Blizzard Entertainmentでシニアゲームデザイナーを務めていたAndrew Chambers氏は、自身のYouTubeチャンネルで、ゲームのジャンルが衰退する理由を解説する動画を投稿した。
Andrew Chambers氏は自身の経験をもとに、ゲーム制作を続けていると、開発者は声の大きいハードコア層の意見を重視するようになっていき、それがゲームジャンルを衰退させることに繋がりかねないという意見を示した。
以下にその要点をまとめた。
ゲームの「ライブサービス化」の問題点
- ハック&スラッシュゲームのジャンルはそれ自体がライブサービスへと変わりつつある
- ゲームがライブサービスになると、ほぼすべての設計へのアプローチが変わる
- 何度もゲームに戻って来られる理由を作ることに重点を置き、「プレイヤーをゲームに留める」ことが開発の主眼になる
- ライブサービスへのシフトは、プレイヤーが常に先に進んでいるように感じられるループを作り出すが、実際に前に進んでいるのではなく、ランニングマシンの上を走っているだけ
- 本質的に同じことが繰り返されている

ハードコアに合わせた調整、大半のユーザーには理解されないことも
- ライブサービスゲームでは、最もプレイ時間が長く、経験豊富で、自分の考えや意見を積極的に共有するプレイヤー、つまりハードコア層に合わせて調整されるようになりがち
- ハードコアプレイヤーがいることはありがたいことで、効果的で有意義なフィードバックをくれるので、開発チームはハードコアプレイヤーの声も聞く必要がある
- しかし、どんなフィードバックにもバランスの取れた対応が必要で、ハードコア層の意見だけを聞いていると、次のアップデートで大惨事を引き起こす可能性がある
- ハードコア層に合わせた設計だと、幅広い層のプレイヤーが理解しづらいシステムになってしまうことがある
- 「たくさん遊んでくれる人のためにシステムを設計するのがなぜ悪いのか?」と思われるかもしれないが、『基本的にハードコア層の規模は非常に小さい』という点に問題がある
- 少数のプレイヤーにだけ焦点を当てれば、大多数のプレイヤーは楽しめず、ゲームを去っていく
- 高品質なゲームの開発を続けるには大勢のプレイヤーが必要で、小規模なプレイヤー層だけではやっていけない
ユーザーが多くなければ利益が出ず、持続不可能
- ハードコアゲーマー、つまり少数のプレイヤーにだけ焦点を当てるとゲームジャンルが衰退する
- かつて、「モンキーアイランド」や「グリムファンダンゴ」等のクリックアドベンチャーゲームが大流行した時があった
- 中毒性が高いゲームプレイで、その当時は未来永劫盤石なジャンルだと思われていた
- しかしある時、ゲーム開発者はフォーラムによく書き込んでいる最も声が大きいプレイヤーの意見に焦点を当て始めた
- より難解なパズルが求められていたため、その要望に従ったところ、ほとんどのプレイヤーにとって苛立たしいだけのゲームになってしまった
- RTS(リアルタイムストラテジーゲーム)でも似たことが起こった
- 「ウォークラフト2」や「コマンド&コンカー」といったRTSは昔大流行した
- しかし、時が経つに連れて、RTSジャンルは徐々に競技性を重視するようになった
- 「スタークラフト2」が出る頃にはRTSジャンルはマルチプレイモードとeスポーツに焦点が当てられるようになり、APM(毎分アクション数)がゲームデザインに影響する因子になった
- その結果、初心者はすぐに上手いプレイヤーに圧倒されてしまい、RTSは達人のような人しか遊べないジャンルになってしまった
- 当初は軍隊を指揮するのを楽しむジャンルだったものが、高度な競技性を備えたeスポーツジャンルとして認知されるようになった
- RTSゲームの潜在的なユーザーは減少し、ジャンルの規模も縮小した
- 声の大きい少数派(コアゲーマー)の要望に集中しすぎて、自分たちの本来の方向性を見失ってしまった


Blizzardがハースストーンをヒットさせられたわけ
- Blizzardの開発者達は「Magic: The Gathering Online」が上手くいかなかったのを見ていた
- 2002年にリリースされたMagic: The Gathering Onlineは、マジック・ザ・ギャザリングをオンラインゲーム化する完璧なアイデアのように思えた
- しかし、マジック・ザ・ギャザリングのルールは、対戦相手が目の前にいれば上手く機能するものの、「割り込み」のような仕組みはオンラインではゲームのテンポを遅くし、イライラするだけで、楽しいと言えるものではなかった
- 「Magic: The Gathering Online」は成功できなかった
- これを見ていたBlizzardの非常に優秀なゲームデザイナー達はチャンスだと感じた
- 彼らは「Magic: The Gathering Online」が失敗した原因を探り、カードを収集してデッキを構築する体験の本質を捉えつつ、コンピュータ上ではうまく機能しない割り込みのような煩わしいルールを排除したゲームを作った。それがハースストーンだった。
- ハースストーンがそうだったように、革新的なアイデアをうまくまとめることができれば、停滞しているジャンルが終焉を迎えずに新たな未来を築ける

- ハードコアゲーマーが「PoE」や「ディアブロ4」に満足している一方で、満足できない大勢のゲーマーもいる。
- 彼らは似た体験を求めるが、時間的なコミットメントや負担の大きいシステムは望んでいない
- アクション戦闘やストーリー、戦利品(loot)、シーズン制などは求めていても、それが作業のようになるのは望んでいない人も多い
- ハック&スラッシュRPGジャンルの成長の余地がここにある
コメント
ゲームプロデューサーが言うと自滅したやつの言い訳にしかきこえんな
ディアブロ4は声のでかい奴がゲームスピードの早さを求めてつまんなくなった逆パターンでしょ
娯楽とはガムのようなもの。
>>実際に前に進んでいるのではなく、ランニングマシンの上を走っているだけ
これに気づくと大抵のネトゲに飽きてしまうんだよな
デイリーウィークリーの義務的ミッションなんてまさにこれだし
ほぼ正論だと思うけどディアブロ4はライト向けでしょ
言うて、D3のReaper of Soulsのゲームデザイナーだよ
発言内容はわかるけど、この人の場合はみんな同じセットが最適解で個性0時台を作った張本人だからあそこまでやるのは馬鹿なんよ
だからそれがユーザーの要望を聞いた結果ってことだろ。
test鯖なんて概念が嫌いだった
FF14とかフォーラムでいくら強い言葉で騒いだところでそれが少数だと基本無視だからな
じゃあなんのためにフォーラムがあるのかって言うとぶっちゃけガス抜きのためでしかない
フォーラムに強い言葉で書いたらそれが少数でも通るほうがヤバいだろw
RTSはマジでこれ
余りの複雑さで新規が入らずDOTAに客取られてジャンル自体滅びた
元◯◯◯のゲームデザイナーが語る系はデザイナーなら評論するより面白いゲーム作ってくれって思っちゃうな
イエスマンである必要はまったくないけど問題点を指摘されたら素直に改める謙虚さを忘れるなよ
ゲーム作ってる人たちって高確率で高慢な独裁者みたいに変貌するからなぁ
俺様の作ってやったもので喜べなんて態度をムキ出しにしてユーザーの求めるモノの乖離が激しくなったらもう終わりよ
そこまで追い込まれても「ついてこれなかったユーザーが悪い」なんて責任転嫁するのもいるし
動画みたよ。
原文 「ARPG games」
ローカライゼ―ション 「ハック&スラッシュゲーム」
翻訳で捻じ曲げるのやめて。
もちろんおもしろそうな記事を探して、翻訳して、記事書いた事は評価できる。おつかれさま。
複雑さと奥深さは違う。
複雑さや操作難易度を上げることでプレイヤー間の差をつけるのはゲームを破壊する最低の行為だと言える。
簡単で操作も思った通りにできるが、奥深くてプレイヤー間のスキル差が出るのが良いゲームだ。
スタークラフトの話じゃないの?
MMORPGと呼ばれるランニングマシンの上をずっと走ってるが
正直”ゲーム”をやってるつもりないんだよね
息抜きにそのワールドに浸ってるというか
息抜きだから必死に戦闘するのも勘弁で
声がでかいだけでゲームを買わないポリコレ連中の事か~w
ライトの声聞き過ぎてヌルゲー化して死ぬゲームもあったからやっぱバランス大事
westwood時代のコマコンと初代スタクラめっちゃ好きだったなぁ
あの頃のRTSは楽しかった
高難易度化していく一方で消え去ったシューティングみたいなもんか
アーマードコアとか、まさにそんな感じだったけど、6で見事に復活した極めて稀なケース。
内容にもよるけど声がデカいのって運営の悪質なところを擁護する信者率が高いよな
日本のゲーム界隈とか特に
コアなゲーマーだからこそ良くも悪くもしっかり理解していて陰謀論に走らないという効果もあるからな
既存プレイヤーだけじゃなく新規にも目を向けないと先細りするってのは昔から言われてるけどバランスの舵取りは難しいよなあ
ブルプロもコア層の意見を聞きハクスラ要素強めで面白くなったけど
人が増えることはなかった
新時代の意見をもっと聞くべきだった
そもそもプレイヤーが少なく声も小さくて失敗したブルプロ