オンラインRPG「ブループロトコル」の発表から3年が経過。3年で変わったオンラインRPG市場

MMORPG

バンダイナムコが開発中のオンラインRPG「BLUE PROTOCOL」が発表されてから3年が経った。
「ブループロトコル」は2019年6月28日に発表された。

2019年7月末にクローズドアルファテストが実施され、翌年、2020年4月には第1次クローズドβテストも行われた。

2020年10月にはマッチング負荷テストが行われ、以降は「開発に専念する」としてパブリックテストは実施されていない。

1年後の2021年10月には台湾サービスが決まるなど、制作が進められているのは確かだ。

現状わかっているのは、バンダイナムコがブループロトコルの開発者を募集しているということくらいだ。
BLUE PROTOCOL 開発メンバー 積極募集中!

ブループロトコルは海外での期待も高く、MMORPG.comでは期待のMMORPGランキングで2位のAshes of Creationを圧倒的に上回る期待度でブループロトコルが1位となっている。

改めてブループロトコルというゲームをおさらいすると、セルシェーディングで表現される高品質なアニメ風グラフィックスが特徴のMMORPGで、ノンターゲティング方式のアクション戦闘を採用している。ゲームエンジンはUnreal Engine 4

MMORPGの開発には5年、6年あるいはそれ以上の長い時間が必要なのは確かだが、公式Twitterアカウントによる投稿は2021年8月が最後となっている。

また、2022年6月時点で公式サイトにはまだ「2020年のクローズドβテスト」の告知が書かれたままだ。

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公式サイトのお知らせも2020年に投稿されたものが最後となっている。

▼まるで2020年で時が止まったかのような公式サイト
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3年で様変わりした市場と「脱MMO」の流れ

ブループロトコルが発表されてから今日に至るまでの3年間でオンラインRPGの市場は大きく変化した。

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ファイナルファンタジーXIVはMMORPGの最高峰となり、ロストアークが韓国市場を席巻するなど、低迷していたMMOジャンルがまだ可能性を十分に残していることを示した一方で、Amazon Gamesの大作MMORPG「New World」はサービス開始から1年経たずして95%以上のアクティブユーザーを失い、セガの「ファンタシースターオンライン2:ニュージェネシス」は期待に応えることができず、ユーザーの失望を招いた。

また、ネクソン傘下のスタジオで開発されていたMMORPG「ペリア・クロニクルズ」は開発が中止された。その他にも、スター・ウォーズMMOの未発表タイトルやマーベルの新作MMO、ロード・オブ・ザ・リングの新作MMOなどもこの3年間で開発が中止されており、企業がMMOゲームの成功に確信を持てないでいるというのを示している。

そんな中で、中国のmiHoYoが制作したRPG「原神」はブループロトコルと同じくトゥーンレンダリングのアニメ風グラフィックスで人気と収益の両面で大きな成功を収めることになり、1つのベンチマークとなった。

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「原神」はあえてオンライン要素を最小化し、シングルプレイRPGのような方向性を模索することで、オンラインゲーム特有の煩わしさを排したことがユーザーの獲得と定着に一役買ったと言える。

また、「黒い砂漠」の開発で知られるPearl Abyssは、当初MMOにする予定だった「紅の砂漠」と「DokeV」を非MMOのゲームに変更している。つまり、MMORPGで名を馳せた会社で作られている新作が、MMOであることを途中でやめる判断に至ったというわけだ。

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そして、「ファイナルファンタジーXIV」は今後の10年を見据えて「ひとりでもみんなでも遊べるRPG」という方針を示した。コンテンツサポーターのようなシステムを導入することで、マルチプレイをせずにメインクエストを進められるようにし、MMOに抵抗感のあるユーザーを取り込みたい狙いだ。

このように、『脱MMO』と言える動きがオンラインRPG市場で流れの1つになっている。

最近、ドイツのゲームメディアBuffedは「『良いゲーム』と『良いMMO』を両立させることは不可能」だと指摘した。良いゲームにするためにMMORPGを改良していくと、「MMOらしさ」がどんどん薄れていくというものだ。
Das launische Genre: Darum ist es so ätzend, ein MMO zu entwickeln

複数の難易度を用意することはボスを倒すことの価値を下げ、ソロプレイヤーに焦点を当てることはパーティプレイの一体感が失われることを意味し、世界のどこにでもテレポートできると世界の広大さが意味をなさなくなります。言い換えれば、MMO開発者は、快適でアクセスしやすい良いゲームを作るか、ジャンルの可能性を最大限に活用するMMOを作るのか、必然的に決定する必要があります。両方は不可能です。

ブループロトコルの基本的なゲームシステムやコンテンツの構造は、基本的にこれまで国内外のオンラインRPGで見られたものを踏襲しており、少なくともベータ段階では革新的とは言いづらいものだった。

この3年間のオンラインRPG市場における各タイトルの成否をバンダイナムコが見て、ブループロトコルがオンラインRPGとして歩むべき本当に正しい道はどれなのか、その判断が難しくなっていたとしても不思議ではないだろう。

「ブループロトコル」の続報はすぐ明日出るかもしれないし、まだ数ヶ月出ないかもしれないが、少なくとも発表からは3年が経った。

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