海外メディアのInverseに掲載された吉田直樹プロデューサー兼ディレクターのインタビューの一部を抜粋して紹介。
吉田プロデューサーはオンラインゲームの未来について次のような考えを示している。
『オンラインゲーム』という概念そのものが徐々に消えていくのではないでしょうか。実装の規模に差はあれど、最近では何らかのオンライン要素がないゲームはほとんどありません。その違いはマルチプレイかシングルプレイかという区別程度になると思います。
また、吉田Pは技術革新によってMMORPGあるいはゲームが大きな変化を遂げるだろうと予想している。
今後10年で考えると、VRなどの新しいデバイスの開発と普及により、革命的なゲーム体験が実現するかもしれません。もう少し早く実現できると思っていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大による半導体不足などで、数年遅れているのではないかと思っています。
量子コンピュータにより、サーバーの性能やシミュレーションできる要素が飛躍的に向上します。すると、現実に近い、活気のある世界を作ることができたり、実際にインターネット上に世界を作るような新しい発想が生まれるかもしれません。ゲームの開発スタイルが大きく変わり、ゲームだけでなく日常生活そのものに大きな転機が訪れる可能性があります。
FF16のプロデューサーでもある吉田氏は、スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジー」シリーズの現状について次のように述べている。
ファイナルファンタジーがゲーム業界のトレンドにうまく適応できているかというと、現状は苦労しているのではないかと思います。ゲームデザインの方向性について様々な要望が寄せられるようになりました。正直、1つのタイトルでその要望をすべて満たすことは不可能です。私たちができるのは、複数のゲームを作り、毎回最高のものを作り続けていくしかないというのが、今の考えです。
私はゲームデザイナーなので、常に(新しい)ゲームのアイデアがいくつかあります。ここでは話せませんが、それはどんなゲームデザイナーにも言えることだと思います。私はゲームが作れるならそれで幸せだという人間なので、特にこれといったものはないのですが、死ぬまでにもう1本、MMORPGをゼロから作りたいと思うことがあります。
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