ゲーマーに4Kモニターは不要?4Kゲーミングの無駄さを解説した動画が海外で話題に

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800万人以上の登録者数を誇るチャンネルLinus Tech Tipsが「4K Gaming is Dumb」(4Kゲーミングは間抜けだ)という動画を公開し、300万近い再生数で話題となっている

YouTubeチャンネルを設立したLinus(ライナス)氏はカナダのPC販売店に勤めていた経験があり、PCの知識を活かして様々な動画を配信している。

Linus Tech Tipsが公開した動画では、4Kゲーミングはなぜ駄目なのかについて解説している。

まず、27インチの4Kモニターの場合、モニターから約52cm以内の距離に近づかないと各ピクセルを区別することは人間にはできないとLinus氏は説明し、オフィスで働いている各スタッフが普段モニターからどのくらいの距離なのかを測定した。

distance_to_monitor.jpg

>ピクセルを区別できるほどの距離というのは近すぎるので、実際にはその地点よりも少しだけ離れる必要がある。

計測の結果、多くのスタッフは60cm~70cm程度の距離でモニターを見ていることがわかった

distance_linusoffice_staff.png

27インチフルHDのモニターは約1m、27インチ1440pモニターは約80cm以内の距離が最適距離なので、半分以上のスタッフは4Kモニターの恩恵を受けられるだろうとLinus氏は説明した。

一方で、我々が普段見ているPC上の文字はアンチエイリアスが適用されている状態であり、本来の表示よりも綺麗に見えているということについても指摘。

Windows 10を使っている人は、フォント設定を開き、関連設定にある「ClearTypeテキストの調整」を選択することで、Windows上の文字のアンチエイリアスに関する設定をすることができる。

Linus氏は「高解像度のディスプレイはテキストコンテンツの作成や消費には間違いなく優れています」と説明したが、ゲームではそうはいかないと話す。

text_4kmonitor_ltc.png

静止しているテキストとは違い、ゲームには動きがあり、プレイヤーも目を頻繁に動かすことになります。では、4Kモニターの鮮明さは果たしてゲームでどれだけの差を生み出すのでしょうか?

異なる解像度のモニターを比較検証

Linus氏は1920×1080(フルHD)、2560×1440、3840×2160(4K)という異なる解像度に設定された3つの27インチモニターを用意。

リフレッシュレートを全て60Hzに固定し、ゲームのアンチエイリアスをオンにし、複数のスタッフにゲーム画面を見てもらってどの程度の違いがわかるのかを検証した。

linustechtips_4kgaming_01.jpg

多くのスタッフは、フルHDと4Kの差は体感していたものの、1440pモニターと4Kモニターを見比べたときには顕著な差はわからないという反応を示していた。

スタッフの1人は「こっち(4K)のモニターの方が綺麗に見えるけど、その後に1440pのモニターを見ると、こっちもかなり綺麗に見えるよ」と話した。
また、あるスタッフは「この2つの差を見分けるのは難しい」と話している。

Linus氏は「たとえ、4K/60fpsで動作させられるゲーミングPCと4Kモニターを買えるだけお金に余裕がある人であっても他のモニターを買った方が良いです。ゲーム体験にはピクセルの多さよりも遥かに重要な事があるからです。」と述べている。

リフレッシュレート VS 解像度

次の実験では解像度とリフレッシュレートが全て異なる3種類のモニターを用意し、スタッフに「DOOM」をプレイしてもらい違いを見比べてもらうという検証が行われた。

higerrefreshrate_monitor3.jpg

1920×1080 @ 240Hz
2560×1440 @ 144Hz
3840×2160 @ 60Hz

という3種類のモニターが用意され、検証の結果、スタッフの印象が最も良かったのが2560x1440@144Hzで動作させていたモニターだった。

Linus氏は次のように語っている。
「基本的に、対戦ゲームをする目的なら疑いようもなく、高い解像度よりも高いリフレッシュレートのモニターを選ぶべきです。ピクセルが増えることは、反応時間を短くする目的では価値がありません。

Linus氏は、レッド・デッド・リデンプション2やグランドセフトオート5のような、映画的な体験や映像にこだわったゲームを中心にプレイする人は4Kのような高解像度のモニターを買う理由になるだろうとしている。

「もし4K@60Hzのモニターと1440p@144Hzという2つの選択肢があったら、2560×1440@144Hzのモニターを選ぶ」とのこと。

「リフレッシュレートの高さは実際にあなたを優れたゲーマーにしてくれますが、ピクセルが多い事の恩恵は27インチディスプレイでは極小です。経験豊富なゲーマーですら、2560×1440と4Kの違いを伝える際に躊躇しました。」

4kgamingdumb.jpg

4Kで高リフレッシュレートのモニターも存在するが・・・

Linus氏は市場に「4K@144Hz」のような高価なモニターがあることついても触れ、1440pのモニターよりも全ての点で優れていて素晴らしいが、問題があると語る。

その問題とは、「144Hzという高いフレームレートを4K解像度で維持できる高性能なコンピューターが必要」だということ。

ASUS ゲーミングモニター 27インチ ROG SWIFT PG27UQ(4K/量子ドットIPS/HDR10/4ms/144Hz/G-SYNC/直下型LED/Aura Sync/HDMI/DP)

Core i9 9900K、RTX 2080 Ti SLI、その他もろもろの最高級のパーツを揃えた、65万円以上するようなモンスターPCですら、Shadow of the Tomb Raiderは4Kで144Hzを維持するのは難しいことがわかった。

4K@144Hzの高価なディスプレイを買ったとしても、全てのゲームが4Kかつ144Hzで快適に動作できる保証はほとんどなく、4K・144Hzのために高価なPCを買ってもお金を無駄にする可能性が高いという。

Linus Tech Tipsでは次のように結論付けている

  • 対戦ゲームではリフレッシュレートが高いモニターの方が良い
  • お金に余裕がある人でも、今の段階では2560×1440@144Hzのモニターが最も恩恵の大きい「スイートスポット」である

4K解像度で高いフレームレートを安定して維持できるようなスペックのPCが手頃な価格になった時には4K・144Hzがゲーマーにとってベストな選択肢になるかもしれない。

今のところ、ゲーム以外の用途での利用や、先述のようにグラフィックスクオリティを重視した映画的なゲームを中心に遊ぶ人は4Kを選ぶ価値もあるかもしれないが、27インチ程度のサイズだと1440pとあまり見分けがつかないので考えものである。
大型のテレビでは映画等を楽しむ際に4Kの恩恵を得ることができるだろう。

iiyama ゲーミングモニター27型144Hz液晶/TN ノングレア WQHD 2560x1440/1ms昇降/ DisplayPort, HDMI, DVI-D/3年保証 GB2760QSU-B1

今回の検証はあくまでPCゲームの話であり、最大60fpsがほとんどであるコンソールにおいては144Hzのモニターは恩恵がないので注意が必要である。

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