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Trion元CCO「AAA級ゲームの開発費が構造的崩壊につながった」

業界

MMROGP「RIFT」やMMOTPS「Defiance」の開発・運営元であるTrion Worldsの元CCO及びRIFTのエグゼクティブ・プロデューサーであるScott Hartsman氏が、大作ゲームを開発する企業の危機を語った。

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Trion Worldsは、MMORPG「RIFT」のプレイ料金を6月12日より無料化する予定だが、昨年12月にRIFT開発チームの1/3、約40人が解雇されている。

「”RIFT”の開発元であるTrion Worldsが危機に陥った理由は、増え続けるAAA級ゲームの開発費用のためです」
Hartsman氏はこう分析する


現在のゲーム業界には良質がゲームが多く、開発会社は自分たちが作ることのできる最高の楽しさを実現するために没頭するようになり、必然的に多くの開発コストが必要なAAA級のプロジェクトに命運を賭けることになる構造になっているという。Trion Worldsが陥った危機もこれに該当するとHartsman氏は見ている。

問題はAAA級のプロジェクトの規模がさらに大きくなることであるという。余裕がないレベルまで開発コストが増加すると開発会社は潰れるしかない。Hartsman氏は一連の状況を「構造的崩壊」と指摘している。

▼AAA級ゲームの開発費の推移。現在の開発費は1999年の比ではなくなっている
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今までTrion Worldsが開発したAAA級ゲームは莫大な開発コストがかけられている。MMORPG「RIFT」には5年の間に50億円以上の開発費がかかっており、アメリカのTVドラマとコラボしたオンラインゲーム「Defiance」には、ドラマ制作とゲーム開発を合わせて少なくとも100億円を費やしている。

5月17日には「RIFT」と「Defiance」の開発チームを再編するという話も出てきており、Trion Worldsの関係者は「会社全体の従業員のうち70%が構造調整の対象となったし、約100人が影響を受けるだろう」と回答しているほど大きな措置が取られている。

Hartsman氏は、Trionのようになってしまわないように、AAA級プロジェクトを推進せざるをえない環境から脱するべきだと主張し、Riot Gamesの「リーグ・オブ・レジェンド」やMojangの「マインクラフト」を例にあげ、「最近大成功したゲームはこの構造から脱している。これらのゲームの成功事例を注視しなければならない」と語った。

Hartsman: ‘The traditional AAA style of development and distribution’ is broken

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