海外では新型コロナウイルス感染拡大抑制のため、外出禁止令が出ている国もある。
外出出来ないためいわゆる「巣ごもり消費」の需要が拡大し、Steamの同時接続者数が顕著に増加しているなど、ゲームをして過ごす人が増えている。
ゲームの中でも特に時間がかかるイメージのあるMMORPGは時間を潰すには最適だ。
昨年8月にリリースされた「World of Warcraft Classic」は2020年4月に入って2000人を超える長いログイン待機が復活したという。
しかし、近年のMMORPGのゲームデザインは、こういった特殊な状況下では裏目に出ることがある。
時間がない人に合わせたコンテンツデザイン
特にPCのMMORPGは、年月を経るごとにあまり時間がかからない方向にコンテンツの設計が変更されてきた。
古くは、時間がある人がひたすら有利というオンラインゲームが多かったが、最近では時間がない人でも追いつけるように戦闘・非戦闘コンテンツ問わず、比較的短い時間でレベルキャップに到達したり、最強装備を揃えたりすることが可能となっている。
普段であれば、MMOをプレイする時間が十分でない人に合わせることによって、現代人のライフスタイルに適したゲームバランスを保っている。
しかし、外出禁止・自粛で時間が掃いて捨てるほどある、とにかく暇だという人が多くなった場合、このコンテンツデザインはMMORPGの長所を台無しにする可能性がある。
新たに始めようとしている新規プレイヤーは別として、復帰者や現役プレイヤーの場合、持て余した時間を使うことでコンテンツが消費され、すぐにやることがなくなる可能性があるからだ。
特に近年のMMORPGでは「デイリー」や「ウィークリー」といった制限を設けていることも多いため、時間があるのにやることがないという状況に陥る可能性がある。そうなれば、せっかく巣ごもり消費で増えたプレイヤーも、飽きて他のゲームに移っていってしまうだろう。
MMORPGで、「すぐ追いつける」「時間がかからない」ゲームデザインが必ずしも正解とは言えないのが、今年のような特殊な状況下では見えてくることになる。
1日に2時間しかプレイできない人は3ヶ月に1回のアップデートでも十分だが、外出禁止等によって1日5時間、6時間、あるいはもっとゲームに時間を費やす人が増えた場合、長期間のゲームプレイに耐えられるコンテンツがない場合は多くの人が「MMORPGなのにもうやることがなくなった」という状況に直面する可能性がある。テーマパーク型MMORPGのあらゆるコンテンツを全員がプレイするわけではないからだ。
あくまで巣ごもり消費が活発になっている今の状況に限定されるが、古いMMORPGが持っていた「長く遊べる」という強みを活かせそうな場面が、過去十数年間のゲームデザインの変化によって一部のゲームにしか残っていないのをこのような情勢で再確認させられるのは少し皮肉に感じられる。
ただし、これから新たにMMOをスタートするのなら、ほとんどのゲームでかなりの時間を潰すことができるだろう。


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