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中国のゲーマー達は「高品質な買い切り型ゲームがガチャでキャラ1人引くより安い」ことに気づき始めていると海外メディア

業界
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中国ガチャゲーム市場の逼迫

「鳴潮」や「ゼンレスゾーンゼロ」といった新作がリリースされたにも関わらず、2024年に中国のアニメ調ガチャゲーム全体の売上は前年比7.44%減少した。

下の画像は「エーテルゲイザー」や「アズールレーン」等で知られる中国のYongshi Networkの財務報告だが、売上高が10%減少、営業利益は72%減少、純利益は2023年から56%減少したことが明らかになっている。

“かろうじて採算ライン”のタイトルも多い現状

中国のゲームメディアGameLookは、長期的な成功を期待できる新作がほとんどなく、特に2024年夏以降にリリースされたゲームの多くは経営的苦境に立たされており、中国の多くのタイトルはかろうじて採算ラインを維持しているのが現状だと指摘した。

それだけでなく、中国の大手メーカーのガチャゲームも売上の減少が顕著で、業界は一斉にゲーム内容や運営戦略の修正を始めているという。

例えば「崩壊:スターレイル」では、2周年記念で限定★5キャラクターを選択式で配布する大胆な施策を展開し、プレイヤーを維持しようと画策している。このような施策がなければプレイヤーの維持が難しいと判断したわけだ。

市場の成熟化とユーザー意識の変化

飛ぶ鳥を落とす勢いだった中国のアニメ調ガチャゲーム市場が行き詰まりを見せているのは、”市場の急速な成熟化”が原因と見られている。

2020年に「原神」が世界的に大ヒットしてから、多くの中国ゲームメーカーがこの市場に新規参入し、業界全体がコンテンツの品質基準を大幅に引き上げることになった。

『真新しいもの』から『日常的な娯楽』に

原神がリリースされた2020年では、中国のモバイルゲームで世界と勝負できるほど高品質なガチャゲームは非常に少なく、誰の目にも新鮮なものとして映っていた。

しかし、5年が経ち、似たクオリティのゲームが次々にリリースされていく中で、当初の新鮮さは無くなり、人々にとって日常的なごくありふれたものに変化していった。そして今ではこの手のゲームを食傷気味にすら感じる層も増えているという。

GameLookは中国でガチャゲームが失速している理由に次の2つの点を挙げた。

1.ユーザーの見る目が肥えた

  • コンテンツの質や題材の新鮮さ、配信プラットフォームの選択、運営会社の安定性など、あらゆる面でより厳しい目が向けられることになった
  • 中国伝統文化と現代文化が融合した世界観や、『新怪談』と呼ばれる推理小説調のテーマを取り入れるゲームもあったがすぐに飽きられた

2.消費者意識の成熟化

  • 大量のコンテンツ主導型ガチャゲームが市場に投入されたことでマンネリ化が進み消費者は飽き始めており、同時に課金の合理性についても考え始めている
  • 2024年に発売された『黒神話:悟空』はこれまでAAA級の大作ゲームに触れてこなかった中国のゲーマーに「30時間以上遊べる高品質なゲームの価格が、ガチャゲームでキャラ1体を入手するよりも安い」という現実を気づかせた

2024年に発売された『黒神話:悟空(PC/PS5)』は中国で大ヒットし、2000万本を売り上げた。買い切り型ゲームが不毛の地だった中国では異例のことだった。

ガチャゲームにおける課金システム、特にガチャの価格設定は法外であり、割に合わないと感じる人が増えているようだ。

わかりやすい例として、2024年に「鳴潮」がリリースされる直前、多くの中国のゲーマーが”「すり抜け」の仕組みを廃止してほしい”と声を上げていた。すり抜けとは、ガチャでピックアップされたキャラクターではないキャラクターを獲得してしまうことであり、おおよそ50%程度の確率に設定されている。

こういった消費者意識の変化が、中国のガチャゲーム市場の成長に”待った”をかける形になっている。

下の投稿は日本のXユーザーのもので、「ニンテンドースイッチ2」の価格と、ソーシャルゲームのガチャの天井までに掛かる金額を比較したもので話題となった。

『キャラやゲームへの愛で課金してもらう』ビジネスモデルの限界

近年の中国のアニメ調ガチャゲームの多くは、課金誘導しやすい「PvP」や「ランキング」といったものを実装せずに、自己満足に近い、キャラクターやゲームへの愛で課金を促すというビジネスモデルとなっていた。

同じキャラクターや装備を何度も引くいわゆる「凸」をせずとも、十分にコンテンツの攻略が可能なバランスに設計されており、ユーザーは課金圧を感じることなく、ゲームに定着させやすいという利点があった。

しかし、長期運営を続けるガチャゲームメーカーは新たな課題に直面した。コンテンツ開発速度がプレイヤーの消費速度に追いつかないという根本的な矛盾だった。この状況がユーザー維持の上で最大の課題となり、結果として収益の不安定化を招いているという。

対照的に、PvPや競争を中核とし、多く課金した者が勝つ構造の「ホワイトアウト:サバイバル」がスマートフォンゲームの全世界売上ランキングの1位となった。

このような市場の状況から、プレイヤー間のランキングのような潜在的なPvPコンテンツや、あるいは直接的なPvP等、課金誘導しやすいゲームデザインを選択する中国のゲームメーカーが今後増えるのではないかと予想されている。

ソース: GameLook

“コンテンツ主導型は持続不可能”

「コンテンツの開発速度がプレイヤーの消費速度に追いつかない」という話はかつてMMORPGがよく言われていたことだ。

11年前、2014年に当時のソニーオンラインエンタテインメント(現:Daybreak Game Company)の社長だった、ジョン・スメドレー氏が「コンテンツ主導型のMMOは持続不可能」「業界が目指す場所ではない」と提唱した。

コンテンツ主導型(Content-Driven)とは、ゲーム開発会社がクエストやレイド、ダンジョン、キャラクターや装備の実装といった形で新しいコンテンツを定期的なアップデートにより追加し、ユーザーはそれを消費するというサイクルを繰り返す構造。

基本的にユーザーがそのゲームを続ける理由は「アップデートで新規コンテンツが実装されるから」であり、開発会社もプレイヤーを維持するために新しいコンテンツを開発し続けなければならない。

人々はゲームのコンテンツをとても素早くクリアし、開発チームが思っていたよりもかなり早く飽きてしまいました。

コンテンツ主導型が推奨されないのは、コンテンツの開発速度がユーザーの消費速度に追いつかないからであり、ユーザーはすぐにやることがなくなり早い段階で飽きてしまうからだと指摘されていた。そのようなジレンマはコンテンツ主導型である限り避けられないというのが通説だった

一方で、生き残っているMMORPGでは、コンテンツ主導型であっても「PvP」や「ハウジング」、プレイヤー主導のイベントなど、プレイヤーの手でコンテンツを作り出せる要素(ユーザー生成コンテンツ/User Generated Content)を少なからず備えているものが多い。

買い切り型のゲームには明確な「エンディング」が存在し、DLCのことは考えても、長期運営のことは考える必要がないため、コンテンツの開発と消費という問題は起こらない。

中国大手ゲームメーカーの「買い切り型ゲーム市場」への参入も本格的に始まっており、既に複数の大作ゲームが発表されている。

コメント

  1. 匿名 より:

    でも夢をみちゃうんだ……開発も、消費豚も^x^

  2. 匿名 より:

    ミホヨバに搾取されました
    ゼンゼロとかただキャラがインフレしてくだけでバランス調整もなにもない
    エンドコンテンツなんてなくてガチャを回すこと以外では楽しめない

  3. 匿名 より:

    原神は売上が前年比で50%減なのに、ユーザー数は20%減くらいだから、辞めるまではいかないにしても課金はしないみたいな層が増えてそう
    2025年はこの手のアニメゲームが大量参入してくるし、どこも厳しそうだね
    願わくば全ての中国ガチャゲームが共倒れになって欲しい

  4. 匿名 より:

    ガチャゲーがなくなることに不満は全く無いけど、1つのゲームをやり続けたいから買い切りは嫌だ

  5. 匿名 より:

    そもそも売れる買い切りゲーム作るのがリスクっていうね
    殆どのゲームは採算取れて無いでしょ
    ガチャゲーは見た目さえよければ勝手に課金してくれるからね
    同じ会社で買い切りとガチャゲーをバランス良く出していくのが良い気がするけど実際は

    • 匿名 より:

      言うて今はスマホの基本無料ガチャゲーも短期サ終ばかりだからなあ
      星の数ほどある中で極々一部だけが大ヒットして、あとは有名IPでも上手くいかない

    • 匿名 より:

      「崩壊:スターレイル」では、2周年記念で限定★5キャラクターを選択式で配布する大胆な施策を展開
      って書いてあるけどこれは調査不足?というか間違いですよ。
      2周年配布はアーチャーで、ルアン羅刹は配布なんてされません

  6. 匿名 より:

    もうモンハンやってないし買って損した気分だけどな

  7. 匿名 より:

    そもそもガチャゲーと買い切りゲーってのが対比関係なのか……?
    最近のゲームってどこも買い切りといいつつライブアップデートするし、追加コンテンツとして有料無料問わずDLC出すから「買い切り」ってのとは昔とちょっと感覚が違うというか
    パッケージ購入、アイテム課金、月額課金、いろいろ組み合わせつつ良ゲーが増えて欲しいね

  8. 匿名 より:

    しかし日本人はまだ気づいていないのであった

    • 匿名 より:

      気付いていても代わりが居ないんだから仕方ない。これはもうコンシューマやハイエンドネトゲが斜陽になった頃からずっと言われている事で開発力と消費速度の齟齬はどうしようもねぇので…

  9. 匿名 より:

    ガチャも引かないし1万円の買い切りゲームも別に買わない
    サブスクでのんびり遊ぶだけでええよ
    まあ、少なくともガチャがダメなら買い切りの時代だってのは安易な考えかと

  10. 匿名 より:

    買い切りゲーはすぐやることなくなるから逆にコスパ悪いねん
    モンハンは買ったけどもう買い切りゲーは当分買いたくない

  11. 匿名 より:

    むしろガチャゲーをゆるくプレイするのが安くて長く遊べる事に気づいたのであった

  12. 匿名 より:

    日本はとっくの昔にガチャゲーはコスパ悪いと考える人はガチャゲー辞めてるだろうね
    ガチャゲー好きな人だけが今もガチャゲーしてる

  13. 匿名 より:

    mihoyoもガチャゲー捨てて買い切りゲーム作ったら?

  14. 匿名 より:

    ガチャゲーを無料で遊ぶのがコスパ良いって言ってるコメント、それは開発費に一切貢献してないからただ課金者のおこぼれ貰ってるだけなんだよ
    サブスクも巨大原資に支えられてるだけだし……

  15. 匿名 より:

    中国はそもそも買い切りゲーが速攻で割られるから今のスタイルに落ち着いたんだろ
    そんなもの百も承知でやってるもんだと思ってたけど

  16. 匿名 より:

    ぶっちゃけ開発コストは売れる要因を増加させるリスク(悪い意味ではなく)を取った結果なだけであってソシャゲビジネスが遠ざかった原因ではないと思う
    だって安く仕上がったら持続的なアップデートを提供しなくちゃいけないコンテンツ手動のソシャゲものびのびやれるんだから
    ちいぽけとかキノコとかがそうでしょ、無理になるのはホヨバみたいにアホみたいに開発費かけるからでしょ
    それは金掛けたらかけただけクオリティ上げられる
    金かけたのにHITできないのはただの作り手の技量不足というかビジネスが下手糞なだけでは?

  17. 匿名 より:

    アクティブユーザー増え続けている生成AIの影響は無視できないと思う

    買い切りは大手でも新規IPヒットさせるの大変で
    続編リメイクに頼ってるからそれがない状態で参入してもそんなにと思うけどどうなんだろう?
    仮にヒットしても続編が3年から5年あるいはもっとって考えるとIPを強固にして根付かせるのも大変そう

  18. 匿名 より:

    ガチャゲーのまやっく常習者は脳汁ドパーがないとゲームを楽しめなくなってる
    重症患者だからなぁ^^
    3年くらいゲーム離脱しないと無理だね

  19. 匿名 より:

    複数のタイトルをかけもちするのが普通だから、むしろコンテンツ全てを消費するのは少数派では
    あとからプレイを始めて何章もメインをやるのがだるいとか普通に聞くでしょ
    飽きられる=コンテンツ不足ではなく、可処分時間が限界まで取り合いされて番が回ってこないのを飽きと錯覚してるだけ

  20. 匿名 より:

    単にリッチ系ソシャゲ界隈が似たようなのばっかが出てて飽きられてるだけじゃないの
    ソシャゲが飽きられたってのは違うと思うけどね

  21. 匿名 より:

    コンテンツ全然追加されてないけどサービス続いてる昔のMMOもあるし
    コンテンツ主導型よりユーザー生成コンテンツの方が長く続くよね

    • 匿名 より:

      20年続いてるMMOが今もユーザーが主導してイベントとかやって盛り上ってるかっていうとそんなことはなく
      鯖統合に次ぐ統合を重ねた上でコンテンツ全然追加されなくても課金し続けてくれる固定客がいるから黒字のうちは終わらないだけ
      他のMMOより先行してサービス始まって人が集まってその時に魂を焼かれた古参が残ってるだけだから後続には真似出来ない
      今から新規で始めてもただの古いゲームで終わって定着もしないけど、ずっと続けてる人にとっては余生を過ごす老人ホームになってる

  22. 匿名 より:

    コンテンツ主導型は持続不可能とか言ってるけどWoWもFF14も何年も続いてるやん
    まあ14は黄金のせいで足元グラついてるけど

  23. 匿名 より:

    「コンテンツ主導型のMMOは持続不可能」はコンテンツ主導で戦おうとするとユーザー数≒収益≒開発にかけられる費用が圧倒的なWoWに敵わないから他の道を模索するって意味だったんだけど、そう言って開発してたEverQuest Nextが結局頓挫しちゃったからな

  24. 匿名 より:

    100年後残るのは日本のコンシューマーゲー
    歴史的に評価されるのは買い切りゲー
    中華のソシャゲなんてサービス終わればプレイすることすらできんしな

  25. 匿名 より:

    今頃気付くとはな
    毒され過ぎたか

  26. 匿名 より:

    韓国発の基本無料mmoのことか

  27. 匿名 より:

    × キャラ
    〇 キャラの付いた期間限定イージーモード利用権

  28. 匿名 より:

    これを加味した上で出てくるゲームも変化していくと思うからそんな心配はしてないかも
    ガチャゲーもコンシューマもあんま変わらんかなって思えてきた。実際収益化するゲーム増えてるってデータ見た気がする

  29. 匿名 より:

    グラフィックが高画質になる程作るのに金がかかるわけで、
    モデリングとか全部AIにやらせれば良いんじゃないかな。
    低画質のローポリモデル作ってAIにハイポリモデルにしてもらえば良い。
    キャラクターを複数作るのは1人の人間では不可能なので分担作業になる。
    だがこれでは一部の工程が重複するから無駄になる。
    AIにやらせればパワーでゴリ押し出来るから、複数の派生キャラクターを作れるので無駄が無い。
    BGMや効果音、ボイスも全部AIで良いんじゃないの?
    一度AIに学習させればずっと使える、病気にならないし退職もしない。
    いいかげんマンパワーで何とかしようとするの止めた方が良いと思う。
    結局一番金がかかってるのが人件費なんだし。

    ガチャは2週間更新が出来ないならソシャゲ以下だからダメだな。
    1か月はやっぱきつい、気にいらないデザインだと1か月回すものが無いとかなる。
    ブルプロのガチャは1/4ぐらいは回したけど、3/4はデザインが気に入らなくて回す物無い時期が多すぎた。

  30. 匿名 より:

    「崩壊:スターレイル」では、2周年記念で限定★5キャラクターを選択式で配布する大胆な施策を展開
    って書いてあるけどこれは調査不足?というか間違いですよ。
    2周年配布はアーチャーで、ルアン羅刹は配布なんてされません

  31. 匿名 より:

    MMORPGのご始祖様が一柱、UOがランク40位台・・・
    あと数年でなんだかんだで30周年。
    結局、ユーザに委ねる方が長く続くんだね。ギャリオットの考えはまちがってなかったかもしれない。残念なのは中韓の不正を見逃したのが不味かった。あちこちのファセットで猛威をふるった結果皆白けて辞めてしまった

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