2月2日に発売され、既に販売本数200万本突破、同時接続者数も37万人超え、オープンワールドサバイバルゲーム「Valheim(ヴァルハイム)」はなぜこんなにヒットしているのか。
ファイルサイズが1GB以下な事や、要求スペックが低い事、価格が2000円程度であるという点で手が出しやすいという理由はもちろんあるが、ここまでの人気になった理由は他にある。
生存よりも「冒険」に焦点を当てた設計
Valheimはサバイバルジャンルのゲームだが、「ARK」や「Rust」「The Long Dark」「Conan Exiles」「The Forest」といった他のゲームとの違いはその設計思想にある。
Valheimの開発者によると、「Valheim」はサバイバルゲームよりも「ゼルダの伝説」や「スカイリム」のようなシングルプレイRPGに影響を受けたゲームだという。
Valheimは、プレイヤーが過酷な環境で生き残る事よりも、プレイヤーがオープンワールドを冒険して成長することに焦点を当てており、他のサバイバルゲームと比べると生存要素でプレイヤーが苦しめられることが少ない。
例えば、サバイバルゲームでは空腹や喉の乾き、病気、睡眠不足といった事でプレイヤーキャラクターが死ぬリスクがあったりするが、Valheimでは食事をしなくても餓死することはない。
Valheimで食事はプレイヤーにとってプラスになるのみであり、空腹にデメリットが存在しない。
建物の建築や敵との戦闘や世界の探索が空腹や脱水等によって妨げられることがない。
開発者は「シミュレーションがゲームプレイ体験の邪魔になるべきではない」という考えを持っており、サバイバルゲームだとフラストレーションを感じることもある生存のシミュレーションがかなり寛容である。
ボスを倒すとゲームが次のフェイズに進むため、RPGのようにしっかりと達成感と成長した感覚を得られ、なおかつサバイバルゲーム特有のフラストレーションがかなり排除されているため、非常に遊びやすいゲームになっている。
完成度の高いアーリーアクセス版
Valheimは発売されたばかりで、まだアーリーアクセス版だが完成度は高い。
この手のゲームにしてはバグは少ない方だ。
実装されているコンテンツも多い。最初からマルチプレイにも対応している。
インディゲームのアーリーアクセス特有の「未完成感」が少なく、しっかりと遊べる内容を確保している。
過去には、まともに遊べないようなアーリーアクセス版を40ドルで発売するインディメーカーも多かったことを考えれば、Valheim開発のIron Gate Studiosは他の開発会社が手本にするべきかなり良質な開発体制だと言えるだろう。
あえてサバイバルジャンルのテンプレートを避け、生存より冒険に焦点を当てることでRPGのように感じられる設計と、アーリーアクセス版でも十分に満足できる高い完成度が、サバイバルジャンルのファンだけでなくRPGファンの心も掴み、大ヒットに至ったのではないだろうか。
参考:PC Gamer
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