファンタジーXIVプロデューサー兼ディレクターの吉田です。パッチ6.11がリリースされ、絶竜詩戦争が公開となり、各種外部ツールの是非やエミュレーションサーバーが存在するか否かなど、一部プレイヤーの方からお声を頂戴しています。これについては以前プロデューサーレターLIVEにて、触れたことがありますが、再度文章としてお知らせしておきたいと思います。

なお、長文であり、ある程度コンピュータの知識が無ければ理解しづらく、また、興味の無い多くの方には無関係の内容となります。一読される際には、その点をご承知おきください。加えて本文は『全文』で意味を成しますので、一部の抜粋や切り抜きによる拡散は控えていただけますと幸いです。

外部ツールの使用について
ファイナルファンタジーXIV利用規約にありますとおり、『外部ツールの使用は一切禁止』となります。調査のうえでツールの使用が認められた場合、アカウント一時利用停止(サスペンド)や繰り返しの際にはアカウント永久利用停止(BAN)などのペナルティが与えられます。

外部ツールの定義について
一部プレイヤーの方から、『何がOKで何がNGなのか決めて欲しい』というお声を頂戴することがございます。しかし、世界中で開発され、インターネットを経由して拡散するすべての外部ツールや機能を網羅し、各種ゲーミングデバイスに存在する機能まで含めて調査すること、線を引くことは、残念ながら物理的に不可能です。そのため『外部ツールの使用は一切禁止』という文言に集約されることになります。

一方で、我々がプレイヤーの皆さんのPCに何がインストールされているかをチェックすることはできないため、現実的にすべての使用を調査し、罰則を適用し、取り締まりを100%にすることもまた不可能と言わざるを得ません。しかし、『我々が優先的に調査する際の基準』を明確にしておくことは可能です。その一例を以下に記載しておきます。

・ゲーム/コンテンツの攻略を容易にするような外部ツールや機能の使用
・HUDなどユーザーインターフェースを改変して表示項目を増やす外部ツールや機能の使用(※)
・情報パケットを改ざんする外部ツールや機能の使用
・また、これらを助長するような発言、使用を公言するような行為/行動

このような事例が発覚し、調査が行われ、その使用が確定と判断された場合には、利用規約に則りアカウントに対して一時利用停止や永久利用停止が行われています。またこれは、規約の変更など大きなアナウンスが無い限り、取り締まりが継続され、変わることはありません。

チートとツール/悪意あるプログラムへの感染リスク
チートとはプログラムを改ざんし、あり得ない事象を引き起こすようなことであり、サーバークライアント間の通信で成り立つFFXIVでは、他のオンラインゲームに比べそれを行うのは困難です。また、こちらのセキュリティ対策は日々強化されており、これは今後も変わりません。一方で一般的に言われるツールとは、FFXIVサーバーから送られる情報の内容を画面上にオーバーレイで追加表示したりするもの(以降「情報表示ツール」と呼びます)から、正式な情報パケットに偽装し、キャラクター座標を移動させるようなものなど様々に存在します。後者のパケット偽装などを行うツールは、自動的にログを調査/検出する機能が動作しており、一気に取り締まりを行うなど、常にその対応を行っています。

このように、ツールを使えば全自動で高難度コンテンツがクリアできるといったものではありませんし、ペナルティリスクも高く、興味本位でご使用にならないようお願いいたします。

各種外部ツールやそのプラグインのダウンロードの際、悪意あるウイルスプログラムや、パスワードを抜き取るようなスパイウェアなどに感染されるケース、ご相談も多発しております。ご自身のPCを保護するためにも、正しい知識を持ち、不用意に外部ツールや出自不明なソフトウェアのダウンロードを行わないなど、注意を怠らないようにしましょう。

(※)HUDなど各種ユーザーインターフェースの機能強化について
前述したHUDの機能を拡張し、情報量を増やすような情報表示ツールの使用については、コンテンツを攻略するうえで「あったら便利」と思われる機能の不足に起因していると考えています。いまいちど、主だった情報表示ツールの機能を調査し、これらの使用を控えていただくためにも、今後より一層HUD各種機能の拡張を目指してまいります。これには多少のお時間をいただくことにはなりますが、PlayStation®4/PlayStation®5といったコンソールでプレイされているプレイヤーの方のためにも、より便利で機能的な拡張を目指していくつもりです。

高難度コンテンツとレイドレースについて
FFXIVの各種高難度コンテンツにおいて、非公式としてワールド1stクリアを競う『レイドレース』が行われていることは我々も認識しています。そして、そのこと自体は、ゲームを開発している側としてとても嬉しく感じています。レイドレースが行われるようなゲーム自体が少なく、レイドレースが開催されるゲームに成長できたこと、そしてそれだけ多くの方が、クリアに挑戦するだけでなく、そのレースの配信視聴を楽しまれていらっしゃるためです。

一方でレースである以上は、外部ツールなどを用いず、正しく競い合って欲しい、というのが我々の切なる願いです。開発チーム/コンテンツ調整スタッフは、FFXIVに実装されている機能のみで、クリアできることを実証してコンテンツをリリースしています。

今回パッチ6.11でリリースとなった『絶竜詩戦争』は、間違いなく過去のすべてのコンテンツの中で、最も難しいものに仕上がっています。絶バハムート討滅戦と比較される方がいらっしゃるかもしれませんが、プレイヤースキルの向上やアクション数の増加、ギミックの複雑化などを踏まえると、今回の方がより難しくなっています。それをあれだけの短期間でクリアする、そのプレイヤースキル、チームワーク、サポートチームなどの能力の高さ、それらはゲーマーとして素晴らしいものだと思います。

レイドレースそのものは非公式であるため、公式としての関与は、クリアチームが複数出た際にコメントを出す、という程度に留めていました。公式Twitterでのクリアおめでとう!コメントは、そのプレイヤースキルの高さに敬意を払うためのものであり、クリアタイムスタンプを確認することで、そのコミュニティの盛り上がりに貢献したい、という想いからでした。しかしこれもまた、コメントを出すことに付加価値が生じたり、それを得るために外部ツールなどを使ってまでの過度な競争や論争を助長するのであれば、非常に残念ではありますが今後は控えることも検討いたします。

モデルデータの解析とスクリーンショットの流出について
今回、絶竜詩戦争を公開するに当たり、開発チーム側にミスがあり、パッチ6.08のデータに最終ボスのモデルデータが混在する、という状況がありました。FFXIVはPCでもリリースされているため、グラフィックスリソースの解析によって、最終ボスの姿が一部で公開されてしまいました。通常これらはマスクされ、解析でも発見されないよう管理されているものですが、今回はチェックに漏れがあり、解析されてしまう要因となりました。

加えて、パッチリリースとほぼ同時に、攻略未到達のフェーズについて、スクリーンショットの流出があり、こちらは開発/運営関係者からのリークである可能性が高く、現在も徹底した調査が行われています。ご報告が遅くなったのは、調査していることを特定対象者に知られると、調査がしにくくなるためです。情報のリークは、開発/運営チームの努力を無にするだけでなく、プレイヤーの皆さんの楽しみも奪う行為として、絶対に容認できません。

『漆黒のヴィランズ』発売前にも大きなリークがありましたが、こちらについては犯人を特定し、法的処分を行いました。しかしながら、今回再発となったため、さらに徹底した調査を行っており、その責任を問うだけでなく、あらためて再発の防止に備えてまいります。

また、グラフィックスリソースに留まらず、データの暴露を目的として、不正な手段でデータの解析を行うことはそもそも違法です。最近では注目度が高いためか、解析されたグラフィックスデータを、何のためらいもなくネットで拡散しているサイトも見受けられます。絶シリーズの武器データなどは、そのクリアを賞賛するために、出来るだけ目を引くデザインとして制作されています。これらを他人の解析データから引用し、多くの人に拡散していくことは、プレイヤーの皆さんから、プレイのモチベーションを奪うことにもなりかねません。以前にもお願いしておりますが、いまいちど解析データの拡散は控えていただきますよう、重ねてお願いいたします。

エミュレーションサーバーの有無について
今回、上記のグラフィックスリソース解析、スクリーンショットの流出があり、一部で『エミュレーションサーバーがあり、コンテンツのバトルタイムラインを確認しているのではないか』という懸念の声が挙がっていました。しかし、多数の異なる機能のサーバーで構成され、それぞれが独自のサーバープログラムで動作しているFFXIVを、外部から完全にエミュレーションすることは不可能です。サーバーを用意するだけで数千万円の費用もかかります。クライアントソフトウェアを強引に起動させ、モデルデータなどを表示することは技術上可能ですが、サーバープログラムが無ければ、ゲーム自体は動作しません。

また、仮にエミュレーションできたとしても、パッチによってはじめてサーバーに適用される各種プログラムを、パッチ公開前に動作させることも物理的に不可能です。コンテンツのバトルタイムラインはサーバープログラム上にしか存在せず、皆さんがダウンロードされているパッチデータには一切含まれていません。

こうした噂が出てしまったことの発端は、やはりスクリーンショットの流出問題にあり、あらためて調査を徹底すると共に、再発防止に努めてまいります。誠に申し訳ございません。

最後に
ファイナルファンタジーXIVは、光の戦士の皆さんのおかげで、非常に大きなプロダクトへと成長させていただきました。その分だけ、現在では多くの価値観を持った方にプレイしていただいています。ずっとFFXIVを応援してくださっている方だけではなく、他のたくさんのゲームを経て、最近FFXIVをプレイし始めてくださった方もいらっしゃいます。その分だけ注目度は高く、取り上げるだけで話題になることからも、サイト上での取り上げられ方、拡散のされ方も、以前とは雰囲気が異なってきていると感じています。

これらも踏まえ、また新たにFFXIVコミュニティをさらに強固にしていくため、今回のようなコメントの公開は、今後も続けていこうと思っています。巨大なパッチとなったパッチ6.1では、大小様々なミスがあり、ご迷惑をおかけしていることも非常に多く、誠に申し訳ございません。

一方で、これからもFFXIVを一人でも多くの方に楽しんでいただけるよう、努力を続けて参りますので、引き続きファイナルファンタジーXIVをよろしくお願いいたします!

ファイナルファンタジーXIV プロデューサー兼ディレクター
吉田 直樹

FFXIV外部ツールの是非について | FINAL FANTASY XIV, The Lodestone
FFXIV外部ツールの是非について

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