Cryptic StudiosのCEO・ジャック・エマート氏は、GamesIndustry.bizのインタビューで現在のMMORPGについての考えを語った。
エマート氏は、『City of Heroes』『スタートレックオンライン』『Neverwinter』『Champions Online』『DC Universe Online』などの開発で重要なポジションを担当したベテランゲームクリエイター。

いずれのタイトルも未だにサービスが継続している長寿MMOとなっている。
以下、インタビュー内容の要約。
“全ての人を満足させようとするのではなく、ニッチな層をターゲットに”
- MMOには需要がある。『New World』の売り上げがそれを証明している(全プラットフォーム合計で約1000万本)
- しかし、『New World』はインフラと運営戦略が十分でなかったせいでサービスが続かなかった
- “MMOプレイヤーなどという層は存在しない”という意見は、WoWやDaybreak Gamesのタイトルをまだプレイしている人達の多さを見れば否定できる
- 頓挫してしまった「Ashes of Creation」ですら320万ドルの資金をクラウドファンディングで調達できた
- 『EverQuest Legends』は素晴らしいアイデアだと思う
- ノスタルジーは人を惹きつける
- MMOが長く続く秘訣は、すべての人を満足させようとするのではなく、ニッチな層を効率的にターゲットにすること
- 流行に気まぐれで従うようなことはしてはならない
- 大手メーカーは「World of Warcraftと勝負する」という考えで参入してくる傾向がある
- 大手パブリッシャーは「(MMO開発には)何億ドルもの資金を投入する必要があり、できる限り幅広いプレイヤーにアピールしなければならない」と考える
- その結果、ありきたりなゲームになって失敗する傾向がある
- あらゆる要素を網羅しようとして、機能を詰め込んだだけの「魂がこもっていないゲーム」が生まれてしまう
- こういったことは何度も繰り返されてきた
“競争相手のことなど気にもしなかった”
- パブリッシャーや開発会社は妥当な予算と妥当な予測を立て、それを守り、自分たちが何をしようとしているのか明確なビジョンを持つ必要がある
- MMORPG『Neverwinter』の初期コンセプトは「敵を倒して戦利品を獲得する。それを何度も繰り返す。それを楽しいと感じられるようにする。」ということだけだった
- まだNeverwinterのサービスは続いている
- 大手パブリッシャーなら「WoWとどう差別化するつもりなの?」と聞いてきたはず
- Neverwinterを作っていた時、そんなことは全く考えなかった。競争相手のことなんて気にもしなかった
- “他にない自分達のゲームだけの特徴”といったようなことも一切考えなかった
- ターゲット層を徹底的に絞って焦点を当てれば、限られた予算でもMMOを開発することは可能
- 膨大な数の要素が必要と考えているのはパブリッシャーだけ。プレイヤーは気にしていない
- プレイヤーは戦利品に見合うだけの価値があるなら同じダンジョンを100回でもプレイする
- ダンジョンが山ほど必要なわけじゃない。必要なのはその過程で得られる達成感に価値があるかどうか
- 『そんなの無理だ。飽きるだろ』と言う人は本質を理解していない

“意味ある成長が感じられるなら「繰り返し」は悪くない”
- どこから始めても、献身的な運営チームがあれば、プレイヤーが望むものへと発展させていくことができる
- 100万もの機能と膨大なコンテンツを備えたゲームをリリースするのは良くない
- プレイヤーが本当に求めているものはすぐには分からない
- 全く遊ばれないコンテンツの制作に膨大な時間とエネルギーを浪費することになる
- MMOのローンチは必ずしも全てを網羅しなくてよい。200時間分のコンテンツを用意する必要は全くない
- 重要なのは、ゲームがリリースされてから3ヶ月後に新しいものが実装され、さらに3ヶ月後にまた新しいものが実装されるというサイクル
- MMORPGにおけるダンジョン周回のような「繰り返し」そのものが悪いわけではない。大事なのはその反復に”意味ある成長”を感じられること
- 周回をしたことがその先の攻略に繋がっていると感じられるかどうか
- その先に繋がる成長を感じられるなら、同じコンテンツを繰り返しプレイすることは成立する
“ゲームは面白いかどうかの見極めにコストがかかる”
- MMORPGは一定期間を超えると『絶対に離れない固定ファン層』を獲得する
- 基本プレイ無料で15年以上も続いているようなMMOは、何百万人もの人が一度は遊んだことがある
- 改善されたゲームを「また試してみない?」と誘うのはそれほど難しくない
- 新作の成功はプロトタイプの作成とプリプロダクションのスピードにかかっているが、これはゲーム業界のアキレス腱になっている
- ゲームが面白いか面白くないかを見極めるのにかかるコストは非常に高い
- 映画業界なら、つまらない脚本だと思えばすぐに却下できるが、ゲームのコンセプトは実際にプロトタイプ版を作成して動かしてみる必要がある
- それが利益率を圧迫している主な原因
- 一部のスタジオは、Robloxで雑な概念実証プロトタイプ版を作ったりしている
- ゲーム開発はソフトウェア開発とは根本的に異なるが、大手メーカーはソフトウェア産業のような感覚でゲーム開発を管理してきた
- 普通のソフトウェア開発は完成すれば役に立つことがほぼ確定している。時間をかければ成果がでる
- しかし、ゲームは時間をかけて完成させたからといって面白くなる保証はない。これがビジネスとしての最大の問題

“People want MMOs, and the sales of New World proved it” ??? Cryptic Studios head Jack Emmert on why MMOs are ripe for reinvention
"I think that the idea that the MMO crowd doesn't exist is belied by the number of players who are s…


コメント
これは共感できる
結局コストが見合うのかはしらんけども
今まで読んだ開発者の意見の中で一番共感出来るかもしれない
最近出たFareverは割と即している気がする。あとはアプデの速度次第か…
すごくよく分かる リネ1クラッシックが一時的でもあれだけ集客を出来たことを理解して欲しい もう当初の1%残るだけで十分サービス続けられるだろう
リネージュ1は”韓国では”超王道のMMOで無印もクラシック出る前からNCのPCMMOで1番稼いでたし
スマホのリネージュ系ゲームもそれぞれがPCタイトルの数倍稼いでたくらいの超人気IPでもあるからニッチな層狙ったわけではないよ
むしろ王道を狙った結果の大成功。韓国外でヒットするかは別にして
面白いモノづくりじゃなくてビジネスの側面が強くなりすぎ
失敗しないために万人受けの作品が生まれる
MMOはやりたいけど理想のMMO全く出てこんからな
挙げられてるMMOはsteamの同接多くて1000人くらいだけどそれでも細く長く続けばいいならニッチな所狙うのもいいと思う
ただ大手メーカーが大金かけて作ってそれならMMO以外のゲーム作れってなっちゃうよね
自由市場→RMTの温床
ID無限周回→規制でスタミナ制
ワルチャ→Discoに代替
ロール制→タンクヒーラー待ち問題
ギルド→公平性のため人数制限
対人→P2W離れ
自分以外のキャラがAI(+リアルフレンド)でやれる古のMMOシステムのままの買い切り型ソロゲー出してくれればすべて解決する
それだと残念ながら解決しない
人はどこまでも他人と比較したがる生き物。ソロゲーじゃその欲求は解消されないんだよ。どんだけ精巧でもAIじゃ
ニッチを突き詰めて刺さる人にブッ刺そうって考え方、今はMMOに限らずインディーゲームでも主流よね
開発費高騰から全世界に売れる大作を強いられ続ける大手とは真逆の構図だけど、MMOでも別ゲーでもそれぞれ違った良さがあるわ
ブルプロの問題に多くが当てはまっているね
この手ので珍しくすべての内容にそうだねって言える主張だな
まあいまどき何億ドルも投入するならまずは他ジャンルから検討するよね
最近だと一番ビッグなタイトルであるAion2も初速すごかっただけで後続いてないし
ROがつまんなくなってったのも
クエスト実装されてからだしなぁ
シール・オンラインで真夜中に焚火を囲みながら
プレイヤーの感想や要望を聞きながら談笑してた
GMが1人「夜の帝王」さんの様な存在は
MMOには大事だったのだ…