今から約10年前の2014年3月、Game Developers Conferenceでマイクロソフトのリチャード・ラウス氏とRiot Gamesのトム・アバナシー氏の2人がゲームにおける物語の構成に関する講演を行った。
今でもその講演のプレゼン資料はGDCの公式ウェブサイトで読むことができる。
Death to the Three Act Structure! Toward a Unique Structure for Game Narratives
Over the last few decades, almost everyone interested in storytelling has become familiar with the c...
本稿では改めてこの10年前の講演内容を紹介する。
映画とゲーム どちらが物語を細かく思い出せる?
マイクロソフトがユーザーへの調査で、「好きな作品のあらすじを教えて下さい」という質問をしたところ、ゲームとそれ以外の媒体で回答時の単語の数に差が生まれたという。
紫→ゲーム
灰色→ゲーム以外(映画、ドラマ等)
ゲームのプレイヤーは具体的な話の流れをほとんど覚えていない
- マイクロソフトの研究では、プレイヤーは自分が遊んだゲームの具体的な物語をあまり覚えていないことがわかった
- 「あなたの好きなゲームのあらすじを教えて下さい」と尋ねられた時、ゲームプレイヤーは正確に答えることができなかった
- 一方で、好きな映画やドラマのあらすじについて聞かれると、非常に細かく思い出すことができていた
- ゲームのプレイヤーは、物語の筋を最初から最後まで追うことができておらず、物語を要所要所で部分的に記憶しているのみだった
プロットを覚えていない理由は?
- 「良い脚本が書けていないから」と言う人がいるかもしれないが、ゲーマーが物語のプロットを覚えていない理由はもっと根本的なところにある
- まず、ゲームを遊ぶ時、プレイヤーは何よりも「ゲームをすること」に没頭することになる。そうでなければゲームをクリアできない
- 次に、ゲームにおいて物語はゲームプレイから大きく離れていることが多く、物語がゲームプレイに直接結びついていない場合は話の筋を追うのが難しくなる
- ゲームにおいて、物語が展開する区間とそうでない区間の間隔は、映画等と比べると遥かに長く、攻略に手こずればさらに間隔が広がることになる
- ゲームプレイに脳の大半を使用している状態で、その周囲にストーリーがあると、プレイヤーは少しのことは理解できても、それ以外のことは理解できない
- ストーリーが好きでゲームを遊んでいると自称する人でさえ、ゲームプレイは物語よりも思い出すことができる
“キャラクターのことはよく覚えている”
- 興味深いことに、マイクロソフトの調査では、ゲームプレイヤーは『キャラクター』に関しては、物語における役割に関係なく、本当によく思い出すことができた
- ゲームプレイヤーが覚えているのは「キャラクター」と「自分が体験したこと(ユーザーエクスペリエンス)」
- ゲーム開発ではキャラクターに焦点を当てるべきだが、キャラクターの動機とプレイヤーへの動機付けが一致している必要がある
- 同様に、ユーザー体験以外に、学習・実践・習熟の繰り返しや、レベルやミッションの設計などの面でも、ストーリーがゲームデザインの構造的ニーズに一致していることを確認するべき
ゲームにおける「ストーリーが好き」≒「キャラクターが好き」
リチャード・ラウス氏は、聴衆への挑戦だとして、ストーリーが好きだと言われているゲームは、実際はキャラクターやゲームプレイが好かれているだけだと主張した。
- ゲームにおけるプロットは過大評価されている
- これを信じてもらえないことが何度もあったが、蓄積されたユーザー調査データでそれが証明されている。プレイヤーは話の筋を覚えていない。
- 「ゲームのストーリーが好き」という意見には一考の余地がある
- 「ストーリーが好き」と言った場合でも、ゲームプレイまたは特定の場面が理由になっているか、興味を引かれるキャラクターがいたかのいずれかであると確信している
- しっかりした構造を持ったゲームであっても、おそらくプレイヤーは物語の筋は思い出せないはず
- 私達のメディア(ゲーム)は三幕構成が必ずしも正解ではないということを人々が認めざるを得なくなったと願っている
10年前のこの主張は正しかった?
コメント
ゲームのジャンルによると思う
例えばRPGなどのストーリーがある程度用意されていて、プレイヤーの動作が本筋に対して大きく影響を与えないようなゲームの場合、この結果通り、映画が100%の脳みそで脚本に対して意識が集中しているのに対して、ゲームはコントローラの操作である程度の意識が削がれているためストーリーを記憶できていないということはあるはず
逆に探索メインのアドベンチャー系はストーリーを自ら探していかないとゲームはクリアできず、自身のテンポで脚本をなぞる必要があるため必然的に記憶に残りやすい気がする
ニーアオートマタに登場する2Bの尻がSNSで話題になってゲームの売上が伸びたこと、ヨコオタロウが担当したシナリオが絶賛されたこと、一方でFF14とのコラボイベントのシナリオをヨコオタロウ本人が執筆したのにクオリティの面で酷評されたこと、以上を考慮すると
“「ストーリーが好き」と言った場合でも、ゲームプレイまたは特定の場面が理由になっているか、興味を引かれるキャラクターがいたかのいずれかであると確信している”
は正しいと感じる。
PS2辺りの時代迄はそうでもなかったがオンゲが主流の時代になると
ソロゲオフゲはどんな物か動画で飛ばし見る事はあっても自分でやる事はなくなった
なのでソロゲのストーリーとか興味も無くなって記憶に残らなくなった
オンゲはそもそもオン上で他者と気軽に遊ぶ事が主目的なので
ストーリーとか初めからオマケみたいな物だしな
クソデカ主語動画おじ懲りずにまた来たのか
ゲームとそれ以外の媒体のストーリーの記憶のされ方の話なのであって
ネトゲとコンシューマーの話じゃねーぞアホ
中身スカスカなやつばっかやってるからだろ
主張するのはいいけど根拠で提示しているのは映画等よりゲームのあらすじを覚えている人が少ないってだけやね
あらすじで統計を取った分「キャラクターが~」で何で統計取らんの?いきなり感情論に切り替えも不思議
ストーリー好き→シーンやキャラが好きなだけで物語は覚えてねーだろも上記の統計は根拠にならん
最初だけは統計で根拠持ち出したけど後は知らないおっさんの感想文ってだけやな
海外って銃撃ちすぎて覚える気もないんじゃない
かと言ってストーリーに凝り出したら、バルターズゲートみたいな作るし
そりゃ覚えてもらえんだろって思う
ゲームは長いからでしょ。
映画は2~3時間。ゲームは15~70時間。
映画と比べてほとんど覚えてなくてむしろ当たり前。
ストーリーは良いに越したことはないけどそこまで求めてないな
ゲームプレイが良ければストーリーよく分からんでも良いゲームだわ
キャラ強化のための作業プロセスの一部に、mmorpg の物語は組み込まれている
印象薄いのは当たり前
…って10年前でも言ってそう
日本人もかなり阿呆になってきてるけど外人の阿呆っぷりは想像を絶する
日本と違ってテキストを読んで物語を楽しむジャンルは超が付くほどのマイナージャンル扱いだからな