韓国では2015年1月に、日本では2015年5月にサービスを開始したPearl Abyss開発のMMORPG「黒い砂漠」だが、韓国のゲームアワードである大韓民国ゲーム大賞への参加を辞退することが明らかになった。
韓国メディアの報道によると、黒い砂漠の開発元であるPearl Abyssは、スマートフォンゲーム「RAVEN」やPCオンラインゲーム「メイプルストーリー2」と比較すると受賞の可能性が低いと判断して参加しなかったと正式にコメントしたという。
韓国サービスパブリッシャーのDaum Gamesも、「ゲーム大賞は良い機会だが、開発会社の意見を尊重して参加を保留した」と伝えているという。
これまでマビノギ、リネージュ2、Aion、C9、TERA、Blade & Soul、ArcheAgeなどが大賞を受賞してきているが、黒い砂漠のようなビッグタイトルが参加を辞退するのは異例とも言える。そのため、「受賞できなかった」ではなく、「受賞しようとしなかった」方を選ぶことで”精神的勝利”を手にするためにこの判断をしたのではないかとも噂されている。
黒い砂漠は最終的に興行面でモバイルゲームに負けており、ユーザー作成コンテンツを全面に出したメイプルストーリー2と比較してもゲームの成果や将来的な価値の面でも不足していると自ら認めたことになると報じられている。
一方で、ゲーム大賞は単純に人気だけで決定されるわけではなく、ゲーム性とゲームの価値が少し高い評価基準を持っているだけに、開発会社自らゲームの価値を低く判断しているという意見もある。
欧米向けのサービスに向けて忙しいために参加を辞退したという見方があるものの、韓国ゲーム大賞のグランプリはルーキーでなければ受賞することはできないため、Daum Gamesはパブリッシャーの立場でもゲーム大賞という栄誉によって今後のゲームビジネスに大きな弾みをつけられる機会を逃したとも言われている。
黒い砂漠の辞退により、大賞候補は「RAVEN」と「メイプルストーリー2」が有力となっている。
2014年はモバイルゲームが大賞を受賞しており、2015年はオンラインゲームの受賞を望む声も大きいようだが、RAVENは韓国のモバイルゲームで2015年最大のヒット作であるだけに、黒い砂漠の参加辞退によってメイプルストーリー2の肩の荷はさらに増えたということになる。
海外のゲームは大賞や優秀賞の対象にはならないが、ファイナルファンタジーXIVやハースストーン、Heroes of the Stormなどは海外ゲーム部門で受賞する可能性が残っている。
韓国ゲーム大賞は11月中旬に発表される予定。
「黒い砂漠」は10月にロシアでオープンβテストが開始され、まもなく欧米向けのアルファテストが行われるなどグローバル展開を進めている。
ソース: Sports Chosun
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